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米、不動産事情を中心に

やっと朝晩涼しくなりはじめました。
9月1日防災の日、防災関係の話題を戸も思いましたが、ここ2-3日、世界都市の定義を考えていたのでそれに関係する記事からお知らせすることにしました。

少し古いですが、2010年9月27日付けフォーブスの記事America's Most Expensive ZIP Codes
米国で最も高額な〒地域、住宅価格の高い地域といわれればビバリーヒルズとステレオタイプに答えてしまう。

記事によれば、ロサンゼルスの北東、近くには国有林があるDuarteなんだそうです。

「この小さな町の不動産価格の中央値はなんと4,276,462ドル、フォーブスの最も高い地域ランキングで堂々の1位となった。この91008という郵便番号の地域にはわずか1.391人しか住んでおらず、現在市場に出ている物件は12件のみ」

広大な敷地、豪勢な住宅といったイメージが膨らみます。

「米国の高所得者向け住宅は相変わらず下落しているが、昨年(2009年)ほどではない。当社が行う高級物件のある地域トップ500ランキングで、平均的住宅価格は昨年同時期から5%下落し120万ドルだ。」

ランキングを見ると、1位から3位までがカリフォルニア州、4位ニュージャージー、5位ニューヨーク、そのあとはニューヨーク州とカリフォルニア州が交互に出てきます、しかしトップ10のうち加州が6、NYが3と断然西海岸の勝ちです。

ついでに2010年5月付けの最も高価な住宅ランキングをみるとAmerica's Most Expensive Homesをみると、市場に出ている住宅で最も高価な物件はロサンゼルスのもので1億5000万ドル、この物件の近くにあるものも1億2500万ドルで、この2軒が1位と2位を締めているそうです。第3位はタホ湖近くの牧場で1億ドル

「2010年のトップ10ランキングは6500万ドルから1億5000万ドルで、平均価格は8850万ドル、これは2009年の平均価格より1000万ドル高い」とあり、国債格付けが落ちた国なの?という気になります。

日本だって3・11後でも湾岸地域の超高層マンションを買う人はいらっしゃるわけですし、都心部に大型オフィスビル建設計画はすすんでいることを考えると、同じ構造なんだろうなと。。。

しかし2050年には都市の20%は無居住化するとした国交省の統計を見ると、大丈夫かナァと思わずには入られません。
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by fukimison | 2011-08-31 11:50 | 不動産  

米、駐車場の太陽光パネル屋根

金曜日の大雨で過ごしやすかった週末。しかし米東海岸はハリケーンアイリーンの襲来で大混乱、90年代に入って、100年に一度の大雪・大雨といわれる異常気象の記事が多くなったようです。こうなると異常ではなく半恒常。異常気象といえば地球温暖化、福一のこともあり、再生可能エネルギーに注目が集まります。規模は小さいですが、ある種の芽をしてのお知らせです。

8月26日付けMiami Herald紙の記事(元記事はサンノゼ・マーキュリー)'Solar trees' sprout up in California county's parking lotsはカリフォルニアにおける駐車場に太陽光パネルの屋根を設置する傾向について報じています。

日本でも車を止める時、少しでも日陰に駐車しようと木陰を探すのは当たり前、特に夏が暑く・長くなって来ておりこの傾向は加速するでしょう。

「車のために日陰を作る、車に乗り込んだ際のエアコンの効きを良くすることでエネルギー消費削減を図る、これは駐車場に作られた屋根の利点の一つであり、さらに屋根に組み込まれた太陽光パネルの発電は25年というスパンで見ると、温室効果ガスの削減に加え約1800万ドルの全米エネルギー費用削減に繋がる」

「カリフォルニア州における太陽光発電は大部分が建物の屋根に設置されたパネルで行われているが、カリフォルニア大学サンディエゴ校やグーグルのマウンテンビュー本社など駐車場の屋根へパネルを設置するケースが増えている」

どこかに写真は無いかと探したところ、2007年6月のrenewable energyの記事Google Powers Up 1.6 MW Solar System & Hybrid Initiative にありました。これによれば駐車場の屋根だけでなく建物の屋根もパネルで覆われ、1.6mWの発電が行え、「グーグル社は年間393,000ドル超のエネルギー費用節約を見積もっており、これは太陽光システムの寿命である30年で考えるとほぼ1500万ドルに達する」とあり、侮れません。

