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ドバイ、やはり世界のレジャーシティーを目指す?

ここ2-3日コアなインフラでしたので本日は目先を変えてみました。

ドバイについては不動産価格の下落地下鉄開通など、経済とプロジェクトと両面からお伝えしてきました。そして両面をミックスしたものが本日の記事だろうと思います。

まず10月29日のBuilding誌はWork to restart on Dubai World Islandsとしてこのニュースを伝えています。

ドバイはブルジュドバイや椰子の木型をした人口島リゾートのパームアイランドなど、巨大建築プロジェクトで国家運営をしている(個人的偏見です)ように思えるのですが、そのドバイでワールドアイランドプロジェクトというのが計画されていました。これはドバイの沖合い4kmにある岩礁約300個を利用して世界地図に似せた人工島リゾートを建築するというもので、事業主はNakheel社です。同社はパームアイランドの事業者でもあります。

リーマンショック以降建設工事は中止されていたのですが、Emirates Businessによれば、約20の島で早ければ来月から、また主要な建設工事も2010年の第2四半期から再開されるということです。しかしその建設内容は経済情勢やニーズを考えて物に手直しされたものになり、工事期間は2-3年の予定とあります。(予測値を最大にするか、現実路線にするかということのようです)このワールドアイランドプロジェクトで2008年3月に「英国」にあたる島を5800万ドルで購入したSafi Qurashi氏(Premier Real Estate Bureau)は、計画の詳細発表を近々行うとしています。

YouTubeにこのThe Worldのプロモーションがありますが、ドバイの沖合いにアフリカのセレンゲティーやヨーロッパの古城を再現することが、良い投資になるのだろうか?

それよりもドバイの開発事業者Aldarが建設していたテーマパークのFerrai Worldの方が、まぁちょっと理解できます。これも10月29日のBuilding誌が伝えた Aldar completes superstructure of Ferrari Worldという記事ですが、写真がなるほどというカンジを伝えています。

これもドバイの沖合いにあるYas Islandをレジャー施設にするという建設プロジェクト(390億ポンド)の一部で、完成を祝うフォーミュラワングランプリが今週末開催されるそうです。プロジェクト自体はBenoyが建築、工事請負はベルギーのBesixがAldarとJVを組んで実施し、完工は2010年が予定されています。

写真でもわかるように屋根つきスタンド部分はFerrari GTのボディーのカーブを模したもので、建設に14ヶ月、使用したスチール12370トン

このDubai Carもなかなか面白いです。
ガルウィング型のレンジローバーがあるとは知らなかった。
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by fukimison | 2009-10-30 11:45 | プロジェクト  

米ニューオリンズ、防潮壁の基礎完成

地球温暖化=台風の大型化と言われていますが、これを実感させたのが2005年8月に米ルイジアナ州ニューオリンズを襲ったハリケーン・カトリーナでしょう。あれから4年が過ぎ、やっとというか、ついにというか防潮壁の基礎が完成したというのが本日のご紹介です。

10月27日付けKHLはNew Orleans flood barrier milestoneと題した記事でこのことを伝えています。

2005年のハリケーンカトリーナ襲来により嵐で水が全長1.2kmの堤防を越流したことで、堤防が決壊し、ニューオリンズとその周辺の広大な地域が洪水に見舞われました。そこで新しい防潮壁建設プロジェクトが始まったのですが、この新防潮提は100年に1度のハリケーンによる高潮にも耐えるよう設計されており、クライアントは米陸軍工兵隊で2011年の完成を目指しています。

全長3.2kmの防潮壁のパイルは長さが43.9mで、ルイジアナ湾の沿岸内水路とミシシッピ川河口の間の防潮提(高さ7.9m)の基礎を成すものです。防潮提は艀用水門や船舶用垂直リフトゲイトおよび水位を調節するセクターゲイトで構成されています。

防潮壁の中央部分(2.3km)は直径1.68mのコンクリートパイルを埋め込むことで構成されており、その1271本目、つまり最後のパイルが10月末に埋められたことで1つの工程が終了しました。全長43.9mのパイルは2600本のコンクリートパイルや600本の鋼製斜杭で補強され深さ39.6mに達するまで埋め込まれています。

これの写真が10月25日付けのArchiThingsにでており、その壮大さがよくわかります。こちらの記事ではプロジェクトの名称がInner Harbor Navigation Canal (IHNC) Surge Barrier project(港内水路防潮プロジェクト)であり、Shaw Groupが着工式を行ってから10ヵ月でここまでたどり着いたことがわかります。

