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NYC、中断されたプロジェクトの美観と利用

ワールドカップサッカーや大相撲、参議院選挙で経済の話題は影が薄くなっている今日この頃、しかし6月25日付けのCNBCはLike Others, Rich Are Also Falling Behind on Mortgagesというタイトルのもと、全体としての米国の住宅ローン延滞率が8.6%であるのに比して、100万ドル超のそれが13.3%に上昇したと報じています。失業率や欧州の不安、いろいろ考えると二番底はあるのかとした記事も真実味を帯びてきます。

そうしたなか目に付いたのが6月24日付けNBCのDesign Firm Uses Icebergs to Hide Stalled Constructionという記事です。

ミッドタウンにある建築事務所、Woods Bagotが企画したもので、記事には「ニューヨーク市内の至るところにある経済不況のため工事途中で中断された何百ものプロジェクトに非常に軽いポリマーとスチールでできた構造で覆い、氷山のように見せかけるというアイディアが提案された」とあります。材料は再利用が可能、費用は無いも同然、見た目にも綺麗だし、マーケットが上向き、工事が再開されるまでの間、仮設の店舗、イベント会場として利用することで事業者も若干の収益が得られると3方1両得みたいなものだと伝えています。

ニューヨーク市内にはhundreds ofといわれるほど、中断された現場があるのかぁと思い、別の記事を探してみました。

6月23日付けKHLにIcebergs proposed for NYC's half-completed construction projectsという記事がありました。こちらの方が若干詳しく、事務所の言として「このコンセプトは近隣を活気ずかせ、潜在的投資家に対し魅力あるものとすると同時に、コミュニティースペースや、広告、レンタルによる収入をもたらす」を紹介しています。さらに「氷山」はいろいろな大きさの構造を作り出すためまとめられ柔軟でモジュール式に出来ており、スチールフレームの構造物はEFTE(Ethylene tetrafluoroethylene:エチレン・テトラフルオロエチレン)と呼ばれるプラスチック繊維で覆われている、とあります。

このEFTEは2008年北京オリンピクの水泳競技場、ザッハ・ハディドが設計したwater cubeに利用されていた素材だそうです。

建設費用は約200万ドルと見積もられ、レンタル収入は年間約100万から200万ドル得られるだろうとしていますし、壁に広告も可能。撤去に要する時間は約1週間だそうです。

ちょっと面白いかも?でもNYCではこんな提案がでるほど中断された工事現場があるのでしょうか?
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by fukimison | 2010-06-30 12:31 | 景観  

米バルティモア、smart-meter導入を拒否

今までの化石燃料依存経済から再生可能エネルギー源へという動き、それに呼応して太陽光だ、風力だ、潮力だという声、それに加え、いやいやエネルギーを生産するより上手に利用することを考えるべきだということでsmart-grid、smart-meterが脚光を浴びています。

このsmart-meter、あらためてネット検索してみると通信機能やほかの機器の管理機能を持つ高機能型の電力メーターを含んだシステムを指すと日経エレクトロニクスの用語解説にありました。簡単に言えば電気メーターを利用して利用状況を電力会社が把握するということで、日本でも東電や関電が実証実験に乗り出しています。

今後の成長分野(お金が動く)と見られており、電力会社だけでなく水道・ガス会社などもこの分野へ意欲を見せています。

一斉にsmart meterに向けて動くかと思ったら6月23日付けのUS InfraにBaltimore smart meter proposal rejectedという記事がでました。その概要はBaltimore Gas & Electric社(BG&E)が120万のスマートメーターを同市に導入しようとする計画がメリーランドの公益事業委員会(MPSC)によって却下された。同委員会はその理由を「提案はBE&E自体の送電網または同社の配電バックボーンの強化に繋がらず、従って顧客に対する追加料金を正当化するものとはいえない」としています。どうも費用は別にして、このスマートメーターがどういうものなのか、何をもたらすのか、利用者に対する説明が無いのが一番の問題という立場をとっているようです。

これに関係する記事として2010年4月の日経エレクトロニクスにスマートメーターの落とし穴というのがありました。つまり旧式のメーターでは正確な使用料の請求がこなかったのが、最新鋭の機器となった途端、電気代が跳ね上がったので訴訟が起きているというもの。公共事業委員会は変な訴訟ごとに巻き込まれたくないという気持ちがあるのでは?

