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ハノイで土地バブル?772もの開発案件

ベトナムにハノイタイムズという英字新聞があります。これの3月27日号はHow many idle projects to be withdrawn?というタイトルとともに「傍聴するハノイにおける住宅地域開発は、首都圏の土地利用計画で設定された目標値を数十年分超えるほどの規模となっている」として過熱ぶりを伝えています。

どのぐらいのプロジェクトがあるかというと、ハノイで772件計145,770haの都市開発プロジェクトが申請されており、その内訳はハノイ市と合併された旧Ha Tay省で102,76ha(この合併についてはベトナム株式投資ニュースというサイトがHa Tay省、FDIが10億ドル超にという記事を2008年6月に出しています)、Me Linhで3,383ha(ここもハノイ市の併合された地域で、ネットサーチをすると同地に投資を進める不思議な感じのサイトがでてきます)、旧Hoa Binh省の4村で3,383haそして旧ハノイに25,000haとなっています。

この数字だけでも世界を襲う金融収縮はハノイに届かず、膨張・発展を続けているように感じますが、果たして大丈夫なのか?

ハノイ都市開発計画協会によれば、全首都圏における工事計画で首相に承認されたものは、宅地開発が2010年までに55,110ha、2020年までに111,550ha、2050年までに172,800haにのぼるといいます。これら同市で計画されている都市開発は、今後40年で目標とされている開発面積と同規模に達するといわれています。

Ha Tayがハノイ市に合併される前、利用価値の高い土地を得る協定書に多くの企業がHa Tayの行政機関と調印を行っていた。ハノイの一部となる前、2008年の2ヶ月だけでHa Tayは数百もの不動産プロジェクトを承認した。旧ハノイの住宅地域プロジェクトは38件だが、旧Ha TayのDan Phuongは15件、Hoai Ducは80件、そしてQuoc OaiおよびThacch Thatではそれぞれプロジェクト数は100件を越している。

ハノイ都市開発計画協会の専門家は適切な開発案件を選ぶため不動産プロジェクトを見直す必要があるものの、一体だれが、そしてどの様に調査を磨るのかと疑問を投げかけています。専門家は検査は拡大ハノイ市の建設計画を元に行われる必要があるものの、同計画は2010年まで完成しないことから、検査はこれ以降行われるべきだと主張しています。さらに適切な不動産開発プロジェクトを選別する指針が無ければ、調査結果は不正確、不公平、そして科学的な根拠の無いものになろうと批判しています。

それはそうなんですが、2010年ですか?都市開発を2年間モラトリアムにするというのは大胆な発想で、よいなぁと思うのですが、現実的とはいえません。

現実には3月23日ハノイ人民委員会は政府に、4月初旬に拡大ハノイにおける不動産プロジェクトの調査報告書を提出すると報告しています。

先ごろ建設大臣はハノイ人民委員会に対し海外の顧問機関と共同で、不動産プロジェクトの厳格な見直しを行うよう文書を送付しています。

先進各国が持つ悩みを研究して調和の取れた都市開発を進めてほしいものです。
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by fukimison | 2009-03-31 12:43 | 不動産  

英、自治体の資金運用

本日もまた英国の話題です。
インフラでも景観でも無い話題ですが、日本と比べると面白いと思い選んでみました。

ネタ元は英国の建築専門誌のNCEです。
Local Authorities 'negligent' by investing in failed Icelandic banks(倒産したアイスランドの銀行に投資したことによる英地方自治体の怠慢)とでも言うのでしょうか、リーマンショック後、高金利で海外からの資金を集めていたアイスランドの金融機関があいつで倒産し、大きな話題となりました。以前ブログでおつたえしましたが、この時、英国市民でアイスランドの銀行に預金を持っていた人々、教育機関や地方自治体も大きな被害を受けたという記事がでました。

そして今回「自治体監査委員会は3月26日、倒産した銀行に預金をしていたため資金を失った地方自治体に対し、警告に注意を払わず「怠慢」だとする見解表明」という記事がでました。

この記事を読んでいくと英国が、いかにリーマンショックによる影響を受けたかが分ります。たとえば2008年10月7日、アイスランド経済がメルトダウンする前日、英国の地方自治体や議会の4分の1が計10億ポンドにのぼる預金をアイスランドの金融機関に行っていた。そのうち大部分の地自体は経済危機が資金を飲み込む前に手を打つことが出来たが、7つの自治体は金融機関倒産まえに3280万ポンドの追加投資を行うことで、英国勅許公共財務会計協会 (Chartered Institute of Public Finance and Accountancy:CIPFA)が発行するガイダンスおよび各自の資金管理議定書に違反したことで、「怠慢」の烙印を押された。これらの自治体が犯した違反に格付け変更の警告e-mailの開封を怠った、古い情報を利用、1つの金融機関に対する限度額を超えた預金などとあり、どこの国もしていることは結構おなじようなもんです。