そして2008年4月のロイターはShaw Awarded Inner Harbor Navigation Canal Hurricane Protection Projectと題して「Shaw Gourp(米大手のエンジニアリング企業)は米陸軍工兵隊ハリケーン防御オフィスが設計および建設する湾内水路ハリケーン防御プロジェクトにおいてデザインビルド契約を獲得したと発表した。このプロジェクトはルイジアナ州のBorgne湖(ミシシッピ川河口と湾内水路の合流点隣接地域)で行うものであり、同社が得た契約は7億ドルに相当する。」とあります。
デザインビルドによる土木プロジェクトとしては米陸軍工兵隊史上最大のものだそうです。

この計画が必要なことやインフラ工事として面白いのとは別に、ベニスを高潮から守るモーゼ計画、日本では諫早の堤防など、大きな河川が注ぎ込む湾内を閉じるのは洪水防御の面からわかるのですが、喫水域の生態系はどうなのだろうといったことが気になります。
こういった問題に関係者全員が納得する解決策なんてほぼ絶対と言ってよいほどないんでしょうね。
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by fukimison | 2009-10-29 11:36  

米報告書、グリーンビル改修市場は150億ドル

先日、建築関係の方と話していてマンションを建てるよりも維持管理・改修の方が利益率は高い(本音は新築物件は儲からない)という話をしたり、まち歩きをすると空き家が目に付くようになったなぁ、この人口減の世の中にどうして高層マンションやオフィスビルを建てようとするのだろう?不思議だと思っていたら、米McGraw-Hill Constructionから新しい報告書が出版されたというニュースを環境系のサイトのEarth2Techで見付けました。タイトルはU.S. Green Building Retrofit Market to Hit $15B by 2014: Reportというもので直訳すれば「2014年までに米グリーンビル改修市場は150億ドルに達する」というもの。

記事は「ホワイトハウスが住宅省エネ市場強化政策の概略を発表した数日後、McGraw-Hill Construction社は設計家や開発業者にとり、非住宅系ビルをグリーンビルに改修する市場は新築建設よりも拡大と好機が見込めるとした報告書を発表した」としたフレーズで始まっています。

恐らく原本はこれでしょうSmartMarket Report: Green Building Retrofit & Renovation
なんでも事業主、商業オフィスや小売ビルのテナントの視点から、グリーンビル(省エネビル)への改修および改造を調査したもので、市場規模、利益、政府のインセンティブを含め省エネ改築実施への誘因、問題や課題といった項目をカバー、19件の省エネ改修事例を使って説明とあります。また報告書は事業主の38%、テナントの70%が政府のインセンティブが省エネ改修の伸びを促進すると考えているとあります。事業主にとり省エネで建物のライフサイクルコストが低くなることは喜ばしいでしょうし、10月8日にグリーンビルで生産性向上と題してお伝えしたように、従業員が満足すれば雇用者側も従業員確保の面からありがたいというもの。
しかし64ページの報告書が189ドルというのは良い値段だなぁ。

Earth2Techの記事に戻って報告書の内容を読むと「省エネの照明、機械および電気システムの設置を含め、ビル改修市場は2009年の21-37億ドルから2014年に101-151億ドル市場へ伸びるだろう。現在の改修市場でグリーンビル化は5-9%であるが、5年のうちに同市場の20-30%を占めるまでに成長するだろう」報告書によれば「ビルの省エネ化はエネルギー、水および資源の効率利用、室内環境の向上、さらに管理の5分野のうち少なくとも3分野をカバーするものであり、省エネ改修で最も期待される部門は教育とオフィス(約50)であり、最も伸びるのは小売であろう」としています。
面白いのは省エネ改修を行ったビルオーナーに対し、どのような省エネ改修を行ったかを尋ねた部分でしょう。回答者の100%が省エネ型の照明と自然光の取り入れと答えています。92%が省エネ型の機械と電気システム、79%が換気システムまたは個々で調節可能な室温管理システム、71%が節水型のトイレタンクなどの節水水周り機器、66%が環境に配慮した家具や塗料、61%が高機能の窓や断熱材設置といった改修を行ったそうです。ビル所有者の3分の2が省エネ改修を行った費用が10年のうちに取り戻せることを期待してるとありますが、11%はそれ以上かかるだろうと見ているとあります。

財政的に利点が無ければ省エネ改修はなかなか進まないだろうし、政府の補助金もありますが、電気代や水道代が劇的に下がったというエビデンスが出なければ、インセンティブに成らないでしょう。