それはともかくm6月23日付けReutersはSmart grid skepticism derails Baltimore planとした記事で再生可能エネルギー源による配電と増加する電力需要を適合するため、スマートグリッドはオバマ政権と電力業界とり必要不可欠のものであり、BG&Eのイニシアティブは既に米再生・再投資法による20億ドルの連邦補助金についてエネルギー省が承認していると伝えています。

公共事業委員会も完全にダメだとしているわけではなく、「業界のこれにかける意気込みを理解するものだが、このビジネスケースは受け入れ難い」とあるあたり含みを持たせています。

「スマートメーターを展開するにあたり、委員会と電力会社の間でどのように費用とリスクを分け合い利益を得るのか、タリフをどのように構成するのか同意が取れていなかった」とあるあたりが鍵のようです。

これもまた永い道が予想されます。
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by fukimison | 2010-06-29 11:58 | 動向  

ルーブル・アブダビ、入札を1ヵ月延期

このところどの国でもコンクリートから人へということか、大規模プロジェクトのニュースが少なくなっています。ベルルスコーニ氏が返り咲いたことで復活するかと思われたメッシーナ海峡大橋も今ひとつ聞こえて来ません。必要な橋かといわれれば、他国民であるワタクシは(夜中の急病人が本土に渡れるという利点は確かにありますが、四国と本土を結ぶ橋の不採算を考えると)良くわからないというのが正直なところです。

管首相の強い経済・強い財政・強い社会保障も良いですが、これに強い文化を加えて欲しいと思う人は多いはず。その強い文化を目指した計画の後日談を本日はお送りします。

2008年6月にルーブル・アブダビのタイトルで、中東のアブダビがルーブル美術館を誘致するという記事をお伝えしました。
詳しいことは以前の記事を読んでいただくことにして、概略はアブダビはサアディアット島(アブダビの東隣の27平方kmの島)にルーブルから美術品貸与を受け、フランスの建築家・ジャン・ヌーベル設計によるルーブルの分館を建設するというものです。

2008年の記事では2009年夏に建設は始まるとお伝えしていますが、やはり世界の金融収縮を受け延期されていたものが今年(2010年)3月・アラビアンビジネス紙はAbu Dhabi launches tender for Louvre museumとしてTourism Development & Investment Company (TDIC:観光開発投資会社) はサディアット島の旗艦プロジェクトであるルーブルアブダビの主契約入札開始を行うと発表したと伝えました。パリのルーブル、ニューヨークのグッゲンハイムの分館建設を含む270億ドルの芸術・文化プロジェクトだそうです。

それが6月23日のEmirate Businessの記事Louvre project contract award postponedは、「このプロジェクトに近い筋の話しでは、ジャン・ヌーベルが設計したル-ブル・アブダビ美術館の主契約が8月に延期された」と伝えています。さらに記事は「フランク・ゲーリーデザインによるグッゲンハイム・アブダビ美術館やフォスター設計によるZayed美術館の主契約に関する新情報も伝えられていない」と続きます。

情報筋は「8月1日に一ヶ月程度遅れるだけだ」としていると言っているとのこと。さらに「グッゲンハイムやZayed美術館はまで詳細設計の段階であろう」としているとあります。

しかしTDICの美術館担当部長は以前、「グッゲンハイム美術館は2013年12月に完工予定であり、Zayed美術館の入札も7月に行われ、同プロジェクトも2013年9月の完工を目指す」と語ったとあります。

