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英コンサル、ドバイの未払いプロジェクトに苦慮

サブプライム、リーマンショック以降の建設市場は不動産価格の下落を遠因とする大型プロジェクトの延期や中止に泣かされてきました。とくに不動産金融立国をめざしたドバイでは、パームジュメイラなどの大型プロジェクトの行方がいろいろと取りざたされ、ドバイの様子など以前にも何度かおつたえしてきました。

そうした中、4月29日付けの英NCE誌にConsultants fight Dubai clients for unpaid feesという記事が出ました。

いままでは延期や中止であり、完成物件の投売り、失職した建設技術者の今後であったのが、未払いの問題になってきました。

記事は「アナリストは、Atkins社、Mouchel社、Scott Wilson社やWSP社をはじめとする英企業に対しNakheelは総額2億ポンドの未払い金があると考えている」とあります。このNakheel社は、ドバイ政府が支援する開発業者で、パームジュメイラなどの人工島リゾート建設メガプロジェクトを行ってきた企業です。2億ポンドですが、換算ソフトによると28,902,506,496円だそうです。

Atkins社自身も「現金回収はどんどん難しくなってきており、特に中東でそれが顕著であり、同地域での未開集金はこの3ヶ月で約2500万ポンドにのぼっているいる。今後数ヶ月この調子だろう」としています。

Mouchel社も2009年初頭に「中東地域での未開集金の総額は3160万ポンドで、そのうち2300万ポンドがドバイの大型プロジェクト関連だ」と、同社が未回収金問題を抱えていることを、さらにScott Wilson社は回収不能な債務による400万から600万の例外的費用の発生を発表しています。

Nakheel社のメガプロジェクトは10年以上にわたり、ドバイのDGPを年間16%も押し上げ続けてきましたが、昨年の金融収縮以降その経営は倒産の瀬戸際に有るとささやかれています。

先ごろドバイ政府は137億ポンドの債券発行を行い、その半分は隣国のアブダビが引き受けたといいますが、これでNakheel社がどうにかなるかは不透明です。

MEEDをみれば、2009年第1四半期でドバイの住宅価格は41%下落し、2007年第2四半期と同程度となったとの記事が出ていますし、ドバイの銀行も軒並み減益です。
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by fukimison | 2009-04-30 11:17 | 不動産  

ロンドンオリンピックのメディアセンター設計案、CABEが批判

カテゴリーをプロジェクトとすべきか、景観(設計)とすべきかちょっと悩みます。

北京オリンピックから1年、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックに向けロンドンでは競技施設の建築が本格化しています。環境や経済に配慮するということで、資材の輸送に水運を利用し、さらにオリンピック後の維持管理や利用を考え、メインスタジアムなどは分解して大型競技施設の無い地方都市へ輸送、これを再利用するなどが発表されています。

3月、オリンピックの国際放送/メディアセンターをデザイン・ビルドで請け負ったCarillion社が設計案を発表し、その内容は3月13日付けのNCE誌にLondon 2012 media centre designs unveiledとして発表されています。

発表された案はCommission for Architecture and the Build Environment(英国都市建築環境委員会:CABE)の設計チームによる評価が行われました。このCABEの役目ですが、国土交通省に説明文書があったのでご興味の方はこちらをどうぞ。

そして4月27日のNCE誌はこのCABEの評価結果を報道していますが、記事タイトルをArchitects slam "extraordinarily banal” London 2012 Media Centre (ロンドン2012のメディアセンター案を大変陳腐と批判)とするほど批判的です。

記事によるとCABE設計評価パネルは「イマジネーションと分析力に欠けており、酷く失望した」とあります。このCABEの設計評価パネルはオリンピック実行委員会(Olympic Delivery Authority:ODA) にロンドン2012で新しく建設される建物および空間構成において、建築案の品質・持続可能性さらにレガシーについて勧告を行っています。パネルの辛口コメントの中で目を引いたのが「オリンピック後の変換戦略(transformation strategyとありますが、再利用計画と考えた方が良いように感じます)を通じ、敷地レイアウトの課題をどの様に対処するか、その関連性において精密な再考が必要とされる」とあるところです。いままでのヨイモノを建築すれば良いとしていた風潮が、周囲との調和や利用後はどうするのか、といった方針まで含めて建築設計とするものに変わってきたように感じます。

そのCABEがこれだけ否定的な意見を付した建築案は、Allies&Morrison, Buro Happold, RPS Group Burks Green で構成されるカリリオンの設計チームが作成したものです。

