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ビルの高さの測り方

本日はトリビアですが、少しばかり考えされらた記事の紹介です。

まず11月18日付けの英建築専門誌NCEはDefinition of "world's tallest building" updatedと題し、近年超・超高層ビルが建設相次いで建設されたことを受け、The Council on Tall Buildings and Urban Habitat (CTBUH)が世界で最も高いビルの定義を更新したと伝えています。

世界高層ビル協会(The Council on Tall Buildings and Urban Habitat)ですが、2008年に優秀高層ビル賞を受賞した森ビルのプレスリリースによれば、同協会は「高層ビルの企画、設計、建設、運営に携わる専門家間の交流促進を目的として、1969年にアメリカで設立された非営利団体です。同協会では2002年より世界中から優れた高層ビルの設計者を、また2007年より世界中の優れた高層建築を選んで表彰を行っています」とありました。

ビルの高さは「どこから測るか」でだいぶ変わってきます。今までのCTBUH定義によれば「高さは正面玄関(メイン・エントランス)外側の歩道(sidewalk)から計る」としていました。新しい基準は「高さは最も低く、主要であり、オープンエア、歩行者に向けた入り口から測る」と記され、このことは異なる階層に複数の別目的の入り口がある複合利用の高層ビルが建設されることが増えていることを考慮にいれていると同時に、昔は建設されなかった都心部、または郊外に建設されるビルをも対応しているという論評です。

この新基準を当てはめると今までの高層ビルランキングは微妙に変化し、その良い例が最近完成したシカゴのTrump International Hotel & Towersで、27フィートが加えられることで今まで世界6位だった上海のJin Mao Tower を抜くのだそうです。

新しい基準はCTBUH Criteria for Defining and Measuring Tall Buildings をご参照ください。図解・ビルの名前入りで面白いです。

もう1つ、考えさせられた記事に11月17日付けBD誌のArchitects should resign from bad schemes, says Cabe chairmanがあります。
内容はタイトル通りで、建築都市環境委員会(CABE)の会長が退任する際のレセプションで聴衆にむけ「単に芸術的な監督の域を越える建築家が必要だ。だめなビルを建てるぐらいなら職を辞せ!」とスピーチを行い、(建築家・都市計画家に)覚悟を迫ったというものです。
さらに「政府は公共建築への投資を継続する必要があり、そしてこれが将来のバネとして公共建築の質の向上に利用されなければならない」と述べたとあります。

このCABEという組織については国交省の説明をご参照いただくとし、日本の建築家協会もこのCABEに似た組織J-CABE を設立しようとしています。
設立の暁にはぜひ、このような態度(覚悟)で臨んでいただきたい。

私事ですが、明日から10日ほどお休みをいただき、次は12月2日を予定しています。
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by fukimison | 2009-11-19 10:50 | つれづれ  

中東の巨大プロジェクト

久しぶりに中東(カタールとサウジ)です。

11月17日のKHLはBouygues wins in Qatar と題してカタールの都市開発プロジェクトを伝えています。記事は「フランス大手建設会社のブイグはBarwa Real Estate(カタールの不動産開発会社)の子会社であるBarwa Financial Districtに代わり、ドーハの巨大土地開発プロジェクト建設契約(140億ドル)を得た。

その内容はドーハの新West Bay business districtに駐車場やインフラ施設は言うに及ばす、18階から52階のオフィスビル9棟、4000室の5つ★ホテル、ショッピングセンター、会議場、モスクを建設するものです。この契約によりブイグ社はカタール企業2社とともに、42ヶ月間のうちにこれらを完工するとこになります。なんでも6000人の作業員、ピーク時には17機のタワークレーンが必要なほどの規模だそうです。
カタールの旧宗主国は英国なので、英国系の建設会社が強いのかと思っていたらフランスなんですね。ドバイやアブダビがレジャー施設建設をメインにしているのに比して、カタールは欧米の大学院誘致に力を入れていた記憶があるのですが、このあたりが今後、どのような違いになって現れるのか注目していきたいところです。

もう1つはサウジアラビアのプロジェクトで、国王即位を記念しロンドンのキューガーデンに勝るとも劣らない庭園を建設しようというののです。2007年には計画がはじまっておりMore Megaprojects for Riyadh11と題した記事が、160haの敷地に4億年間の地球の植生を再現するプロジェクトで、費用は2億ドル、2010年の完成を目指すと内容を伝えています。
そして11月16日付けのNCE誌はKing Abdullah Gardens out to tenderとしてこれの入札が始まったことを伝えています。