Earth2Techの記事は省エネ化の初期費用が高いことや最近のエネルギー料金の下落が、ビルの省エネ化改修を阻んでいるとあります。

でも家庭用冷蔵庫やエアコンの電気代は10年前に比べ2分の1になっているそうで、これを元に考えればやはり改修市場は大きいということになります。
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by fukimison | 2009-10-28 17:25 | グリーンビル  

モナコ、170mの超高層ビル建設

いままでモナコといえば世界で一番地価の高い通りといった、一般人には縁遠い記事の紹介でした。
本日も若干それに似たようなもので、まずは10月22日にWSJに出たプレスリリースVINCI Wins Contract to Build the Highest Tower in the Principality of Monacoはフランスの大手建設企業Vinci社はSolétanche Bachy社の現地子会社のSolétanche SAMとコンソーシアムを組み、モナコで一番高いビルを建設する契約をモナコの不動産開発企業Marzocco社と結んだとあります。
Alexandre Giraldi氏の設計になる建物は地下10階、地上48階(高さ170m)で、事務所と住宅の複合ビルになる予定だそうです。

KHLも10月22日にVinci to construct Monaco's highest towerとして伝えています。それによれば、タワーの名称はオデオンタワーであり、早急にSolétanche SAM社が基礎建設に取り掛かる計画だとあります。工費は3億7000万ユーロで完成まで56ヶ月を予定しているそうです。

モナコは狭い国土に人がひしめき合っているイメージが強いです。でも狭い=超高層を建設とならないのが観光国だと思うのですが、そういってもいられないのだろうなと思い、少し関連記事を探してみました。
Monaco-IQなんていうサイトの2009年3月16日にPrestigious skyscraper for Monacoという記事があり、「2月、モナコ議会はモナコのAnnonciade地区に巨大ビルを建設するプロジェクトを承認した。工事は4月から開始の予定であるが、工事による環境汚染や交通渋滞を緩和する措置に関しいまだ検討中だ。おそらく大型重機を使った工事は学校が休みの7月と8月に集中して行うことになろう」とあります。

大型開発をそれほど歓迎している風には感じられません。その証拠に次の一節は「国有地に高層ビルを建設する許可を与える見返りに、開発業者はモナコ国民用に180室を用意する。(優先分譲ということですね)さらに開発業者は屋根に太陽光パネルを設置するなどして省エネ基準に合致した設計を行うことが求められている。このプロジェクトは5億ユーロの作業と1億ユーロのVATが見込まれている」とあります。

観光立国のモナコは不況の風がまともに吹きつけているのでしょう、この時期にこれだけの税収や職場の創設は経済的に恩恵が大きいとしています。

国土が狭く、海を埋め立てるか上に伸びるかの選択肢しかない場合、モナコの立地からすると上という選択肢になるんでしょうけど、観光立国という性格上、景観配慮の問題は他国でのそれより厳しいのではと想像します。
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by fukimison | 2009-10-27 11:35 | プロジェクト  

中国、前年同期比8.6%のGDP成長

先週末にかけて(10月23日ぐらい)、英国はどうにも景気が戻らないのに欧州は回復基調にある、アジアでにると日本はまだまだだが中国は相変わらずの好景気で不動産バブルだといったニュースが流れました。それを裏付けるかのようにニッセイ基礎研究所は中国GDP発表に関するニュースを報告しています。この中にもあるようにインフラ整備を中心とした景気刺激についてはNCE誌も10月23日付けでInfrastructure projects drive Chinese growthと題して伝えていますし、個別内容としてAEMもHuge investment for China continuesと題して陝西省の自動車専用道路プロジェクトについて伝えています。

国家統計局が発表した数字はさておき、NCE誌は「中国は世界的な不景気に対し、道路や鉄道といったインフラ支出を含む4兆元の景気刺激策で立ち向かっている。1元が13円ぐらいですから、国が広い、人口が多い、規模も大きいといったところでしょう。記事は「工場、建設および他の固定資産への投資は1-9月期に記録的な額15兆5000億元に増加している。米、日本、そして欧州が相変わらず不況下で苦しんでいる中、大規模な公共事業への政府の力強い支援や自動車といった国内産業への支援という複合政策は中国経済の迅速な立ち直りを可能にした」とあります。