最後にある情報一覧が面白いです。
ここまで情報公開できるのがまた興味深い。日本はどうなんでしょうね。
このぐらいはっきりと数字が出せるぐらいであれば、手の打ちようもあるけど、数字が出ないほうが恐ろしい。

2008年10月7日において英国の451地方自治体は総額310億ポンドを国内および海外で運用しており、うち3.1%がアイスランドの金融機関に預けられていた。

4つに1つの地方自治体(127)がアイスランドの金融機関に9億5400万ポンドを失う危険を分け合っている。その内訳は、15の州議会(44%)が2億7000万ポンド、58の郡議会(24%)が2億3100万ポンド、11のロンドン区議会(33%)が1億5300万ポンド、13の単一自治体(28%)が1億500万ポンド、12の警察当局(32%)が8500万ポンド、10の消防当局および他の団体(16%)が7800万ポンド、8つの大都市郡議会が(22%)が3200万ポンドとなっています。

2008-2009年にかけ地方自治体はおよそ18億ポンドの利息を短期預金で得ていた。

いくつかの機関にとり、利息による所得は地方税と同額であった。

18の地方自治体において、準備金として所有している以上の額の資金が危機に曝されている。

うーん、すごい。
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by fukimison | 2009-03-26 21:59 | つれづれ  

英、開発業者倒産によりエジンバラの大型再開発頓挫

この2週間お休みしていた間、パリのシャイヨー宮にある建築博物館を訪ねました。本当は教会建築の推移や近代建築発達史が圧巻なのでしょうけど、私としてはオスマン前とオスマン後の差をしめしたパリ市模型が一番面白かったです。

久しぶりのインフラあれこれでは日本のWBC勝利並みの明るいニュースをと思って探したのですが、このご時世です、やはり重めの物になってしまいました。

3月24日付けの英建築専門誌のNCEはエジンバラで計画されているCaltongate再開発事業の開発業者が倒産したことをトップで伝えています。Caltongate scheme in jeopardy as developer goes in administration

このCaltongateとはエジンバラのOld TownのRoyal MileとEast Market Street間を3億ポンドかけ再開発するプロジェクトで、5つ星のホテル、会議場、1500人収容の音楽ホールを併設した街区やオフィス・住宅建設を行うものです。Royal Mileはホリールードハウス宮殿とエジンバラ城を結ぶ約1マイル道路で中世の風情を残すオールドタウンの中心的存在、そこの一部を再開発するのですから歴史建造物をいくつも解体するわけで、計画発表以来この地域の歴史的価値を損なうとして東京の中央郵便局と同様に大きな批判にさらされてきました。

関連記事を探したところ2006年5月のBDにMurray defends plans for Edinburgh old townという記事があり、Cockburn Associationとthe Edinburgh World Heritage Trustが共同でこの計画を批判する声明をだしたというのがありました。

それはともかく、この再開発プロジェクトを押し進めていたMountgrange Capital という開発投資企業はスコットランド銀行が開発資金支援を拒否したため、破産申請の手続きに入ったということです。

CaltongateのサイトをみるとMountgrange Capital considers funding options という声明文のみになっており、これによると同社が手がけているプロジェクトは商業的価値があり、いろいろな支援策を模索しているとありますが、全体として英国の金融環境が悪く貸し渋りの被害者だみたいなトーンです。

一方計画に反対してきた保存団体は、この計画が持ち上がった最初から我々が主張してきたように、投機的な開発はコミュニティーや環境にとり都市を持続可能に開発する方法ではないと声明を発表しています。

パースをみると高さはないのですが確かに現代建築で、細かった道が突然広くなり、広場に繋がっています。薄暗いイメージのあるオールドタウンのなかにこれらの建築が生まれるとだいぶ違和感はあるなぁというものです。ただオールドタウンの持つ中世の風情が消防車や救急車が入れないほど細い小道が迷路のようにつながっていることに結びついていることから、防災と中世の風情を組み合わせ再開発とは、どういうものが望ましいのか?反対派の考えるパースがあれば、知りたいものです。
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by fukimison | 2009-03-25 07:08 | プロジェクト  