NCEの記事は「2007年にKAIG(このプロジェクトの正式名称King Abdullah International Gardensの略称で、アブドラ国王の即位記念プロジェクト)のコンペを勝ち取った建設・設計コンサルタントのBarton Willmoreと技術コンサルタントのBuro Happold による設計・建設計画が完成し、建設に向けての請負契約入札が始まる運びと成った」と伝えています。

すごいのはこのあたり「観光客はデボン紀の植生の小道を通り、石炭紀、ジュラ紀、白亜紀、そして新生代の庭を通り鮮新世に至り、さらに気候変動により考えられるシナリオを提示する「選択の庭」に達する」でしょう。

このプロジェクトのオフィシャルサイトにあるパース、一見の価値あります。
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by fukimison | 2009-11-18 11:29 | プロジェクト  

英、影の内閣がPFI批判

民主党政権による事業仕分けが新聞紙上を賑わしています。これでふと考えたのですが、PFI(Private Finance Initiative)とは何か?もう一度始めから調べてみようと思い、まず自治体PFI推進センターの定義を見てみました。
PFI(Private Finance Initiative)は、1980年代後半のイギリスにおいて、民間資金やノウハウ等を活用して公共施設を整備したり、公共サービスを提供するために導入された手法です。(以下略・詳しくはこちら)問題はこの先にある「仕組み」でPFIセンターは「PFI事業では、民間企業がPFI事業を行う主体になり、自ら資金を調達して施設の設計・建設から維持管理・運営までのサービスを提供することになります。行政は、提供されるサービスの内容や水準を決定し、サービス内容の水準を保つための監視等を行うことになります。」と記しています。

このPFI発祥の地英国で保守党影の内閣によるPFI批判が新聞を賑わしています。11月15日のテレグラフ紙はGeorge Osborne says Conservatives would replace PFI とそして同日ガーディアン紙もWe'll bring a new model PFI, vows George Osborneと題した記事を掲載しています。

これらによると「批判の多い労働党のPFIを廃止し、学校や病院といった主要インフラプロジェクトの資金調達を別の手法に変える計画だと保守党の影の内閣で大蔵大臣を務めるオズボーン氏はのべた」があらましです。

建設専門紙のNCE誌11月16日号もConservatives to scrap PFI 'liability'としてこれを伝えています。同誌は「影の大蔵大臣オスボーン氏はPFIはもともと保守党政権下で発達したものであり、新労働党で受け入れられたが、透明性に欠けその上リスクの転嫁が充分に民間部門へ移転されていないとオブザーバー紙に述べた」とあります。

オズボーン氏は「我々は民間部門が事業を成し遂げられない時にリスクが民間部門に転嫁されたと見せかけず、また成し遂げられる時はリスクが民間部門に本当に転嫁される新しいシステムが必要だ」と述べています。
さらに同氏は「単に負債をバランスシートから切り離しておくために利用され、PFIを傷付ける歪んだインセンティブを排除するため、第1段階ですべきことは透明な会計だ。」と続けています。

支出を賄うための借入(これは普通国債に積み増しされるものだが)は、そのかわり民間機関へ転嫁される。しかしこの手法は「オフバランスシート会計」として批判されてきた。

ガーディアンの記事によれば「12年の労働党政権下で640超のPFI契約が結ばれ、これにより納税者は総計2060億ポンドの返金を余儀なくされている。これらの資金で民間企業は学校、病院、橋梁、道路を建設するだけでなく、30年もにわたり管理を行う」とあります。
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by fukimison | 2009-11-17 11:35 | 動向  

Global Construction 2020

11月12日、Global Construction Perspectives(世界の建設産業に特化したコンサル+出版社)とOxford EconomicsはGlobal Construction 2020と題した報告書を発表したと各報道機関は伝えています。

米建設情報誌のENRはBy 2020 China Will Pass U.S. As Preeminent Construction Marketとして米国が中国に追い越されると伝え、ロイターはGlobal construction seen up 70 pct by 2020-report建設産業全体としたタイトルで伝えています。