だんだん中東の景気も上向いてきているし、1年の後半により多くの落札者発表が行われると記事は楽観的?です。

一方でTDICはランドスケープの事前資格審査申し込み受付を行っているそうです。
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by fukimison | 2010-06-28 11:23 | プロジェクト  

チェルシー再開発を巡る裁判でチャールズ皇太子の手紙公開

昨年(2009年)4月にチェルシー再開発でチャールズ皇太子が意見表明としてお知らせした、ロンドンの高級住宅地チェルシーでの再開発問題ですが、皇太子のやり方を手続き違反だとする建築家の意見広告、住民の意見をもっと汲むべきとした声、CABEの役割、さまざまな角度から報道がなされました。最近では5月にチェルシー再開発その後と題して、ロンドンの不動産開発業者がお金の出してであるカタールの投資会社に対し、計画変更および契約打ち切りにより失われた開発利益の補償を求めた裁判についてお知らせしました。

その裁判の中で、再開発中断の発端となったチャールズ皇太子がカタールの王族に出した手紙が証拠として公述されたというニュースが英国メディアを賑わしています。

インディペンデント紙はSorry for interfering, but this building is too brutal, Prince wrote to Qatari sheikhとしてチャールズ皇太子はカタールの王族に宛てた手紙が公開されたことで、更なる窮地に追い込まれたと報じています。補償を求めている事業者側弁護士の主張は、チャールズ皇太子が近代的なロジャース案はこの地域にふさわしくないとしてカタールの王族に再考を求めたのが原因でQatar Diar(カタールの王族が所有する投資会社)が、土壇場で許可申請を取り下げた。カタールと英国という王室関係の配慮という自分の都合で取りやめたのだから手数料の8100万ポンドを支払うべきだという理屈です。

一方投資会社側は皇太子のロビー(手紙)ではなく、商業的な懸念から再考することにしたと主張しています。

インディペンデンス紙の記事は皇太子がアンダーラインを引いて強調した部分があること、アラビア文字で署名もしていることなどを伝えています。

大衆紙のデイリーメイル紙のRevealed: Prince Charles' 'passionate' letter to Qatari PM pleading for modern development to be scrappedになると、こんな風な手紙だったらしいという図がはいっているあたりが、とってもワイドショー的。

そうした中、個人的に最も面白かったのが6月24日付けBuilding Design誌のPrince Charles's Chelsea Barracks letter revealedです。

手紙は「心より、求める、そして美しさといった言葉に下線を曳き最大限のインパクトを与え、見るに耐えない(brutalist)建築がロンドンの多くの地域を破壊している」

こちらはクラレンス宮殿(チャールズ皇太子の居城)の紋章入りのレターペーパーに書かれたチャールズ皇太子の手紙そのものが出ています。(うーん、英国の情報公開ってすごい!)

景観問題というより、海外の情報公開や裁判制度が良くわかる報道でした。
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by fukimison | 2010-06-25 11:31 | 景観  

Shared Spaceその後

このインフラあれこれを書き始めた最初の頃にShared Space:共有空間としてお伝えした英ロンドン・Exhibision Roadでのshared space実験の続報です。

歩行者と自動車がガードレールや縁石といった境なしに、同じレベルで道路を利用するのが共有空間。互いが相手を尊重する、注意を払うことで事故の無い道路へと誘導するというものです。真っ直ぐな道路より、見通しが悪い道路の方が注意を払い、運転速度も遅くなるから事故発生率が少なくなるという性善説理論に立つものと理解しています。2年前にこのニュースをお伝えした時も、アジアの雑踏は歩行者・自動車・自転車・リキシャが混在しており、元祖共有空間というか、欧州とは違う次元にあるような気がとお伝えしています。

ロンドンでShared Spaceの実験が行われるとした時、盲導犬協会や視覚障害者協会から信号・歩道・縁石で訓練を受けており、それがないフラットな路面は混乱を呼ぶとして懸念を表明しているともお伝えしました。