英、PFIプロジェクトの見直し求める

PFI発祥の地である英国でPFIをやめて、以前のように直接設計家と契約すべきだという声があがっています。もともとPFIは、すべて国がしようと思っても無理がある、営利を目的としないので費用がかかりすぎる、計画から実施に至るまで時間がかかりすぎるといった理由で始まったものだと理解しています。それに英国が立ち直ったのはサッチャー政権でPFIを押し進めたからだという説もあります。

それから30年近く過ぎ、PFIに合うもの、合わないものがはっきりしてきたというのがあります。
本家英国ではこういった風潮が大きくなっているのに、遅れてきた日本はPFIで効率化といっているのがちょっとね、ですし、逆に先人の失敗例から学ぶというのが重要でしょう。

そして今回の記事はGovernment should scrap PFI, says Rogersというもので、英国の著名な設計家のロジャース(レンゾ・ピアノと組んだポンピドーセンターで有名になり、代表作としてはロイズビルなどがあります)が「政府はPFIをやめ、税金を直接グリーンビル、公共インフラ、学校や病院にまわすべきだし、設計家を直接雇うことをもっと行うべきだ」と言ったというものです。

ロジャースは労働党のお友達で政府で建築関係のアドバイザーを務めていたこともあります。

彼の意見はPFIをやめることより、建築家をもっと雇用せよに重点が置かており、これは元RIBA会長も同意見で「PFIは茶番になりつつある。PFIはデザイン、費用管理や維持管理において酷いものをうみだすことしかしないし、プロジェクト自体で資金調達もできない」と酷評しています。

PFIは道路や水道といった施設のほか学校、病院や刑務所にも利用され、とくに病院には多く見られる形態ですが、確かにとっても上手く行ったという記事は見かけた記憶がありません。

もっと効率的に実施するため調達方法の改善は必要だけど、PFIでする必要は無いというのが結論のようです。

明日から2週間ほどお休みをいただきます。
4月ぐらいからまた本格稼動しますので、どうぞご贔屓に
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by fukimison | 2009-03-09 09:46 | プロジェクト  

タイとラオスを結ぶ鉄道、営業始まる

昨年(2008年)7月11日にタイとラオスを結ぶ鉄道、試運転始まると題してお知らせした国際鉄道路線がついに開業をはじめたというニュースがBBCで流れました。First Thai-Laos rail link opens

BBCの記事によりますとタイのMaha Chakri Sirindhorn王女は、メコン川を渡りタイとラオスを結ぶ鉄道の開通を宣言したとあります。旅客列車は30分かけて2往復し、1日あたり約500人の旅客を運ぶ計画です。国連が後援する汎アジア鉄道は現在29カ国で稼動、総延長74,700kmあり、あと10年から15年で完成すると予測されています。今回の開通式はラオスを結ぶ最初の国際鉄道となります。

内陸国であり、いままでトラック輸送に頼っていたラオスにとり鉄道の開通は物流のみならず、人や情報の流通という面でも大きな意味を持つでしょう。

2008年7月の記事にも書きましたが、メコン川を渡るこの路線は20ヶ月の工期とタイの資金(約1億9700万バーツ、およそ550万ドル)により完成したものです。その昔、およそ1960年代にアジアと欧州を鉄道で結ぶという大構想がありまして、これは西はトルコやロシア、北と東は中国、ベトナムそして韓国へ至るというものでした。その延長線上に韓国と日本を結ぶトンネル建設なんていうのもありますが、世界でも名だたる紛争地帯であったことも原因して、いまだ完成の予測すらたっていません。しかし今回のタイとラオスを結ぶ鉄道の完成は、そのうち、シンガポールから中国・上海の港を結ぶ交通路ができる、かな、という気分にさせられます。

このあたりに関しては2008年11月30日付けのBBC記事Train tracks to link Asian nations を読むと楽しいです。
中国からベトナムへ至る鉄道計画にアジア開発銀行とフランスの名前がでていたり、ハノイの市内交通インフラのフィージビリティー調査に日本とフランスが資金援助するとかあり、今後の発展が期待されます。
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by fukimison | 2009-03-06 10:40  