景気刺激策でもありますが、中国の東部湾岸地域の発達に対し中部・西部は立ち遅れているという不満が(所得格差も大きい)あり、その対策として幹線道路や鉄道の建設が押し進められてきました。欧州でEUが押し進めているTENS(Trans European Networks・欧州横断輸送ネットワーク)的な道路網の建設がすすんでおり、2009年度に西部地域で18の自動車道路建設プロジェクトが計画されているそうです。陝西省で行われる工費16億9000万ドルの漢中とアンカンを結ぶ全長180kmの自動車道路プロジェクト、ほかにアモイと成都を結ぶ自動車専用道のShiba-Naxi区間(135km)や四川省の広元と南充を結ぶ道路(202km)に資金がついたとworld highwaysは伝えています。

個人的には道路よりも、上海で建設が進んでいるエコシティー(揚子江の中洲の島全体を開発するもので英のArupが請け負っている)やリチウム電池開発のBYDの方が良いように見えるのですが、でも中国は何が出てくるか解らない玉手箱的なカンジがあるなぁ。
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by fukimison | 2009-10-26 11:27  

ケニア、ナイロビでビル崩壊

アフリカのニュースは来年ワールドカップサッカーを主催する南アが中心となり、あとは大型ダムとか幹線道路の整備などになりがちです。
しかし本日はケニアの首都ナイロビで起きたビル崩壊のお話です。

2009年10月20日付けのBuilding誌はBuilding collapse in Kenya kills at least one personとして伝えています。

ナイロビの郊外で建設中の5階建てビルが突然崩壊し、1名が死亡、15名が重傷を負い、数十名が行方不明になっているというものです。崩壊の原因ですが、建設会社は規則に従わないことでたびたび非難されていたことに加え、週末の豪雨で構造が弱くなったのではないかとあります。

現在ナイロビは建設ブームで、安全基準を守らない建設企業も多いし、近年ビル崩壊事故が発生し、建築基準法の強化が求められているとのコメントがあります。

2009年10月21日のNCE誌は11 die in Kenyan building collapseとこの事故を伝えています。24時間で死者が10人増えていますが、事故規模はまだまだ不明のようです。

さらにケニア土木学会とでも言うのでしょうか、Institution of Engineers of Kenya会員はほぼ毎日といっていいほどの割合で、工事ミスによるビル崩壊の報告を受けているとコメントし、一週間前にケニア建築協会(Kenya Architectural Association)が、ケニアのビルの65%が基準を満たしていないと警告を発したばかりだと伝えています。

そしてこのフレーズ「アフリカでビル崩壊は珍しくない。当局者の腐敗、低水準の資材、未熟練工による作業がその原因となっている」こういうのを読むと、アフリカに建設される巨大ダム、発電所、道路プロジェクトは大丈夫なのかねぇと、つい思ってしまいます。3-5階程度のビルを建設する企業とダム現場が扱える企業は違うというのは解るのですが、実際に仕事をする人はどうなのだろう?
それにしても65%かぁ。
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by fukimison | 2009-10-23 09:47 | 事故  

韓国、仁川大橋開通

先日、前原国交大臣が羽田のハブ空港化を打ち出したとき、「このままでは韓国の仁川空港に対抗できない」を理由の1つに挙げていました。24時間稼動せず、大型機が離着できる4000mの滑走路は1本、本日オープンした2500mのB滑走路を加えても2本のみ、これが大都市の国際空港といえるのだろか?
4000mの滑走路を含め計4本の滑走路があるだけでも、羽田の優位性ははっきりしています。しかも、近い!!
で、仁川ですが、4000mの物も含め滑走路3本、日本の地方都市とを結ぶ路線多数となれば利用者は便利な方を選ぶのはあたりまえ。そしてこのたび仁川国際空港と開発が進む仁川の新都市を結ぶ長大橋が完成したというのが本日の紹介です。

KBSはOpening of the new Incheon Bridge として華々しく開通を報じています。しかし橋梁の美しさは朝鮮日報のIncheon Bridge to Open Fridayの方が良いですし、開通を祝うマラソンの写真Marthoners commemorate Incheon Bridge openingも良いものです。しかし世界7番目に長い橋梁が完成したというのに、日本のメディアは殆ど伝えていないというのが、インフラ好きのワタクシとして少し残念な気がします。

KBSは仁川大橋について「全長21.4kmあり西海(黄海のこと)を渡りソンド国際都市と仁川国際空港を結ぶものだ。橋梁部分は18km、6車線の自動車専用道であり、全スパンでみると世界第7位、斜張橋としては5位の長さを誇る。メインパイロンの間(中央径間)は800m、上方空間(海面から橋床の間の距離)は10万トン級の船舶が充分に通行できる高さがある」と伝えています。