メディアセンターの工費は3億5500万ポンドで、オリンピク会期中に約2万人の報道関係者が立ち働く29,000m2 のスペースを備えたものとなる予定です。
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by fukimison | 2009-04-28 11:55 | プロジェクト  

欧州投資銀行の新館はBREEMで

本日は少し古い記事ですが、建物の環境性能評価制度としてはBREEMがメインになるのだろうか?ということでご紹介です。
欧州投資銀行(European Investment Bank :EIB)は欧州連合(EU)の政策投資機関であり、本部はルクセンブルグに置かれています。このEIB本部の建物はDanis Lasdun(1914 - 2001))というイギリスのモダニズム建築家によって設計されたもので、数少ない英国外にある建物の1つです。

2008年11月11日付けのBD誌によれば、1981年に完成しており、当初は800人の職員を収容する予定であった。その後の業務拡大などから1993年に300人の職員増に耐えられるよう拡張された。しかし2010年までに職員数は1850人に達すると予測されることから新館建設に向け国際入札が行われた。2002年に落札者としてIngenhovenが発表され、2004年7月から建設が始まったそうです。建物自身に関してはEIBの説明をご覧ください。

Ingenhoven:クリストフ・インゲンホーフェンは1960年にデュッセルドルフで生まれで、日本にある同氏の建築物はサンケイビル西梅田再開発プロジェクトです。

前置きが長くなりましたが、EIBは新館建設にあたり「環境に配慮した建築物」ということを全面に打ち出しました。なかでもEnvironmental certification obtained for the EIB's new building projectが目を曳きました。普通は「環境に配慮した建築物にする」程度の要求であり、日本だと、どうでしょう、CASBEEでというリクエストは施主からでるのでしょうか?

このEIBの資料を見るとフランスの高環境品質 (Haute Qualité Environnemental: High Environmental Quality), アメリカのグリーンビルディング協会が実施しているLeadership in Energy and Environmental Design、 英国の建築研究所が開発した建築物総合環境性能評価手法(Building Research Establishment's Environmental Assessment Method:BREEM)を比較研究し、BREEAMが建物の環境評価を行うのに一番適切な評価方法だと判断し採用を決めたとあります。

ルクセンブルグにある本部ということでフランスの評価方式の方が親密性が有るように思ったのですが、英国のBREEMが選ばれています。以前ドバイで今後のグリーンビルの評価基準はアメリカのLEEDとすると決めたことで、今後英国の建築家の入札が難しくなるのではと懸念した記事を紹介しました。

BREEMとLEED、今後の行方が気になります。
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by fukimison | 2009-04-24 10:37 | グリーンビル  

英国の環境予算

英国の2009年度予算が発表され、その中の環境関連予算の規模が目を引きます。サブプライム・リーマンショック以降、金融立国を目指した英国・アイルランドの不況は大きく、住宅価格の下落や失業率の高さがたびたびニュースになります。そのような不況時の予算編成ですが、先日もお伝えしたように米国は7870億ドル規模のARRAにおいて16億ドルを環境関連に充てています。そして4月22日付けのNCEはBudget 2009: £1.5bn green energy boostという記事を載せ、環境関連への投資を不況下の起爆剤にする様子を伝えています。

15億ポンドの環境予算の内容ですが、5億2500万ポンドが新規の沖合い風力発電、住宅やビルの省エネ支援に4億3500万ポンドの積み増し、低炭素エネルギーや先端環境製造業そして最大4件の炭素回収実証プロジェクトに4億500万ポンドと発表されています。

さらにダーリング蔵相は熱電併給技術を奨励し、この種のプロジェクトは企業に化せられる気候変動税が2013年から適用除外を受けることで25億ポンド超の投資を促進するだろうと述べた。

英国は2020年までに二酸化炭素排出量の34%を削減するという目標を掲げていること、新しい産業育成分野としての環境との考えから、このような予算が組まれたのだと思います。

しかし22日付けのガーディアン紙は「2020年までに二酸化炭素排出量の34%削減を目指すCarbon Budget」というタイトルの脇に「科学者は排出目標は時代遅れで、充分な対策といえないと警告」と副題をつけ、論調は懐疑的です。

同紙は2020年までに42%の削減という数字を挙げている環境保護団体を紹介し、予算規模より目標数値に関する疑問を示しています。
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by fukimison | 2009-04-23 11:15 | 公共財  

チェルシー再開発の論争

昨日に続きチェルシー再開発におけるチャールズ皇太子の干渉についてです。

昨日は19日付けのTimes紙にのった著名建築家の意見広告についてお知らせしましたが、Times紙を良く見ると同じ日のeditorial section(論説欄)にA Prince who just happens to be rightという皇太子を擁護する記事があり、両者をお知らせしなければ公平さを欠くと思いご案内します。