本日は後日談として6月22日付けBuilding Design誌のGuide Dogs halt legal challenge against Exhibition Road schemeやそれ以前のニュースを織り交ぜながらお伝えします。

このExhibition Road計画の主催団体であるケンジントン&チェルシー議会と盲導犬・視覚障害者協会は、同計画について参加・協議することに同意し、計画は進むかのように見えました。

しかし2008年10月末のGuide Dogs charity takes legal action over Exhibition Road projectにあるように、盲導犬協会はExhibition Roadプロジェクトに対し司法審査を求め訴訟をおこします。同協会の弁護士は「法は自動車道の端は白線で印をつけることを要求しており、この計画は非合法である」とし、同協会の広報担当者は「視覚障害者は道路設計に整合性を必要としている。どこで道路が始まり、歩道が終わるのかわからなければ、どうやって安全感を得るのか」としています。

一方議員は、今までの協議や研究を考えると協会の決定は残念だ、議会にとりExhibition roadを利用する1150万人の利便性や安全性が最重要であり、他の利用団体のニーズとの調整を行なう一方、今後も協会の懸念に誠心誠意対応していきたいと述べています。

そしてロンドン市長のボリス・ジョンソンシ氏が計画支持を表明したり、紆余曲折があり2010年3月にはCourt battle over Exhibition Road looms の記事が登場し、盲導犬協会は「縁石はどこから道路が始まるかを示すものであり、これの撤廃は視覚障害者に重大な危険をもたらす」と主張し、また議会と建築家のDixon Jones氏は「一体的な同路面によるアプローチは各地で安全性が証明されており、車の優越性に一石を投じるものだ」と強く主張しています。

記事は裁判所の審問が4月19日から数日間行われる予定で終わっています。

記事を見る限り、最初から最後まで両者の主張は変わらず、平行線を辿っています。
当然、既に導入しているドイツのボームテや他の都市での様子やアンケート調査は行っているし、実踏もしていると思いますが、それでも歩み寄れないのであり、ここまでこじれると、どういう結論が出てもなかなか難しいのではと想像します。
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by fukimison | 2010-06-24 11:28  

米、深海採掘禁止令を巡るいろいろ

米メキシコ湾での石油流出事故の被害について何度かお伝えしていますが、本日は6月23日のBloombergがDeepwater Drilling Ban Lifted by New Orleans Federal Judgeとして報じた6ヶ月のモラトリアム措置の是非についてお伝えします。

メキシコ湾でBP社の深海石油掘削リグが爆発、炎上したのが4月20日、最初のうちは「ああ、またしても石油流出事故か」といった受け止め方であったのが、約1500mの海底とリグを結ぶパイプラインが3カ所で折れたことが原因で流出が始まったこと、そしてその深さや石油の自噴力などからフタをすれば流出が止るといった簡単な話しではないことなどが明らかになってきました。

オバマ政権も最初は「ああ、また石油流出事故」ぐらいな感度であったのが、被害が拡大するにつれ批判が高まり、そして5月27日に6 month offshore drilling ban(深海での石油掘削を半年間禁止する)と発表しました。

海面を覆う油膜の面積はワシントン州のそれ以上となっており、BPが被害補償のための2兆円の基金設立といっても例のsmall people発言などから、風当たりは相当に激しいのは容易に想像がつきます。

そうした中、流れてきたのが上記のニュースで、「米国史上最大の石油流出事故を受け、オバマ大統領が課した6ヶ月の深海石油掘削禁止令をニューオリンズの連邦判事が解除した」というリードで始まります。さらに記事は「5月27日、大統領は沖合い操業における安全性向上に向けた調査期間として500フィート以上の深海での掘削を一時的に禁止((凍結)していたが、10を超えるルイジアナの沖合い操業やサプライ企業がこの禁止令の解除を求めて訴えを起していた。政府は上訴するとしている」と続きます。