2007年の記事でこうです。日進月歩の技術の世界、4年たつと「サンディエゴ郡は駐車場9箇所に15,000枚の太陽光パネルを設置、現在年間1800万ドルの光熱費を支払っている郡にとり、25年に渡り1800万ドル、1年に100万ドル弱の節約は小さな話だが、このプロジェクトは800台の自動車を道路上から削減するに等しい、4,116トンの二酸化炭素を削減する上、少なくとも92の臨時職をつくりだす」とあり、光熱費と二酸化炭素削減に加え雇用がでてきます。

「PPA(Power Purchase Agreement・電力売買契約)として知られているシステムにより同郡は他の都市と共に太陽光買い入れ契約により4つの小型プロジェクトへ出資している。この契約の元、民間企業はソーラー設備を建設・所有し、同郡と他の都市が割りびき値段で電力を購入する。しかしPPAによる節約は僅かで20年超で約200万ドル程度だ」

「同郡は政府のインセンティブプログラム、カリフォルニア太陽光イニシアティブからの740万ドル、米国再生・再投資法からの補助金による利率割引債券との併用により、残り4つの大型プロジェクトに資金供与を行った。同郡のシェアは2000万ドルの費用のうち約1300万ドルであり、一群の太陽光パネルを所有するものだ。建設は郡のガバメントセンター近隣などの4カ所で既に始まっている」

日本は送電・発電分離どころか、再生エネルギー法だってなかなか成立しなかった。太陽光や風力発電を行うより、その周辺の技術、例えば風力なら回転制御ソフトウェア・効率のよい羽の形状、パネルの研究、工事や維持管理における雇用の創出など、いろいろな分野での芽が生まれるのが重要。

この議論って15年ぐらい前、インターネット黎明期に電話料金の固定・従量制が議論されていたときと同じのようです。進まない日本に苛立つワタシです。
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by fukimison | 2011-08-29 15:14  

米・ソを結ぶメガトンネルプロジェクト

実現するかは別にして、久しぶりに壮大なプロジェクトニュースです。

8月24日付けGlistにあったRussia to build $100 billion rail tunnel connecting Alaska and Siberiaの記事によれば、「ニコライ二世依頼、ロシア人はシベリアを鉄道トンネルで北米と結ぶ夢を見ていた。ついにクレムリンは英仏海峡を結ぶトンネルの倍の長さもある世界最長のトンネル建設にゴーサインを与えた」

「このトンネルは欧州から北米へ乗客を運ぶだけでなく、大陸間のスマートグリッド構築へ向け、電線用の管路を敷設する計画だ」

「プロジェクトの巨額な費用は間違いなく大きな障害だが、欧州と北米の接続により世界の貨物輸送の3%を担うことで7年で回収できるとして、技術者は計画実現を夢見ている」

うーん、すごい。英仏海峡トンネルも計画当時にそのようなことが聞こえてきたように思いますが、建設途中、そして最近も清算とか倒産の文字を読んだ記憶が。。。。

これの元記事として紹介されているのが8月22日付けWorld Architecture NewsのGreen light for £60bn GBP Bering Strait tunnelで、「今週、ついにクレムリンはアジアと北米を結ぶ65マイル(106km)のトンネルプロジェクトに青信号を与えた」と報じています。

「ヤクーツクへ至る500マイル、9億ポンドのトランスーシベリア鉄道はすでに建設についており、2013年に完成の予定であり、ロシアは2030年までにさらなる2360マイルへむかい進めている。これは北部の地下資源に富む地域をロシアと中国へ輸送する主要連絡路をもたらすものだ」とあり、ロンドン・ニューヨーク間を列車で旅するというより、鉱物資源・天然ガスのパイプライン敷設のバイプロダクトと考えたほうがよいのかもしれませんね。

完成するかどうかはともかく、久しぶりに壮大なプロジェクトが動き出しそうで、楽しいことです。
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by fukimison | 2011-08-25 11:13 | プロジェクト  

空き地の活用

西海岸なら兎も角、東側、バージニアでM5.8の地震、原発がグリッドからの電源喪失、Onsite電源へ、というニュースを読むと、本当に地球揺籃期に入ったのかもと思わざるを得ません。以前は余り手を出さなかったsmpwball earthなんていう地学系の本を読んだりの今日この頃、

原発記事、中国の列車事故のフォローなどと考えましたが、本日はもう少し明るい話題をと思い、こちらにしました。

元記事は8月10日付けGristのNo vacancy: Empty lots are full of promiseで、「空き地は世界中の諸都市で大きな問題となっており、不況はこの問題をさらに悪化させている」とした導入。