まずロイター伝でみると
「米国が経済不況から素早く立ち直り、先進国の中で北米が最高の成長率を示す地域となりながらも、2018年までに中国が米国の世界最大の建設市場という地位を占めるだろう」、
「世界の建設市場は2020年までに新興国、特にアジア諸国によって12兆7000億ドル相当となると見積もられている」
「人口増とインフラ需要の強い新興国が牽引車となり、2020年までに建設の回復は世界生産高の15%を占めると予測されている。」
「ワールドカップサッカーやオリンピックといったスポーツイベント主催をするブラジルや南アなどといった国によって交通、電力、ビル建設への投資は128%の上昇をみるだろう。一方で西欧(英国やドイツを除く)は不況脱出にもう少し時間が要るだろう」
とあります。

ENRはロイター伝と全く違った角度からこの報告書を伝えています。
例えば、「石油が豊富な西アフリカのナイジェリアは2014年までに年平均9.9%、それ以降2020年まで9.0%と最成長が見込まれる。これに続くのが9.2%のインドだ。ポーランド、トルコ、中国の建設部門が年平均8%超でナイジェリアとインドに続くだろう。」
「世界の建設業における中国の割合は13.7%だが2020年まで17%の弱の米国を抜いて、その5分の1が中国となるだろう。」

どちらにしろ「新興国の成長が大きく、なかでも中国の建設部門が牽引する」につきるようです。
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by fukimison | 2009-11-16 11:16  

世銀アフリカ報告書、年間930億ドルのインフラ投資が必要

暗黒大陸といわれたアフリカですが、南アがサッカーのワールドカップを開催と国力は上がっている一方でソマリア沖で海賊の横行と日本からはなかなか情報を得にくい(新聞などに登場しない)現状からの選択です。

世銀から“Africa’s Infrastructure: A Time for Transformation” と題された報告書が発表されました。(プレスリリース

このリリースによれば報告書は「アフリカのインフラは世界で最も貧弱」であり、「今後10年間に年間930億ドルが必要だと予測(以前の見積りの2倍超)このうちの半分がアフリカの発展を阻害しているエネルギー問題に対処するものだ。新しい見積りはアフリカのGDPのおよそ15%に相当する」としています。

このリリース以外にもTransforming Africa’s Infrastructureと題した紹介があり、ほぼ同じ内容ですがこちらの方はこの無駄についてもう少し詳しい紹介、例えば「インフラ供給者は過剰人員、配送ロス、未徴収収入および不適切な維持管理により年間80億ドルを無駄にしている。既存リソースの効率的な使用は年間174億ドルをインフラ投資に振り返ることが可能とするだろう。この用に無駄の排除と効率化を最大にしても年間310億ドルの増額が必要であり、特に貧弱な水道と電力インフラに投じる必要がある」としています。

この報告書についてKHLも11月12日Africa needs to spend US$ 93 billion per year on Infrastructureとして報じています。
けっこう長い世銀のリリース文の中でKHLが引用したのは
「サブサハラのアフリカ24カ国は既に年間450億ドルをインフラに投じている。(以前の見積りより大きい数字)このうち大部分は国内の納税者や消費者からの資金で賄われている。しかし報告書は無駄の排除や効率性の向上が行われなければ、さらに年間170億ドルが必要となる。」
「世銀のアフリカ担当副総裁はこの報告書は無駄の排除を行わなければ、アフリカへの投資は底の抜けたバケツに水を注ぐようなものだということを示した」
「サブサハラの48カ国は合わせて68ギガワットの発電能力があり、これはスペインのそれと同量である。しかしその25%は老朽化した施設であり整備不良で発電されていない。」
「水道部門をみると、飲料水のアクセスがあるのはアフリカ人口の60%弱だ。過去40年間に灌漑により増えた耕作地は中国の2500万ha、インドの3200万haに比べアフリカはたったの400万haだ」

維持管理と効率化、自分のしている仕事が全体の中でどういう働きをしているかという、いわばミクロとマクロの目が育たないと難しいのだろうなぁと想像します。
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by fukimison | 2009-11-13 11:49  

米沖合い風力発電開発レポート

オバマ米大統領の訪日を控え、街角や駅改札口で警官の姿が目立つようになりました。久しぶりに米国の環境関連の記事を選んで見ました。
これは11月11日付けのEnergy CentralにReport Charts Path for U.S. Offshore Wind Power Development として報じられていたもので、The U.S. Offshore Wind Collaborative(米国沖合い風力発電協会)による報告書「U.S. Offshore Wind Energy: A Path Forward」を解説したものです。