このニュースはbloombergだけでなくreutervoaでも報道されています。しかしやはり業界系のニュースといえばENRでしょう、ということで見ると22日付けでJudge Blocks Deep-Water Drilling Ban, But Obama To Appealという記事がありました。

こちらは「火曜日、連邦判事はオバマ大統領の6ヶ月の新規深海掘削禁止令は事業に悪影響を与え、失業をもたらし、沿岸州の経済を痛めると主張する石油会社側の立場を取り、同大統領のモラトリアム令を無効とした」というリードで始まります。

さすが米国だなぁと思うのが、環境保護団体がこの判断を下した判事の財政状態開示を求め、同判事が石油掘削会社の株を所有していたことを公表して政府の援護に立っているとあるくだり。

かと思えば政府も水深500フィード以上での新規開発を半年間停止しているだけで(影響を受けたのは33)、既存の油井の活動(米の国内生産の31%を占める7000ヶ所)は禁止対象ではないと説明しています。

石油企業や掘削会社は年間30億ドルの貢献を州経済にもたらしていることから、ルイジアナ州の政治家は企業側に立った発言をしています。

永久に禁止ということでなく、新しい安全基準の確立のための猶予期間だと政府は主張しているけど、その新基準が非常にお金のかかるものになると考えて、業界側の反発なんでしょうけど、本当のところ、また中長期的に考えて、どうなんでしょうねぇ?
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by fukimison | 2010-06-23 16:59 | 動向  

中東の道路プロジェクト入札

世界のインフラ事情をお伝えしてはや2年、インフラにまつわるニュースの幅の広さに改めて驚いています。そして2分野以上に跨るものもあれば、インフラと捉えて良いのか迷うこともしばしば。

そんな1つがPRM紙が報じたロシアの国防省が工事入札をインターネットで始める計画というニュース。要約すると国防省は電気的な取引システムを介して物資の調達を行っていたが、7月20日からロシア内軍事施設の工事および改修作業の入札をインターネットを介して行うこととしたというもの。対象となる工事をみていると建物の屋根や外壁の修理、電気回路に加え、パイプラインとあるあたりがロシア的。これにより30-50%の経費削減を予定しているとあります。

しかしロシア国防省のサイトを見ても、7月の話しのせいかプレスリリースがなく、これ以上のニュースが無いのとはたしてこれはインフラなのか?ということで却下。でも伝えたい、ジレンマが良くあります。

しかし本日のメインはカタールの道路プロジェクトのニュースです。
6月17日のThe PeninsulaはQR1.59bn Ashghal contract for Doha Expresswayと題してカタールの公共事業省はSalwa Road projectの第2期となるDoha Expresswayの第7パッケージ(15億9000万リアル・1リアルが25円ぐらい)の落札者を発表したと伝えています。既存の道路間をつなぐ6.9kmの道路(フリーウェイとありますが、four-lane dual carriage とあるからには4車線で中央分離帯のある道路で、日本人の感覚では幹線道路というよりは、高速道路みたいなのを想像してしまいます)

このニュースは6月17日付けのMENAでもLusail Expressway建設と共に伝えられており、これらの道路インフラ建設は2022年のワールドカップサッカー誘致に乗り出すカタールの本気度を示すものだということです。

カタールでサッカー、ドーハの悲劇を思い出します。
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by fukimison | 2010-06-22 11:12 | 公共財  

サウジ、外国不動産投資家に所有を認める

月曜から梅雨らしいお天気、これは喜ぶべきか?