空き地になる理由として「立ち退きや老人が死亡、近親者(相続人)が未払いの固定資産税を払わない(払えない)、結果として住宅はブルドーザーで取り壊されるか、失火または放火で燃えるまで荒廃した状態に、」とあり、この状態は東京、しかも高級住宅地といわれる世田谷あたりでも見かけるなぁ。逆に高級だからこそ、相続争いなどなどで決着が付かないとも想像できるけど。。。

「クリーブランドを例に上げると、同市は20,000超の空き地の雑草を8インチ(約20cm)以下にしておくために年間330万ドルを支出しており、これは財政難に喘ぐ都市にとり大きな負担となっている」

日本、少なくとも東京で空き地の草刈資金は出てなかったはず。近所の人が苦情を言っても、所有権の問題で基礎自治体はかかわれない(係りたがらない)

「放棄地の一部はNPOに寄付され公園や都市農園(市民農園)へと転用されるが、空き地の数は大変な勢いで増え続け、行政や団体はそれに見合う速さで清掃や転用が行えないでいる。」

「同市の人口は1950年代から減少しており、その結果、空き地の数は膨らみ、100エーカー(404700平方m)を都市農園に転用したものの、空き地の総面積は3600エーカー(14,570,000平方m)と比較にならない」

「空き地1ヵ所だけだと荒地でしかないが、20,000集まるとエコシステムになる。地元科学者はこれらの空き地をUrban Long-Term Research Area(Ultra、長期都市調査地区)とし、米国立科学財団から272,000ドルの調査資金を得て、野鳥、昆虫の数、流域システム、土壌の線虫や都市農園の研究を行なうこととなった」

8月3日付けNew York Timesの記事Finding the Potential in Vacant Lotsもこのことを報じており、驚いたことにあのニューヨーク市ですら、8,902エーカー、同市の土地の5.8%が空き地だそうです(2010年)

そのままで置いておくにも費用がかかるということで「クリーブランドのような都市は、税金未納の空き地を集"land banks"へ、これは基礎自治体が再販売や再開発への道筋をつけるという考えで始まった」

しかし思うようにことは運ばず、で「フィラデルフィアは5200ヶ所の空き地の維持管理をNPOが行い、その費用はおよそ年間800,000ドル、さらに500箇所超をちゃんとするために700,000ドルを」とあります。クリーブランドの3350万ドルに比べれば安いけど、どうなんでしょうね。維持管理内容が問題。

しかし記事は「空き地はヒートアイランド現象の緩和、雨水の浸透、二酸化炭素の吸収」を行うし、「クリーブランドの例として3エーカーの空き地を60人の若者が耕し、今年は15,000ポンドの野菜などを売ったり、寄付したりした」と報じており、空き地は将来の宝の山といった論調です。

「都市農園やコミュニティーガーデンは包括的解決の一部を成すと考えられる」としながらも「これが都市の空き地問題の解決策とはいえない」とあります。

こういう空き地の周りに住む人たちは概して老人で、空き地の雑草を疎ましく思い、それが綺麗になるのはうれしいけど、人ががやがやと作業をするのは好まないとあり、なかなか一筋縄ではいかないようです。

この手法、所有権(意識)の強い日本でどのように応用できるか、です。
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by fukimison | 2011-08-24 12:48 | 公共財  

日本、ドイツ、オーストラリアなど

週末、東松島へ
海岸線から300m、途中に家屋・鉄道線路があっても1.6mの津波
床を張りなおしても、拭き掃除をどんなにしても、どこからか砂が浮き出してくる。

被災した方同士でも、全壊・半壊・自宅避難・年齢・収入で温度差があることを認めていらっしゃる。
そんな中での合意形成、

インフラとは直接関係ないですが、8月22日付けロイターは独フォルクスワーゲン、CO2排出ゼロの1人乗り自動車発表へと伝えています。この記事の中で目を引いたのは、「VWは自社の電気自動車の顧客に対し、再生可能エネルギーよる電力を販売する「フルサービス・パッケージ」を提供する予定」というくだり。

「開発責任者のユルゲン・レオホルド氏は新コンセプトカーのCO2排出量について「充電に使用する電力次第。再生可能資源による電力を使用すれば、ゼロになる」と述べた」を読むと、co2は排出するのだけど、充電に使う電気の源が再生可能だからという理由はバイオマスの考え方とおなじなのね。

次世代の自動車産業でしょうか?