記事は出だしから「Prince of Walesは建築に関する論争について素人ではないし、長年にわたり血みどろの戦いを行ってきた。しかし皇太子は常にその立場を注意深く選んできたし、対立はほどんど無かった。」と皇太子に好意的です。

記事は皇太子が異議を唱えた過去の例(1984年のナショナルギャラリーの拡張やセントポール寺院ぞいのPaternoster開発)を紹介し、彼の立場や影響力からこれらの事例は勝ったものの、最近では従来の住宅設計による開発を支援するPrince's Foundationに力を注ぎ、建築に関しては「目立った活動」を行ってこなかったと伝えています。

しかし第3パラグラフで「だからこそ、チェルシーバラック計画への干渉は意味深い」とし、皇太子の干渉に腹を立てた著名建築家の意見広告について「建築家はチェルシー再開発を今後5年間でロンドンで建築される住宅プロジェクトで最も重要なものの1つへとしいるが、このような国際的に著名な建築家が一緒になって、皇太子が立場を利用して介入したと糾弾したことはかつてなかった」とその反応の大きさを伝えています。

この意見広告に名前を連ねた建築家の代表作をしめしたあと、論説者は「しかし彼らとて完全無欠ではない。ロジャー卿はヒースローのぱっとしない第5ターミナルを、フォスター卿はバーミンガムの不体裁な水族館や前の市長がガラスの睾丸と評したロンドン塔の向かい側にある市長執務室を設計してる」とし、さらに「これらすべての開発業者がパッとしない醜い建物を急造しているように、建築家の判断力に疑問がある。地元民は計画プロセスに少ししか影響を与えられないと不満をいい、また計画プロセス自体もしばしば不透明だ。と完全に皇太子のサイドにたった論説を繰り広げています。

極めつけはこのパラグラフの最後で「貪欲な開発業者や古典的な設計を軽蔑する傲慢な建築支配者集団に対し、時には彼らに立ち向かう影響力の強い意見が必要だ。これが皇太子の意見が普及し、レーン(セントポール寺院の設計者)のライバルによるロンドンの開発が終わる機会となるように」という論説というより筆者の願望で終わっています。

プロセス違反を申し立てる建築家と景観論争をしかける論説者、同じ日の新聞に両者が載ることでバランスをとっている新聞、いろいろな面から日本とは違った社会が見えます。
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by fukimison | 2009-04-22 12:34 | 景観  

チェルシー再開発その後

4月7日に「チェルシー再開発でチャールズ皇太子が意見表明」という記事を紹介しました。
この記事のポイントは景観問題ではなく、皇太子がプロセスを侵害したことに対する批判でした。

そしてこの批判はさらに大きくなり4月19日のTimes紙にThe prince and processとして意見広告がでるまでになりました。

直訳すれば「オープンで民主的なプロセスで行われている最中であり、計画変更(原文ではskew:捻じ曲げる・歪曲が使われています)を求め、皇太子が個人的な意見や水面下でのロビーイングを行わないというのは現代的な民主主義の基本だ」と強い調子で皇太子といえども手続きに従うべきだと批判しています。

問題となっているのは、最近、再開発事業者(カタール資本のQatari Diar)の依頼をうけたリチャード・ロジャースが作成し再開発地の自治体であるWestminster市議会へ提出した書類です。
Times の記事は「この計画は、ウェストミンスターのPlanning Officer(開発専門官)および広範な地元との協議によるコメントに対応し、変更や修正が加えられてきました。また英国建築都市環境委員会(Commission for Architecture and the Built Environment)や拡大ロンドン庁(Greater London Authority)といった法的機関も相談を受けていました。開発業者はこの注意を要するプロジェクト実施に向け、注意深く最良の建築家を選び、またロジャースとそのチームは民主的なプロセスに従って作業をおこなってきました。皇太子とそのアドバイザーたちも同じようにふるまうべきだ」と記事は続きます。

そして記事は「このプロジェクトのデザイン、または他のプロジェクトに関し皇太子がコメントを行いたい場合、我々は規定された計画協議プロセスを介して行うよう要請するものだ。今後5年間にロンドンで建設されるであろう最も重要な住宅プロジェクトの1つに干渉するのに皇太子の特権的立場を利用するのではなく、オープンで透明性のある議論を行うべきだ」という著名建築家の意見書が続きます。