それはともかく、本日は6月4日にProperty Wireに掲載されたKing Abdullah Economic City named as first opportunity for foreign property investorsを主体にお送りします。カテゴリー、本当は法律ではないかなと思うのですが、解りやすいということで不動産をチョイスです。

記事は「サウジアラビアは現在建設中の4都市で、初めて海外の不動産投資家に土地所有を認めることとした」で始まります。この外国人に不動産所有を認めるというのは日本でははっきりいえば野放し状態ですが、外国、特に植民地を経験した途上国(例えば、スリランカ、インドネシア、戦前の米国でも日系人の土地所有は認められなかった)では自国民以外に所有させないのがお約束となっています。

そういう観点からすると、投資を呼び込むため、サウジが4都市に限って所有を認めたということでのニュースです。

記事は、King Abdullah経済都市がサウジ初の(不動産)自由保有権都市となる予定だとしています。このKind Abdulah経済都市(KAEC)はサウジのメガプロジェクトで、ジェッダの北、紅海に望む地に位置し、面積は1億6800万平方KM、200万人の住民を擁する都市を目指しており、総工費は270億ドルと見積もられています。

このKAECのほか、メディナのKnowledge経済都市、ジャザンのジャザン経済都市、ハイールのPrince Abdul Aziz bin Mousaed経済都市で、このほかTabukおよび東部州にも経済都市建設が計画されているそうです。

ジャザンの場所を調べていたら、シスコのJazan Economic City がシスコの Smart+Connected Communities マスター プランを採用、サウジアラビアに世界水準のスマート シティ サービスを開発へなんていうプレスリリースに遭遇。

スマートグリッド、スマートシティ、都市開発はゼネコンの手からIBMやシスコといった情報コンサルの手に移りつつあるという証拠でしょうか?

本題に戻り、記事は「外国人投資家、個人および企業は新しい経済都市法の下、購入が行える予定だ。法令の施行は直ぐに行われると見られており、担保権執行、再所有、および土地登記といった課題を含む計画だ」とあります。

KAECの開発を行うEmaar Economic City社の担当役員は「KFECは紅海最大の港湾を擁し、工業地域ではフランスの石油会社Total SAや米国のチョコレートメーカーMars社が操業を予定している、今後5年に我が社は40億ドル超をインフラや都市設備に投じる計画であるが、これは我が社だけで行えるものではなく、他のパートナーと共に実施することになろう」と語ったとあります。

多くの場合は自国企業とJVを組む、所有でなく定借だったりしますが、サウジの場合、4都市に限り、インフラ整備を目的として外国人(企業)に土地所有を認めるという方向性を打ち出したということです。
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by fukimison | 2010-06-21 11:47 | 不動産  

米、地熱発電助成

オバマ政権はメキシコ湾石油流出事故における初期の不手際を隠すためか、BP上層部を米議会公聴会に喚問したり、都合のよいことに、記者会見での幹部問題発言(しかもそのシーンがYoutubeにあがっている)があったりして、メディアは過熱しております。

そんな中、やはり化石系燃料より再生可能エネルギーでしょうという風潮が高くなり、風力・太陽光が注目を浴びています。
そこで本日は米エネルギー省が先ごろ発表した地熱発電ファンド(助成金)についてお知らせします。
エネルギー省のサイトにEnergy Department Offers Conditional Commitment to Support Nevada Geothermal Development with Recovery Act Fundsというニュースが上がっています。これによるとエネルギー省長官のチョー氏(なんとノーベル物理学賞受賞者)はJohn Hancock Financial Services が9850万ドルの融資を行うNevada Geothermal Power Companyの地熱発電プロジェクト(ネバダ州北西部のHumboldt郡で実施し、49.5メガワットの発電を予定)に条件づき一部保証を行うことを発表したそうです。

このプロジェクトはBlue Mountainプロジェクトというもので、このプロジェクト申請者と出資者のJohn Hancock Financial Servicesは2009年米国再生再投資法においてエネルギー省が融資保証するFinancial Institution Partnership Program (FIPP:融資制度パートナーシッププログラ)プログラムの初の受益者となっています。