何で走るにしても車と言う形態はなくならないだろうし、そうなると道路・駐車場は必要

しかしオーストラリア・シドニーの再開発計画を見ると、車を中心街に入れないことになりそう。
8月22日付けBrisbane Timesの記事George Street could reclaim CBD jewel in crown titleによれば、「北端のHunter StreetからTown Hallを経てBathurst Street へ至る地域の再開発に10億ドル超の予算が計上されている。Wynyard 駅は改築され、ジョージストリート沿いは新しいホテル、オフィスタワーが建設され、有名ブランド出店する活気に溢れた通りになるだろう」とのこと。

記事はライバルのピットストリートのように「シドニー市議会の計画によれば、ジョージストリートの交通を遮断する提案を前進させるため、1億8000万ドルのライトレール建設が計画されている。最近市長は交通渋滞が解消されたら、この通りは繁栄するだろうと述べた」とあり、車歩分離ならぬ、自動車の進入禁止区域設定が議論されているようです。

「ライトレールに必要な1億8000万ドルは議会の長期財政計画で確保されている。詳細計画は2011-2014案に」

「不動産開発業者は提案どおりに通りから交通を締め出す考えに不安を抱きながらも、Palazzo政策(小さな広場と店舗の連携)を歓迎している。ジョージストリートに影響を与える大きな開発の一つが120億ドルをかけて行われるWynyard駅の改修計画だ。Grocon社が事業者となり、Macquarie銀行がWynyardの敷地の権利をThakral Holdings社から買取りることで資金調達の一助をすると見られている」

中心街を人主体の地域にする傾向が強まると楽しいのですが。
こういうのも今はやりのコミュニティーデザインなんでしょうね。
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by fukimison | 2011-08-23 13:08 | つれづれ  

英の暴動と都市計画

一週間ほど前、ロンドンをはじめ英国各地で暴動が起きたというのは知っていますが、詳しい内容はCNNのロンドン暴動の逮捕者1900人以上、各地で鎮静化の動きも みたいなもので、通り一遍というかステレオタイプのものでした。

しかしイギリス暴動の裏にある鬱屈と絶望についてなどを読むと、なかなか根の深いものだなぁと感じるものの、でも社会保障、教育制度、失業に代表される経済問題、移民や人種差別から生まれたものなのだという理解の外側に出るものではなかった。

どこでインフラと景観につながるかと言うと、8月17日付けLondon Evening Standard紙の記事What now for the regeneration of London?に始まります。

記事はオランダ・ロッテルダムの建築歴史学者でarchitecture and politicsの教授であるVanstiphout氏のコメントで構成されています。欧米では暴動は珍しくなく、東北の大震災の時、整然と列を作り支払う人々の姿に感動したという欧米の記事、その点からも都市計画と暴動を専門とする教授がいるのは当たり前でしょうし、ネットサーチをすると1985年に英国で起きたBroadwater Farm事件が目をひきます。これのWIKIにははっきりと「ル・コルビジェに影響された設計で大型のコンクリートブロックと高いタワーが印象的な公営住宅開発」、「デッキレベルの通路は犯罪や強盗のホットスポットとなる、危険で人目につかないエリアを作り出し、さらに犯罪者に逃げ道を用意するものだった」とあり、犯罪を助長する都市計画という視点があります。

「Vanstiphout氏が最初に都市暴動に興味を持ったのは2005年パリで発生した暴動で、コメンテーターや政治家が、建築と郊外、郊外にあるモダニストによる低所得者向け公営住宅、そしてそこに住む人々の行動の間にある直接的な相関関係に言及したことだ。彼等は統計を見て、そしてこれらの場所は犯罪率、失業率が高いと述べた、もしそうなら、これらの団地を取り壊せば問題は解決する」

「さらに同氏は暴徒が異なる都市環境でどのように展開していったかに注目した。パリの暴徒は周辺部の要塞のようなゲットーで展開する一方、他の場所は異なる性格を示した。」

「1992年のロサンジェルス、通りの角、格子状に道路が走るグリッドシティ、ここでは大通りを通りぬけようとする通行人が交差する道路の交差点で襲われたように、大通りが細い通りが交わる場所で暴力が発生した」

「しかしロンドンの暴動は(多くの場所で)最も特徴的な場所・目抜き通りで発生した。同氏は暴徒の行動は得て勝手に見えても場所の選びは政治的な意味があると述べた。ロンドンでは消費における不平等が大変重要な役割を果たした」