米エネルギー省によれば米国沖合いは90万メガワットの発電能力があるとされています。(1メガワットは1000キロワットで、黒四ダムの発電量は33万5000キロワットです)

10月末、米沿岸風力発電協会は"U.S. Offshore Wind Energy: A Path Forward" と題された報告書を発表し、その中で米国の沖合い風力発電開発を育成するため政府機関、大学および事業者間を調整する行動施策を求めた。この公道施策ですが「ウェッブベースの情報交換センターの設立、米国や欧州の風力発電関係者および沖合い風力発電に関心を持つ米州当局者間による会議の開催、沖合い風力発電に関する社会的な信任や投資家の信頼を育てるリーダーシップの準備などが挙げられています。
米国で開発・計画中の沖合い風力発電としてマサチューセッツ州ケープコッドの沖合い4.7マイルに468メガワットの施設を建設するCape Wind Project、デラウェア州で200メガワットのプロジェクトがあり、メリーランド州では沖合い風力発電開発に向け新しい施策が始まったところです。
この中で面白いのが大学による風力発電施設開発で、「近頃ノースカロライナ大学はOuter Banksの沖合い約7-10マイルのPamlico Soundに3基の実証用タービンの建設を発表した」とある部分です。費用やこれに係る労力を考えると単なる実証実験施設の域を超えていますね。

五大湖エリアでは2008年ミシガン州立大学のLand Policy Institute はミシガン州の沿岸で322ギガワットが発電可能だとした報告書を発表しています。また2009年9月にMichigan Great Lakes Wind Councilは、五大湖低地にある州所有の土地(587平方マイル)は風力発電開発に最適であり、この開発促進に向け法制や規則の修正が必要だとミシガン州知事に具申しています。一方オハイオをベースにしたGreat Lakes Energy Development Task Forceはエリー湖における風力施設のフィージビリティー調査を発表しています。このレポートはCase Western Reserve Universityの協力のもと作成されており、湖畔から3-5マイルの地点に20メガワットのパイロットプロジェクト(9200万ドル)が適しているとしています。

こういう記事を読むと風力発電がメジャーになってきたなぁ、いろいろな事例から学び、事業として成り立つようになってきたのだなぁと感じます。
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by fukimison | 2009-11-12 15:47  

台湾 高速鉄道を国営化?

経営の行き詰った日航をどうするのか?政府が保証する代わりに厚生年金の減額をなど、新聞をにぎわせています。米国がGMに対してとった手法は日本では使えないのだろうか?

そんなことを考えていたらお隣の台湾でも似たようなことが起きていました。11月11日付けの中国日報(China Daily)はGovt takes control of THSRC as majority stakeholderとして「15人で構成される台湾高速鉄路の役員のうち9人を政府系役員がしめ、赤字に苦しむ同社を政府管理下においたことを伝えています。

臨時株主総会が行われた結果新システムは3人の独立役員を含め15人の理事と2名の監督官で構成され、役員会は計17名となりうち10名が現職者です。

新たに加わった役員は国営会社の中国製鉄(China Steel Corp)や行政院国家開発基金管理委員会(National Development Fund)の出身者です(この場合は天下りと言わないのだろうか?)

これに先立ち11月10日のTaiwan NewsはForeign executives' resignation to affect THSRC skills transferと題した記事でTHSRCの問題の一部に高額給与を受ける外国人役員の退職について伝えています。

内容は会社が赤字なのに高額の給与を受け取っている外国人社員が地元メディアから「肥った猫(fat cat)」と非難されたことで次々と退職しており、これにより修理や維持管理に関する技術移転に支障がでるのではないかと懸念されるというものです。

国際的に見て高速鉄道運営のエキスパートは引っ張りだこで、THSRCに退職届を出した外国人エキスパートは平均して3つぐらい外国からオファーがあり、その給与はTHSRCの1.5から2倍とあります。一方鉄道建設中は同社の3分の1を占めていた外国人社員は2008年に3.7%、2009年9月に2.6%そして現在は約80人程度だそうです。