そしてこの意見書に名前を連ねているのは1999年プリツカー賞受賞者のフォスター氏、2004年プリツカー受賞者でイラン出身の女性建築家であるザハ・ハディッド、2001年プリツカー受賞し北京オリンピックの鳥の巣で有名なヘルツォーグ&ムーロン、2008年プリツカー受賞者でありパリのアラブ世界研究所の建築で有名なジャン・ヌーベル、関空の建築家レンゾ・ピアノ、ビルバオにあるグッゲンハイム美術館のフランク・ゲーリーと錚々たる建築家に加え、英国建築都市環境委員会の委員長であったSerota卿やロンドンのDesign Museumの理事まで名前を連ねています。

英国の都市計画はDevelopment Planが建築物の内容を細かく規定しており、またアピールのプロセスも規定されています。
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by fukimison | 2009-04-21 12:25 | 景観  

オバマ政権、16億ドルを環境政策に

このところワイドショー的な不動産の記事を紹介したので本日は本来の方向性へ戻り、米国の情勢です。
4月15日のENR誌はObama Administration Announces $1.6 Bil. for Environmental Projectsと題してオバマ政権の環境政策について紹介しています。

その内容は、4月15日EPA(環境保護庁)はAmerican Recovery and Reinvestment Act(米国再生・再投資法:ARRA)の資金から、米全土内にある50ヵ所のスーパーファンド用地の除去資金として6億ドルを充てると発表したというものです。(スーパーファンド用地というのは、ブラウンフィールドとよばれる産業用地を清掃・除去し再開発事業促進するため定められたスーパーファンド法利用地をさします。同法については国際安全衛生センターサイトをご参照ください)

これに関するEPAのプレスリリースは、この再生法基金は新規プロジェクトに加え、既に始まっている有害廃棄物の除去作業を加速化することが期待されていると記しています。また再生法のもと、有害汚染物質や危険な化学物質が取り除かれることで、これら用地を有するコミュニティーは改めて投資が呼び込め、除去や再開発による雇用が見込まれるとしています。

このほかARRA資金から土地改良局の水プロジェクトに総額10億ドルが割り当てられ、このうち2億6000万ドルが特に危機的な渇水状態にあるカリフォルニア州支援のための水プロジェクト(老朽化した水道管取替えなどのインフラ工事・節水対策など)に充てられると内務省は発表しました。

同法は健康や環境保護につながる「green job」を創出(一説では300万から400万)すると期待されています。
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by fukimison | 2009-04-17 11:22  

お嬢サマ、マンハッタンのアパートを処分

本日はワイドショー的なお話です。

4月10日付けのNew York Obserber紙にOil Billionaire's Daughter Parts With 956 Fifth Co-op for $6.25 M.という記事があり、テキサス州出身で石油やメディアさらにはaerospace社の社主であったRobart Bass氏のお嬢サマが、マンハッタンに所有するアパートを処分したと伝えています。このアパート、広さが書いていないのですが、薪を燃やせる本物の暖炉つき居間、寝室数6つ、さらにその主寝室はスィートタイプで夫婦それぞれ用の浴室にdressing roomがついている。これだけでも凄いのに最大の売り物は、マホガニーのパネルで壁を張ったミニバーにbutler's pantry (小型の台所または配膳室)までついているそうです。場所も超セレブの住むアッパーイーストの956 Fifth Avenue(セントラルパークに面した5番街・77丁目・おもわずストリートビューで見てしまいました)

気になるお値段ですが、お譲サマは700万ドルでと売りに出していたものの、625万ドル(1ドル100円として6億2500万円)で売り払ったと言うことです。しかしこの物件がコンド(分譲タイプのマンション)でなく、co-opであるのがちょっとびっくり。co-opの場合、居住者組合に承認をとらなければ、居室の売買は行えませんし、自室を貸す事だってできません。制約が大きい代わりにコンドに比べ若干安いというのが私の大雑把な理解です。(詳しくこの差を知りたい方はコープとコンドミニアムの違いをご参照ください)

6億以上するco-opがあるのが驚きの1つだったのですが、この記事によれば、やはりテキサス出身の天然ガスで大もうけをした方のお嬢サマSheridan Mitchell Lorenzさん、 フォーブスリストの428番目に登場する方でバフェットさんのお友達というオトウサマをお持ちのAlice R. Gottesmanさん、 そして石油メジャーのGulf & Western創始者をオトウサマにお持ちのRoy Judelson 氏は3ベッドのアパートに2000万ドルを投じられたそうです。
さらに鉄鋼王であるピッツバーグのHenry Hillmanの孫息子であるTalbott Lea Simondsは東91丁目のタウンハウスに1650万ドルを支払い、世界のお金持ち250人の1人であるトルコ人の億万長者Husnu Ozyegin 氏のおボッチャマは東66丁目のアパート(2458平方フィート、寝室3つ、縦が16フィートあるギャラリー、居間、食堂、メイドルール、朝食室に台所)に620万ドルをお支払いなったそうで、なんともすごいわ。