「誰もロンドンでの騒乱の元となった特定の建物を示してはいないが、暴徒に襲われた地域は開発と富裕化について緊張が存在し、変化が急に起こり、金持ちと貧乏人の格差がはっきりと見えた場所だ。暴動は再開発の隠れた真実を明らかにした。ロンドンの都市政策は貧困者を置き去りにし、ある地域から押し出し、ロンドンを単一化し、持てる者と持てない者の差を明らかにするものだった。」

「再開発が起きると、表面的には良くなったように感じるが、実際はそこに住んでいた人たちが他へ移っただけであり、再開発の本当の目的は相変わらず地価の上昇を元にしたものであり、富は金持ちから貧乏人へ流れてゆくという考えだ」

ご興味のある方はこちらをどうぞ、
2011年3月2日に行われたVanstiphout氏の講演
Blame the Architect: On the relationship between urban planning, architecture, culture and urban violence
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by fukimison | 2011-08-18 19:29 | 事故  

米、ラスベガスのHarmon Hotel撤去へ

カリフォルニア大学サンディエゴ校から福島原発で海水注入により発生した放射性硫黄がカリフォルニア沿岸で計測されたとか、冷却プール1平方メートルあたり4000億個の中性子が放出されたとか、福島近海は平常の約365倍のといった報告書が発表され、どこまで続くぬかるみぞ、との感を強くします。

しかし本日は趣向を変え、昨年11月に「ラスベガス、フォスター設計のホテル、解体それとも?」としてご報告した記事の続報を選んで見ました。

8月15日付けMENAFMはGMG Resorts seeks to demolish City Center's Harmon Hotelとして報じています。

「MGMリゾート・インターナショナル社はラスベガス・ストリップのシティーセンターに立つ工費約2億5000万ドルの未使用で空き家のHarmon Hotelを工事不具合により解体したいとクラーク郡建築局に申請を提出、今後は裁判所に撤去許可を求めることになろうと発表した。」のだそうです。

予定では解体工事に6ヶ月、その後瓦礫の撤去に5ヶ月。これにより同プロジェクトに投じられた2億7900万ドルは損失として処理されることになります。

欠陥工事を巡る建設業者と事業主の争いなど、過去の経緯は昨年のものをご参照いただくとして、当然請負業者は構造は安全であり、改修可能だとして撤去に反対しています。

Building Design & Constructionの記事CityCenter’s new Harmon Hotel targeted for demolition を見ると、「ラスベガスの85億ドルを投じたシティーセンター開発において重要な部分をなす27階建て・未使用のHarmon Hotelを、MGMリゾートシャは解体したいと考えている。2008年に検査官が鉄筋の不適切な配置を発見、2009年にMGMは当初計画から27階建て400室のホテルへと変更。ノーマン・フォスター卿設計の建物は裁判から抜け出せず、これ以降工事は中断」だそうです。

請負業者のPerini社とMGMは工事代金を巡り熾烈な法廷闘争を行っていますが、フォスター氏の名前は出てきません。ということは払ってもらってのかな?

解体されたとしても、代金を巡る裁判はまだまだ続きそうです。
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by fukimison | 2011-08-17 22:02 | プロジェクト  

ロシア、世界初の洋上原発プロジェクト頓挫

世の中は夏休み、記事も夏休みモードです。

そんな中、目を引いたのがこの記事

8月15日付けMoscow TimesのFloating Nuke Plant Seized in Bankruptcy

記事は「昨年秋の国際興業銀行の倒産は、裁判所による世界初の洋上原子力発電所押収をもたらした。しかしユニークな発電所の工事は続いている」とあります。

原子力潜水艦のように機関として原子力を利用するのではなく、洋上に浮いている発電所です。

ユニークなことは確か、CG画像でそのユニークさが解ります。

4月18日付けロイターのCan nuclear power plants float?を見ても「日本の原発事故や高まる安全懸念や嵩む費用にもかかわらず、ロシア政府は世界初の沖合い原子力プラントを押し進めている」

記事中の要点を拾うと「2つの原子炉で構成されており、これにより35000世帯を賄う70mWの発電が行える。プラントはドックまたは沿岸に停泊しそこからケーブルで送電を行う」「ロシアの国営原子力エネルギー企業のPosatomは、輸出目的で12の洋上発電所を建設する予定だ。」「最初の原子炉の建設費用は5億500万ドルで、当初見積もりより4倍超も高額になっているが、それでも従来の大型原子炉に比べてればごく小額だ」