これが英NCE誌の記事になると、橋の規模よりも「このプロジェクトは韓国道路公社がBOT(建設・運営・譲渡)ベースで調達した。Amecが主導するconcessionaire(営業許可取得者)のIncheon Bridge社が仁川市とJVで、韓国政府に譲渡するまでの30年に渡り、有料道路橋の資金調達、そして維持管理を行う。2005年3月デザインおよび建設請負業者のSamsun社はHalcrowが主導しArupおよび地元コンサルタントのDasanで構成されるJVを請負業者のチェッキングエンジニアとして指名した。」とあます。

工期4年4ヶ月、現在のレートで21億ドルの工費、延べ200万人の作業員、ソウルと空港間の移動時間が40分短縮され33億5000万ドルの経済効果があるとされています。
この橋梁の完成によりさらに便利になった仁川空港をアジア第1の空港として売り込むとともに、韓国の建設技術の高さをアピールということのようです。
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by fukimison | 2009-10-22 10:49 | プロジェクト  

富裕層はスイスへ

このところ真面目な記事紹介が続いたので本日はオアソビです。

昔からスイスの銀行は顧客が管理料を払って預かってもらう。その代わり何があっても顧客情報は外に出ないといわれていました。(最近ではだいぶ事情が変わってきているようです)これに加え所得税の恩典があります。昔から理想の生活というのに「米国スタイルの家、中国人のコック、英国人の執事、スイスの税システム」というのがあり、このあたりは産経の「富裕層のスイス移住 相変わらず人気 増税逃れで」をご参照ください。

これと似たような記事は9月28日付けのWealth BulletinにもSwitzerland prime property booms as wealthy move inというタイトルで紹介されています。富裕層が押し寄せる理由として、低い税率、財務のプライバシー権、高い生活水準、医療および教育サービスの良さ、があげられています。生活の質を計った調査によれば、チューリッヒとジュネーブが高得点を得ています。Mercer社(コンサルタント)の調査では両都市はウィーンにつぎ2位と3位でしたが、雑誌Mononcleではチューリッヒが最も済みやすい都市に選ばれているとあります。

実際にスイスの高級物件はどういったタイプで値段はいくらかといえば、この記事でしょう。Wealth BulletinはThe hills are alive… with luxury propertiesと題してジュネーブ湖(レマン湖)を見下ろす丘にある高級アパートについて説明しています。
これはDu Parc開発が行うもので、Hotel du Parcを改築し、2ないし3ベッドルームの物件にするもので、プロジェクト費用は2億2500万ユーロ、一部屋あたり180から600平方メートルとし、販売価格は最大2500万ユーロとこの種のものでは最も高額物件だそうです。工事期間は18ヶ月を予定し、入居は2011年初頭。

プロジェクトはその60%をスイス第4位の銀行Banque Cantonale Vaudoiseが賄い、残りはSwiss Development Groupが調達、Kempinski brandで維持管理が行われるとあります。
このプロジェクトが行われるLe Mont-PelerinのそばのVeveyにある一軒家(6ベッドルーム・ジュネーブ湖にプライベートポート、ワインセラー、ゲスト用の離れ、敷地面積10,000平米)は1850万ユーロで市場に出たそうです。

ジュネーブで建設中の高級アパート(Mobimo Towers)は(Knight Frankがマーケティングをしています)33戸、127から1,180平米の広さ、価格は200万から3250万スイスフラン だそうです。(1スイスフランは日本円で90円、ユーロで0.66ユーロ、200万スイスフランは1億8000万ぐらい)

33戸で最低と最高で値段が一桁違うというのはなんか変なんだけど、このぐらいの値段が出せる人にとって、問題は目的であって値段は関係ないのだろうか?
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by fukimison | 2009-10-21 11:18 | つれづれ  

太陽光?それとも風力?

世界最大のCO2排出国なのに削減に無関心だった米国です。しかし国と州、企業、それぞれ違うことを考えているのだけど、なんとなくチームプレーという印象を持っていました。これにまた大統領が変わると様相が一辺し、景気刺激のグリーンニューディールと相まってなかなか活発です。逆にその活発さを危ぶむ声があるというのが本日のメイン、そして地道に積み重ねてきた英国がデザートです。

まず2009年10月18日付けL.A.TimesのEnvironmental concerns delay solar projects in California desertによれば、「ホワイトハウスの政策に後押しされ、いくつもの企業が公有地に再生可能エネルギー源による発電施設建設を計画しているが、許可申請の遅延と空地が多い尽くされることの不安感により建設が妨げられている」そうです。

