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中国の交通事故

いろいろなサイトをザッピングしていたら、中国の交通事故死者数が2007年に82000人に達したという記事を見付けました。

この記事によると11年連続で交通事故死者数ランキング1位を占め、車両1万台あたり2名という死者数の世界平均に比べ、5.1名と倍以上を記録したそうです。ちなみに米国は1.7名。

日本は2006年の数字しかまだ発表されていないけど、6452人。

中国の総人口は13億人超、日本のそれが1億3000万程度といわれているから、およそ10対1ですが、日本の死者数を10倍しても、まだ中国のそれに足りません。

中国の交通事故の原因は、交通安全に対する意識が低く、交通規則違反、交通倫理の欠如だといわれています。

それと中国ではトラックの過積載が常習化しており、規定積載量の2倍、3倍は普通であり、これが危険運転の元になり、さらに道路の劣化を加速しているそうです。

確かに中国というと交通渋滞にくわえ、車両、自転車、歩行者が道路を埋め尽くしている様子が報道されることが多々ありますが、あの様子だと年間349000件の交通事故がおきても不思議じゃないような気がします。

その上中国汽車工業協会によると、1~3月の乗用車販売台数は185万1,100台に達し、昨年同期比で20.4%増加、3月単月での販売台数は70万500台で、昨年同月比では23.6%、前月比では43.3%の増加だそうです。

この数字だけを取り出してみれば「中国の好景気は続いている」ですし、交通事故の発生件数のコンテクストからみれば、抜本的な対策をとらないと事故および死者数の減少はおきないだろうということになります。

道路は必要なインフラなのですが、交通事故が約180万世帯の生計に影響を与え、過積載による橋梁の沈下や道路の劣化を生んでいること、さらに排気ガスの温暖化への影響を考えると、負荷の大きな社会資産といえましょう。

交通渋滞による大気汚染が叫ばれるなか開催される北京オリンピック期間は、ナンバープレートとによる交通規制(偶数か奇数かで市内が走れる日が指定される)、官庁の公用車利用中止など、いろいろと手段は講じるようですが、それ以前に旅行者は交通事故に巻き込まれないよう気をつけたほうがよさそうです。

# by fukimison | 2008-04-10 18:11  

ブータンのトンネルプロジェクト

ブータン地質鉱山局とノルウェーの地質工学研究所は6年の共同調査の結果、都市部と空港などの主要インフラ施設を連絡するトンネルルートを10本確定したとの報道がありました。

この記事を読んでいて感じたのは山岳国の悲哀ですね。地理的に閉ざされやすいというのは、簡単に理解できるのですが、(同記事も2000年にブータンとインドの連絡道路で大規模土砂崩れが起き、食糧・燃料不足の大騒動が発生したことに言及)水力発電施設を大変な思いをして建設しても、送電網も整備しなければならない。

特にブータンの場合、自国自給率を上げるより、国外に売電して外貨を獲得する必要がある。これはポーランドでワレサ書記長が連帯を掲げたころ、ポーランドの食糧難が報道されているにもかかわらず、クラコフ産のジャムが安価に米国で売られていたことを思い出します。

それはともかくとして、面白いといっては失礼なのですが、ブータンとノルウェーの共同調査、そしてインドの請負業者とJVを組んでいる欧州のトンネルコンサルタント社がデザイン・ビルドのPFIで行うとみられていることです。

ODAつながりで日本、でなければ、なんとなく中国か、韓国と思ったのですが、インドが出てくるんですね。水力発電の売電先がインドだからというのもあるでしょうが。。。

Tunnel Boring Machines(TBM)の輸送が困難なことに加え、この地域の土質が不均一なため、TBMは利用できない(以前インド側のヒマラヤでTBMを利用しトンネル掘削中にTBMがつっかえ、にっちもさっちも行かなくなったことがある)ため、D&B工法で行われるそうですが、土壌や気象的な条件を考えると大変だなぁ。

建設資金は年間3万MWの売電費用で賄われるというから、実現性はありますね。
でも、計4本、総延長24kmのトンネルかぁ。

それよりも、地球温暖化の影響をうけ、Glacial Lake Outburst Flood(GLOF:氷河湖決壊による大洪水)の危険にさらされているブータンで、トンネル工事よりも氷河湖の改修の方が緊急性が高いように思えるのですが。

それよりも、利便なんでしょうねぇ。

# by fukimison | 2008-04-08 14:36  

shared space・共有空間

普通道路は車道と歩道に分かれており、その境にガードレールを設置したり、歩道を少し高くしたりと区別を付けています。

ガードレール、信号機、標識を取り外し、車道と歩道を同じ高さにして区別をなくし、車両と人が同じ平面で道を利用しようというのがshared space(共有空間)と呼ばれる取り決めで、主に欧州で発達してきた考え方です。

この取り組みはオランダで始まり、2007年にドイツのボームテが取り入れ、大きな成果をあげたことで有名です。

英国でもshared spaceが始まっていると聞いていましたが、このたびロンドンで資金パッケージ(4000万ポンド)が承認され、この夏からExhibition Roadで実施される予定だというニュースが流れました。

shared spaceは車両、自転車、歩行者が自主的に道路を共有するという思想を元にしており、道路を共有することで車両は速度を落とし、他者への配慮を常に行う、また横断時にはアイコンタクトをなどでコミュニケーションをとることでより人間的な振る舞いの生まれる空間となる(ことになっている)