このFIPPですが、NEDOの海外レポートによれば 「FIPP の募集の下では、資金の借り手とプロジェクトのスポンサーはDOEに直接申請はしない。その代わり、プロジェクトの実施者は、DOE に直接融資保証を申
請することが出来る資格を持った財団を貸し手として共に行動する。FIPP は、DOE から部分的なリスク分担型の融資保証を受ける資格のある貸し手を対象に募集の案内をする。保証の割合は融資期間の元利合計の最大値の80%を超えないことになっており、またプロジェクトの債務者(実行者)は国家公認の格付け機関によって少なくともBB(ダブルB)相当の信用格付けを取得していなければならない」とあります。詳しくは米国再生法による再生可能エネルギーへの融資保証パートナーシップをどうぞ。

この初のFIPP実施のニュースは6月17日付けUS Infra誌でもDepartment of Energy to invest in geothermal projectsとして報じられています。

記事によればネバダ北部は地熱発電における米国のサウジと呼ばれるほどの地帯だそうです。

太陽光や風力に比べ地熱発電がメジャーで無い理由は、熱井戸を掘るのに1本あたり数百万ドルという初期投資の高さにあると言われています。

そこでDOEの融資保証の出番となるのですが、このネバダの地熱発電の他DOEはオレゴン州でも同様にFIPPを利用して22メガワットのプラントに条件付きで1億220万ドルの融資保証を行うと発表しています。

日本の場合は立地がどうしても温泉と競合し、温泉に影響がでないことが条件となる場合が多く、なかなか進まないと聞いております。先行していても、跡から抜かれるというよくあるパターンが予想されます。
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by fukimison | 2010-06-18 11:03  

カタール、世界の不動産王?

本日は久しぶりに中東モノです。

天然ガスや石油といったOil Richのカタール、今までもロンドンの高級住宅地を購入(チェルシーの高級マンション開発開発を巡る、ロジャース、カタール、チャールズ皇太子、開発事業者のバトルは今も続いています)したりと財力に物を言わせています。

そのカタールですが6月14日付けGuardian紙はQataris enjoy rich pickings in London propertyと題し、最近ロンドンの高級百貨店ハロッズを15億ポンドで購入したカタールは今年、世界最大の海外不動産投資家に成るだろうと伝えています。

記事は、財力にモノを言わせ、ロンドンブリッジからチェルシーに至る地域がカタールの所有となり、ロンドンの大地主にカタールが加わったという報告が不動産コンサルタントのJones Lang LaSalle 社から発表されたと続きます。

このニュースはthe BI-ME enewsletterもQatar is the new global powerhouse, says Jones Lang LaSalle reportとして伝えています。

こちらの記事はカタールの最近のお買い物はハロッズのほか、シンガポールのラッフルズホテル、ロンドンのGrosvenor Squareにあった米大使館跡地(4億44900万ポンド)と報じていますが、それと同時にラテンアメリカ、東欧、インド亜大陸の物件も購入しており、既成の優良物件と言った枠組みに囚われず世界中に触手を伸ばしているとあります。

Guardianの記事に戻り、カタールの投資機関が所有するロンドンの物件としてレンゾ・ピアノが設計したロンドンブリッジの近所に建設中の超高層ビル(shard of glass:310m)20億ポンドやカナリーワーフを所有するSongbirdの最大の株主であることが伝えられています。

またJLLの国際部長の談話として「ドバイが手ごろ価格のホテルチェーンであるTravelodgeといった物件を購入したのひ比してカタールは物語性のある物件、なにか意味のある物件を好むようだ」と伝えています。

最後にカタールは4つの投資機関を介して資金運用をしており、Qatar Investment Authorityが直接・間接に他の3機関:Qatar Holding, Qatar Diar, そしてBarwaを所有する形をとっているそうです。なかでもQatar HoldingはJ Sainsbury, Credit Suisse、 Barclays そしてロンドン証券取引所の大株主です。 近年カタールが英国に投資した金額は100億ポンドを超えるとあります。

そのカタールですが、国内インフラ整備にも力を入れています。
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by fukimison | 2010-06-16 11:27 | 不動産