建設不況(2)
2009年 05月 15日
フォスター卿の事務所にしても、本日のトピックのHOKにしても、世界の各都市に事務所を構え、総従業員は1000人を越えることから日本人のイメージする建築事務所とは異なり、グローバルアーキテクトオフィスといった方が良い規模です。そして世界のあちらこちらで、回復の芽が見えてきている、英国は一時期よりもポンド価も改善され、また景気は底を打ち始めたと言った記事も出始めていますのに英国市場はまだまだといったのが現状が本日の話題です。
これは5月15日付けBD誌に掲載されたNo let-up as HOK slashes UK staffの抜粋で「他の建設分野で回復の兆しが見えているにも係らず、世界第4位の建築事務所であるHOKが大規模な人員削減を行っている」というものです。
HOKはミズーリ州に本拠を置く全米最大手の建築事務所で世界の24都市の事務所を構えているそうです。そのHOKのロンドン事務所がドバイやバーレーンでの作業減少のため、英国で働く職員の約10%にあたる20人超を解雇すると発表しました。
このほか英大手建設事務所のRyder Architectureも約4分の1にあたる111人が、同じく大手建設事務所のDyerも30%が職場を去ったと伝えています。
また世界的な建設事務所であるAedasの英国事務所(約700人)は雇用を守るため時間短縮、それも週に4日間勤務を打ち出したそうです。
建築業界の落差は激しく、2008年に960%増を謳歌したにもかかわらず、最新の失業率は不況の影響を最も受けた業界であることを示しています。
驚いたのは4月に失業手当を受けた建築家は1590人で、その数は3月に比して100人多くなっているというあたりで、最近お知らせした英国版グリーンニューディールはいったいなんだったんだろう?
by fukimison | 2009-05-15 10:55 | つれづれ