他者への配慮、段差のないバリアフリー、良いことづくめに聞こえますが、視覚障害者協会からも懸念の声は起きています。その理由として、視覚障害者や弱視者は、縁石をガイドに利用して安全確保を行っているし、盲導犬もshared spaceでも訓練を受けたことがなく、信号機や歩道の区別のないフラットな空間はかえって混乱をまねくのではというものです。

このロンドンのshare spaceは信号の取り外しは行われず、ガードレールの取り外しによる車道歩道の一体化が行われ、盲人に配慮し、歩道部分に触感の違う舗装を行うそうです。

ガードレールがあると利用面積は減り、狭い道がより狭く感じられます。
また信号があれば、それに従うだけなので、周囲への注意を怠るという意見もわかります。

でも、私が子供の頃、ガードレールの無い道は交通事故が多いので、ガードレールを取り付けると聞いた記憶があり、本当に大丈夫かしら?と思わずにいられません。

人種偏見でしょうか、ドイツやイギリス人など、欧州では大丈夫かもしれないけど、日本を始め、アジア地域では難しいのではと、つい思ってしまいます。

# by fukimison | 2008-04-07 16:23  

グリーンビルスタンダード

ある業界誌をみていたら、グリーンビルの国際基準を作ろうという動きの記事がありました。

その記事によれば、英国不動産連盟(British Property Federation)が主催し、日、米、独、伊、フィンランド、スウェーデン、デンマークなど世界20カ国の建設・不動産業界のトップが集まり、グリーンビルの対比に必要なベンチマークとその測定方法を研究し、国際的なグリーンビルインデックス開発を行うことに合意したそうです。


初期目的はエネルギー、水、廃棄物、交通といった重要分野に置かれるとのこと。

この記事中で、「建築物のエネルギー性能における欧州指令:DEPB」などのEU政策によって、特に欧州全体で影響が起き、持続可能性に関する報告により価値の変化が生じるに違いない。来年のMIPIMまでにある程度の成果を出したい」というコメントに注目です。

各国が経験則を持ち寄り、国際的な比較項目、測定方法、基準を策定し、その基本線に各国が実情に合わせ若干の付帯条項を加える。

時間はかかるでしょうが、全体としてこの方向に進まざるを得ないのだろうなぁと納得です。

# by fukimison | 2008-04-03 11:43 | グリーンビル  

グリーンビル台頭

ハリケーンカトリーナに始まり、各地で報告される異常気象は地球温暖化の証と捕らえられ、さすがに米国や日本も、なんとかしないと危ないと思い始めた様子。

助成金がつき始めたことで屋上緑化だとか壁面緑化だとか言われ始めてきた。
けれどもガソリン税でよく分るように、助成金はいつまでもつくわけじゃなし、助成金がなくてもマーケット的に成立する価格+利点構造にならないと本当の普及は無理でしょう。

そうじゃなければ欧州つまりEUですが、みたいに「建築物のエネルギー性能にかかわる欧州指令」(Directive on the Energy Performance of Buildings)的なものを導入しなければ無理でしょう。

この指令はエネルギー消費量の約40%が、建設部門によると観られていることに端を発したもので、段階的に、商業建築物および改築中の建築物は全てそのエネルギー効率を評価するため、エネルギー性能証明の取得を行うようにするもの。

そのためかイギリスやドイツではグリーンビルの建設が盛んです。
それも屋上・壁面緑化とかいった程度ではなく、天候センサーでブラインドや窓の開閉を捜査する、人工照明の利用を最小化できるようなビル形状にする、夏季の余剰熱を地中貯蔵して冬季に利用するといった具合。

米政府はこのあたり鈍いのだけど、個々としては始まっていて、WTC跡地に建設されるフリーダムタワーは、太陽光・風力発電でタワーの必要電力の20%を賄う計画

無事に完成すれば、最もすごいのが中国のエコシティー計画
これは上海近郊の揚子江デルタに建設されるもので、マンハッタンぐらいの規模の島ひとつをエコシティーにしようというもの。英国のArup社が設計を担当
当然、いわゆる自動車は走行禁止、建設に伴う埋め立ては最小限にし、再利用や廃棄物管理を行う

面白いことに今年3月カンヌで開催された第18回MIPIM(国際不動産見本市+カンファレンス)で、はじめてグリービル賞が設立され、オランダのプロジェクトが受賞

いままではオフィスセンター部門、住宅開発部門、ホテル&リゾート部門、商業施設改修部門とコテコテのイケイケ系部門しかなかったのに、グリーンビル部門です。

それだけグリーンビルがメインストリームに出てきたということだと実感

この受賞プロジェクトは川岸にある50-60年ぐらい前のコンクリート基礎を再利用し、オフィスビルにしたもの。川岸ということで、川の水を利用した冷暖房と将来どんな要求がでても対応できるように、可変的構成になっているのが、グリーンだということで受賞。

ただ、この基礎部分、野鳥の営巣地としても役立っているということなんですが、写真で見る限り鉄骨むき出しで、野鳥の糞による腐食は大丈夫なのだろうか、そのあたりの手当てを含めての受賞なんだろうなと想像。

# by fukimison | 2008-04-01 11:02 | グリーンビル