台湾高速鉄路(THSRC)は台湾北部の台北と南部の高雄間(345km)を2時間で結ぶ高速鉄道で、THSRCが政府とのBOT(建設・運営・譲渡)契約で建設したものの、2007年1月の営業開始以来ずーっと赤字経営が続いていますし、記事は「2009年6月時点で累積赤字は払い込み資本金1053億台湾ドルの約66%にあたる700億台湾ドル(21億6000万米ドル)を越え、全債務は4000億台湾ドルに達した」と伝えています。

確か欧州のTGVと日本の新幹線とどちらを採用するかでおおいに揉め、信号システムは欧州、車体は日本、建設は韓国企業だったと思います。このあたりも赤字がつみあがる原因となっています。
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by fukimison | 2009-11-11 11:21 | 動向  

トルコ 世界最大の免震空港開港へ

先日英国からDVDが届きました。これは今年の夏のBBCヒット作Saving Britain's Pastという7回シリーズをDVDにしたもので、Tom Dyckhoffという若手建築批評家(日本でいえば五十嵐太郎さん的な方と想像)が歴史建造物や景観保護が直面する問題を語るというもの。歴史的変遷、それに係った人々(行政・近隣住民・一般の声)や当時の政治・経済状態を丁寧に説明し、こういう番組が普通に製作される英国がうらやましいかぎりです。しかし問題提起であり結論がないのが物足りなくもあり、BBCという公共放送の立場からしたら当然とも感じています。

さておき本日はトルコ・イスタンブールに開港した世界最大の免震空港の紹介です。11月9日付けのKHLはEarthquake resistant airport opens in Turkey と題して伝えています。プロジェクトコンサルタントのArup社は「イスタンブールのSabiha Gökçen 国際空港は世界最大のseismically-isolated (免震)建築物だ」としています。
「この空港はArup社の空港プランニングと技術チームが建築家のDogan Tekeli Sami Sisa Mimarlik Ofisiや請負業者のLimak-GMR JVと協働で18ヶ月を費やし建設したものであり、米国の建築基準を超える耐震安全技術を使用している。世界でもこの規模の建造物としては技術的に最も素晴しい建造物だ」
同社は地震波エネルギーを緩和し拡散する一助として、20万平米のビルに対し地盤面に300の免震アイソレーターを使用した。広範な試験や地震シミュレーションを利用し、このビルがマグニチュード7.5から8.0の地震にも耐えうるとしている。

新国際空港には駐車場ビル(多層階)、エアポートホテル(3階建て)、VIPエリア、400平米の会議センター、レストラン、カフェ、欧州で2番目の規模を誇る免税ショップエリアが併設されています。またArup社の空港プランナーは年間3000万人超の利用者にも対応できるような長期マスタープランを作成している。

トルコは地震多発国であり10月30日付けのHSNWは「米地質調査所によれば1999年のKocaeli地震で17000人が死亡、50000人が負傷、27000棟のビルが倒壊、500000人が家を失い、不動産被害額は30億から65億ドルと見積もられる」と伝えています。

それにしても18ヶ月で20万平米のビル、しかも免震を建設してしまうというのがすごいなぁ。
空港のサイトはこちら
技術情報は充実しているようですが、肝心の空港レイアウトが見つからないのが残念です。
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by fukimison | 2009-11-10 11:19 | プロジェクト  

ロンドン、オックスフォードサーカスのシブヤ化

日本のメディアも取り上げていましたが、ロンドンのオックスフォード・サーカスがシブヤのようなスクランブル交差点に改良?変更?改修?になったという記事をお伝えします。

まず建築専門紙のNCE誌は11月5日にOxford Circus gets X-shaped crossingsと、そして11月2日のBBCもOxford Circus 'X-crossing' opens と題して報道しています。まず最初にスクランブル交差点は日本の造語で、これを説明するのにdiagonal crosswalkとしてみたりtriple crossingを使ったりしていましたが、BBCもX-shpaedを使ったことからこれが定番化するのだろうか?です。

それはともかく、最初にオックスフォードサーカス改修計画が発表された2009年4月の報道をみるとOxford Street 'Shibuya' crossing opensとあります。その内容は「ロンドンで最も交通の激しいオックスフォードサーカスを東京の渋谷交差点のように改修する工事が始まった。設計はアトキンス社が行い、改修費用は500万ポンドだ」とあります。
このオックスフォードサーカスはオックスフォードストリートとリージェントストリートというロンドン屈指のショッピング街が交差し、さらに地下鉄の出入り口があることから常に歩道を人が埋め尽くし、混雑した交差点と言われています。普通の交差点ですから斜めに行きたければ、2回交差点をわたる必要があります。そこで渋谷方式が登場します。