南カリフォルニアの砂漠に太陽光発電施設を開発する。これは石油燃料への依存を減らし地球温暖化の抑制を目指すオバマ政権にとり最優先の課題でもあり、2020年までに需要の3分の1を再生可能エネルギー源発電にするという促進政策を掲げるカリフォルニア州のシュワルツネッガー知事にとっても重要な問題です。しかしこの政策に該当するためには2010年末までに着工していなければならないことから、再生可能エネルギープロジェクトを対象とした景気刺激策(予算150億ドル)による48,000の雇用創出と53,000メガワットの発電(180万世帯への配電が可能)の目論見が危機に瀕しているのです。。

つまりオオツノヒツジといった絶滅危惧種の動植物の存在がプロジェクトの進行を遅らせる(いわゆる環境アセス問題です)これに加え、州や連邦で許認可を与える部署が実用規模の許可申請プロセスの経験に欠けている(実験対象しか扱っていなかった)のだそうです。また巡回控訴裁判所は、flat-tailed horned lizard(トカゲの一種でしょう)を絶滅危惧種のリストに加えなかった魚類野生生物庁の決定について再考を促す命令を出しています。企業側は使用面積を減らす(同時に発電量も減ります)などで、着地点を見出そうとしているとあります。

環境・お役所仕事・時間的な制約・採算といった複雑な絡まりあいがなんとなく米国の象徴のような気がします。

一方英国ですが、2009年10月15日付けのNCE誌はSea of possibilityとしてCrown Estateが管理する沿岸を風力発電開発事業者にリースする準備に入ったと伝えています。こCrown Estateですが、王室直轄不動産を管理するセクションで、ロンドンのハイドパークを持っていれば、沿岸ももっている。英国王室がお金持ちと言われるゆえんです。それはさておき、英国の風力発電政策は歴史が古く2004年当時でこんな記事がありました。

すでに第3段階にまで進んでいる風力発電ファーム計画ですが、今回のリース(領海と大陸棚併せて計9ヶ所)で計25ギガワットの発電を行い、2020年までに57000の雇用の創出、と1000億ポンドの投資を見込んでいるとあります。地元自治体との協議、工事に現地のサプライチェーンの利用、優先入札者の応募などの言葉はありますが、環境アセスについての記述は見つかりません。
漁礁が、湿地帯が、渡り鳥がとありそうなのですが、そういったことはもうクリアしてしまっているのでしょうか?
そして驚きだったのが「(政府の補助金支出決定により)英国は世界最大の風力発電用ブレード(翼長70m 重量30トン)生産者となる計画だ」という一説で、デンマークだとばかり思っていたのですが、英国の巻き返しと言うことでしょうか?
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by fukimison | 2009-10-20 11:38  

IDB、エクアドルの道路網整備に10億ドル

本日は珍しく南米エクアドルのニュースです。

2009年10月14日、IDB(Inter-American Development Bank・米州開発銀行)はエクアドルの道路インフラ整備に向け10億ドルのクレジットラインを承認したとプレスリリースを発表しました。

このプログラムは、エクアドルの総合的、経済・社会一体性および地域統合に必要な主要インフラである国内道路網の拡大・向上および維持管理に向けた中長期戦略をサポートするためのものです。

IDBの役員会はこのクレジットラインの下、第1段階として計3億5000万ドルの融資を承認しました。これによりBabahoyo川への架橋や港湾都市GuayaquilとDurán郡を結ぶ道路の渋滞軽減措置に向けた資金調達が可能となります。さらにSalinasからSanta Elenaを経由しGuayaquiに至るE40道路を含め、l計810kmの舗装道の劣化を防止や改修費といった各種道路維持管理契約の補助も期待されています。ちょっと面白いと思ったのがこの一節「IDBは道路の安全を高める手法(水平および垂直標識、ガードレイルなど)の実施およびデザインも支援する予定。このクレジットラインを利用した更なるインフラプロジェクトの調達はもとより、道路維持管理作業の技術的研究にも資金援助を行い、このプログラムの外部監査費用も賄う計画」というあたり。単に道路網の経済合理性だけでなく、トータルな社会インフラとして捉えているということだと想像します。

この融資は25年で(猶予期間は6年)LIBOR(London Inter-Bank Offered Rateの略で、ロンドン銀行間取引金利のこと)をベースにした変動金利だそうです。

南米も動き出しているのだなぁ。
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by fukimison | 2009-10-19 11:00