インド、鉄道網計画に英コンサル

少し古い記事ですが、インド関係のものをまとめてお伝えします。

まず最初は2月25日付けのNCEにあったScott Wilson to design Indian cityという記事です。このスコット・ウィルソン社ですが、英国をベースとし世界各国に支店網をもつ設計・技術コンサル企業です。プレスリリースを見るとポーランドの高速道路事業受注とか東欧での事業拡大とか書いてあります。そして本題ですが、同社は首都デリーとインド最大の都市であり貿易港でもあるムンバイを結ぶ1500kmの輸送鉄道沿いの将来設計を請け負ったというのもです。持続可能な開発担当部長によると、この輸送網の工費は630億ポンドで、インドでの日本製品や生産拠点の拡大をめざす日本の国際協力銀行が調達します。

輸送鉄道沿いの地域のインフラを整備するということは、いままで何もなかった田舎町が工業団地や流通ハブになるということで、ウィルソン社はそれらの場所選定、コンセプトデザインや下準備を含めて係るそうです。なんでも100km平方程度の都市づくりまであるそうです。コンサルというより都市計画ですね。

現在ムンバイとデリー間の物流は4日かかっているそうですが、新幹線並みの輸送鉄道路を建設することで、この所要時間を短縮し物流の効率化を図るというものです。

それは良いのですが、ムンバイといえば2008年におきたテロが記憶に新しいです。あれ以来インドへの投資は以前ほどの気楽さが消えたように感じますが、別の記事によるとインドではこの10年間に1250名がテロで命を落としているとあります。うーん、1250人、インドと中国で出てくる数字は、なんであれ日本人の予想をはるかに越えます。テロがそれほど珍しいものではないインドでも今回のテロは別物で、インドの9・11であり、その影響はいろいろなところに出ているそうです。たとえばショッピングモールへの人出は50%減少し、売り上げはそれ以上の減少をみたとあります。Mumbai Tarnished

テロ、そして金融収縮によりインドの株価は2008年1月に比べ60%も下落していますし、アナリストはインドの経済成長率をこの7年で最低の6%と予測しています。(マイナス成長もあるなかで、また日米欧の状況を考えると6%が低いなんて、贅沢)

しかし、この鉄道インフラ都市開発事業に海外からの投資を期待とありますが、はたしてどんなもんでしょう。
インフラの整備とそれによる環境破壊、都市開発による立ち退きを強いられる住民、だれがどんな形で利益をえるの、と開発経済のもつBSは誰が精査するんでしょうね。
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by fukimison | 2009-03-05 14:17 | プロジェクト  

ケルンでビル崩壊

このところ忙しくて週末をかけ4日間もお休みしてしまいました。
この間に先日お伝えした350-400人のリストラを行ったフォスターと同じようなスター建築家のロジャース事務所が事務所要員の20%超にあたる35人のリストラを行うという記事、ロンドンのオフィス賃料が24%下落したという記事、かと思えば上海市は地下鉄やLRTを浙江省や江蘇省へ延伸する計画を発表したという記事などがあったのですが、時間がとれず残念です。

これらの記事をとも思ったのですが、やはり本日はケルンのビル崩壊でしょう。
3月3日付けのIHTはCologne building collapses; 3 missing, many escapeとして、また英国の建築専門誌のNCEもCologne building collapses leaves three missingと報道しています。

両者からポイントを取り出してみると、3月3日午後2時、西ドイツのケルンにある6階建ての公文書ビルが隣接する建物(2棟)を巻き添えにして崩壊した。公文書ビルは崩壊前にガラガラと音がし、これを恐れて人々が避難したことから負傷者はでなかったものの、巻き込まれたビル(うち1棟はアパート)で行方不明者が3名出ているそうです。緊急作業員は半径150mの範囲にあるビルから人々を避難させてたということです。

報道によればケルン市は地下鉄の延伸工事を行っており、崩壊したビルのある通りのしたで工事が行われているそうです。この公文書ビルは1960年代か70年代ごろの建設だと考えられ、現在は改築工事が進行中でした。この事故で建設中の地下鉄の天井部分も崩落しましたが、地下道に閉じ込められた作業員はいないとのことです。

地下鉄工事関係者はこの30日間で大掛かりなトンネル工事は行われなかったといっていますが、公文書館の職員は昨年地下でひび割れが発見されたとインタビューで答えていますし、さらに2004年に近所にある教会が1mほど一方に傾いています。これも地下工事が原因でとされています。

調査官はまだなんとも原因は不明だとしていますが、これは因果関係を立証するのが難しいというだけであって、他の原因はちょっと考えにくいというのが現実ではないでしょうか?

大深度地下法ができてから東京も網の目のように共同溝や地下鉄のトンネルが掘られています。そしてその上に超高層ビルが建設されたりして、本当に大丈夫なのかと素人は心配します。
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by fukimison | 2009-03-04 11:06 | つれづれ