当然、このオックスフォードサーカスがあるウェストミンスター区の環境・交通委員会がそれを審議して可否を決めます。この委員のコメントが「新しい交差点、それはオックスフォードサーカスを転換し、地下鉄から出来てきた観光客を大いに驚かせるものとなるであろうし、さらに2012年のロンドンオリンピックでウエストエンドを真にワールドクラスとするのを確実なものとする一連の改善計画の一部だ」と大絶賛しています。
既存のガードレールや歩道は取り外され、歩行者がより歩きやすいように作り直され、歩道の幅も広げられ、街路灯も新しくなっています。

この変更により年間2億人が訪れる交差点は69%も容量が増えたとあります。
ロンドン市長のジョンソン氏は「このプロジェクトは英国のエンジニアリング、日本の新手法、古き良きコモンセンスの成功だ」と祝辞を述べています。

以前に比べ「スクランブル交差点」にしたことで2倍の人が渡れるようになった(計算上)のはいいんですけど、BBCのビデオクリップを見る限り、まだ慣れてないの様子が見受けられます。
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by fukimison | 2009-11-09 12:04  

ロンドン市長、オリンピックタワー建設で調達制度バイパス?

時々、英国の首都ロンドンの市長さんはなんとなく東京の石原知事と似ているように感じます。前市長のリビングストン氏は大論争を巻き起こしながらロンドン市の中心部・シティー地域にはいってくる車両へ混雑税を課し(成功と見なされています)ドッグランド地域の再開発を押し進め(まだ?です)その強引とも言える手法が、オリンピック招致や築地移転を思い起こさせます。

2008年5月の選挙でリビングストン氏(労働党)を破り新ロンドン市長となったジョンソン氏(保守党)もコロンバスタワーの記事でお伝えした懸念が現実となり、10月初頭400万ポンドをクロスレールに拠出することを条件に63階建てのコロンバスタワー建設を許可しました。
そして本日お伝えするのは11月6日付けBuilding誌が伝えたArchitects rail at secret contest for Boris’ 2012 towerという記事です。この2012タワーとはロンドンオリンピックを記念してオリンピックパークに建設が計画されているタワーで10月25日の英テレグラフ紙はLondon 2012: new Olympics structure would 'rival Eiffel Tower'
と題して伝えています。かいつまんで紹介すると、ロンドンオリンピックを記念してパリのエッフェル塔に対抗するようなタワーを東ロンドンのオリンピックパークに建設するとジョンソン市長は発表した。このタワーはオリンピックを祝う文化プログラムの一環であり、工費は1500ポンド・高さ400フィート(121.9m)、英国1のお金持ちのラクシュミ・ミタル(あのミタルです)が資金提供するとあります。時代をカンジさせるのは「夜はローラーパネルの電力で点灯される」です。

本題のBuilding誌記事は「2000万ポンドのオリンピックパークプロジェクトの設計家募集において、ロンドン市長が公的な調達プロセスをバイパス(迂回それとも無視?)したことが発覚し、建築家は激しい怒りを表明した」というリードで始まります。大ロンドン庁(The Greater London Authority:GLA)はまだ官報に入札公告を出していないのに、Marks Barfield, Carlo Ratti や Foreign Office Architectsといった設計家に直接アプローチしている。

某建築事務所のディレクターは「大変無分別な行いであり、長い期間をかけた公開コンペでおこなうべきだ」と述べているのに対しGLA広報担当官は「入賞者が決まった後はEU規制に従い設計、建設およびプロジェクト管理の調達を行う」と発表しています。(入賞者の決め方を明らかにしていないのが問題と批判されているのにね)

記事はRIBA(王立建築家協会)の広報担当者は計画自体について疑問を投げかけているうえ70-150メートルのタワー建設に向けた委託文書に目を通した弁護士は、「官報にコンペが記載されなかったはっきりした理由が示されていない」と述べたとあります。

30人の著名な建築家に直接デザイン提出を求め、それを元にジョンソン市長とオリンピック担当大臣のTessa Jowellがショートリストをつくるというのは、ちょっと無理があるように感じます。
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by fukimison | 2009-11-06 11:37 | つれづれ