でも洋上、カトリーナ級の台風が来たら、それこそ津波は大丈夫か?です。

しかしその前に倒産の二文字

8月15日付のworld nuclear newsもCourt seizes floating nuclear plant としてこれを報道しています。

問題はこの洋上原発が建設されているBaltiysky Zavod造船所にあります。

Baltiysky Zavod造船所の最大の株主は88.3%を所有するUnited Industrial Corporationで、同社はSergei Pugachev氏が所有。この株式はロシアの中央銀行にInternational Industrial Bank(Pugachev氏の所有する銀行で2010年11月に倒産しています)の未収融資として担保されています。従って造船所は倒産の危機に瀕していると言えましょう。

「Rosenergoatom社の要求により裁判所はBaltiysky Zavod 操船所で建設途中の船を押収した。Rosenergoatom社は倒産処理の最中、他の債権者により造船所の資産が押収されることで、3億4000万ドルの投資を失うことを恐れた」とあります。

世界初の洋上原子力発電所にしては、今ひとつな理由ですが、今後の展開を注目と言うことです。
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by fukimison | 2011-08-16 23:16 | プロジェクト  

バングラデシュ、発電プロジェクトにADB融資

このところ近東・アジア地域の記事紹介が少なかったので、クライストチャーチの復興原案と迷ったのですが、クライストチャーチのものは東北復興との比較記事も出るだろうということで、これを選んで見ました。

8月11日付けKHLのBangladesh receives energy boostは「アジア開発銀行(ADB)はバングラデシュのエネルギーインフラ改善を支援するため3億ドルの融資を行なうと発表。同融資は同国の電力システム効率改善プロジェクト(Power System Efficiency Improvement Project)支援に利用されるもので、特にチッタゴン地方・メグナ川デルタ近辺にあるAshuganj発電所の老朽化した5つの発電機を新しい天然ガス複合発電所へ転換するものだ。」

「融資はHatiya島の風力、太陽光、ディーゼルハイブリッドシステムに加え、国内電力網と接続される太陽光発電システム(5mW)の資金調達も行われる計画だ。さらに太陽光やLEDによる街頭の設置、または補修wpBarisal, Chittagong, Dhaka, Khulna, Rajshahi およびSylhetの各都市で行う予定だ。」

「イスラム開発銀行も2億ドルの協調融資を供与の予定であり、バングラデシュ政府も8100万ドルを調達し、このプロジェクト費用は総計5億8100万ドルに登る。完成予定は2017年6月」

Energy for Allのサイトにも同様の記事ADB Loan to Help Bangladesh Cut Energy Shortage, Reduce Povertyがあり、こちらは「バングラデシュにおいて電力の需給ギャップは1200mW(2011年)であり、電力へのアクセスのある人は人口の49%」

「これらのイニシアティブはバングラデシュが年間何千万トンもの二酸化炭素排出を削減する一助となることで、このプロジェクトがクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism)による炭素融資の対象としている。融資期間は5年の金利優遇期間のある25年」
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by fukimison | 2011-08-12 11:11 | プロジェクト  

米加州最大の太陽光発電プロジェクト裁判へ

暑い、忙しい、時間が作れない、問題です。

8月10日付けCal Watchidogの記事Environmentalists Eclipse Solar Energy

サンフランシスコを本拠とするPV2 Energy社はサン・ベンティーノ郡のPanoche渓谷で工費18億ドル、399メガワットの太陽光ファームの建設計画を進めています。環境問題先進州の加州です、石炭・天然ガス・当然原子力ではない、この種の再生可能エネルギー源による発電は州の後押しひとしお、

代替からして昨年4月にSBZ1-2なんていう再生可能エネルギー源推進法があり、これによれば現在14%の自然エネルギー源発電を2020年までに33%に増やすという野望に燃えております。

であれば、この巨大太陽光プロジェクト週を上げて推進なのですが、なぜかシエラクラブなど環境保護3団体が希少生物に悪影響を与えるとして提訴です。

6月に米、加州最大の太陽光発電プロジェクト再開としてお伝えしたプロジェクトは、どうも再開の道が閉ざされたようですし、今回も環境保護団体側が優勢に進めているようです。

しかしそのたびごとに環境アセスをやり直したり、気象生物のために生息地を買い足したりと企業としては時間と費用の誤算続き、希少生物も大事、でも自然源のエネルギーも重要、三方一両得の解決策はないものでしょうか?
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by fukimison | 2011-08-11 19:04