でも翻って考えれば、バブルの最盛期の80年代末か90年初めに麻布で10億円のマンションというのが分譲された記憶があります。また最近では千鳥が淵や六本木辺りに8億前後の値段がつけられた分譲マンションが発売されました。その内容はいわゆる3LDKで150から200平米程度と想像。

そうなるとマンハッタンの物件の方が内容がvalue for moneyですね。
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by fukimison | 2009-04-16 20:06 | 不動産  

英、2020年環境目標達成に暗雲

久しぶりに環境系のニュースです。

以前にもお伝えしていますが、英国は2020年までに消費電力の15%を再生可能エネルギー源によるものとするという目標値を定めております。またこの15%というのは単なる目標値ではなく、法的拘束力のある数値です。そうした確固たる目的意識があるにもかかわらず、現在の再生可能エネルギーによる発電施設建設のペースでは目標達成は不可能とした報告書が発表されたというのが本日のニュースです。

4月14日付けのBuildingはUK needs more wind farms to meet energy targetという記事でThe Institute of Public Policy Research(IPPP)の報告書を紹介しています。

同報告書は沖合い風力発電ファームの拡張ペースをもっとはやめなければ達成は難しいとする一方、世界中のどのくによりも英国は沖合い発電のポテンシャルを持つにもかかわrず、さらなる投資が行われないと、政府は同部門において7万の雇用を失う危険にあるとしています。

IPPPの研究者は英国は、陸上風力発電で成功を収めたデンマーク、スペイン、ドイツの事例から学ぶべきだとしています。
さらに同報告は、サプライチェーンの改善、再生可能エネルギー使用義務拘束における影響モニターの改善、沖合い発電の作業員の優遇税措置と石油や天然ガスといった他の競合セクターのそれとに均等な機会の提供を求めています。

つい先ごろ世界最大の沖合い発電ファームであるLondon Arrayが財政危機に陥り、欧州投資銀行(EIB)に資金調達を求めたと言う記事記事がでました。

英国独自の2020年目標とは別にEU目標というのがあり、それは2015年までに総需要エネルギーの15%を再生可能エネルギー源からとするもので、この達成に大きな割合をしめているのがLondon Array(工費30億ポンド)で、目標値の7%近くを賄えるものと目されています。7%というのはどの程度の計画なのか?
調べてみると、テムズ川の河口付近に総計341の風車を建設し、その発電総量は70万世帯の需要を賄えるものだということです。
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by fukimison | 2009-04-15 10:50  

伊藤豊雄のバルセロナプロジェクト

先日NHKの「プロフェッショナル~仕事の流儀」に出演していらした伊藤豊雄さん。仙台・メディアパークの設計で一般人にも知られるようになった建築家です。
彼の設計したプロジェクトが形を現し始めたという記事が英建築専門誌のBDにあったので、これをご紹介します。

タイトルはToyo Ito's Barcelona towers take shapeというものです。

プロジェクトの概略を説明しますと、スペイン・バルセロナのMontjuic地区で実施されているプロジェクトで、2003のコンペで伊藤氏の提案が優勝。これにより現在高さ114mのタワー2棟、パビリオン9棟の建設が進んでいるということです。

写真でみると良く分りますが、ふわっとした曲線を多用した姿をしています。伊藤氏自身も「ガウディ(バルセロナの最も有名な建物の大部分を設計)の作品が影響している。また20世紀の建築物はストイックで抽象的であったが、21世紀になり我々は新しい生き方を表現できる方法をもう一度考えるべきだと思う」と述べています。
これらの建物は2009年末に完成予定だそうです。

もう1つ伊藤氏のことですが、やはりBDの2月の記事に伊藤氏がthe Royal Australian Institute of Architects(RAIA) の招きによりシドニーとメルボルンで連続講演を行った際、今年(2009年)2月にビクトリア州で発生した火災(約200人弱が死亡、7000人が住宅を失う)の災害基金に講演料を全額寄付というのがありました。
また同氏を招聘したRAIAも伊藤氏の講演による収益を災害基金に寄付、さらにある建築家はこの火災で住宅被害を受けたまたは完全に破壊された被災者に対し、25,000オーストラリアドル相当の作業をpro bonoで行うと申し出たとあります。
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by fukimison | 2009-04-10 10:45 | プロジェクト