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英、バターシー再開発計画の新提案

2009年2月にバターシーのエコタワー計画撤回と題して、バターシーにある元火力発電所の再開発で高さ300mの透明な煙突を核とする計画が撤回されたとお伝えしました。本日はその続報です。

6月4日のNCE誌はNew designs for Battersea revealedとして新再開発計画を伝えています。

以前の計画と比べ、敷地中央にある火力発電所よりも高い建物がひとつも無いことが最大のポイントでしょう。そして約3700軒の住宅、150万平方フィートの床面積を持つ事務所、50万平方フィートの小売店やレストラン、ホテル、レジャー施設そしてコミュニティー施設が予定されています。再開発を行うことで何千もの建設作業は言うに及ばず、開発関連で16500の新規雇用が生まれるとしています。またこの計画は南西ロンドンのNine Elms地域活性化の起爆剤となると期待されていますし、さらにケンジントンからバターシー火力発電所を通るNorthern線の延伸計画も同地域の活性促進に役立つ見込まれていると記事は伝えています。
開発業者のTreasury Holdings UKは6月6日ごろから住民に計画検証を求める予定だということです。

この計画のパースがBattersea Power Station redesign unveiledとしてBD誌にあります。これによると火力発電所の周りをプールというか池にとりかこみ1930年代のアールデコ様式を際立たせる。発電所の内部はオフィス、店舗、レストランや住宅に改築するのは良いのですが、パースで見る限り敷地内に建つビルがちょっと屏風風なのが気になります。建物を低くして採算を合わせようとするとこうなるんでしょうが、住民がどう反応するか公聴会の行方が気になります。

撤回されたガラスタワーの計画ができるまで2年間の協議を行い、そしてさらに新計画の協議を行なう、チャールズ皇太子が介入したことで有名なチェルシーの再開発も、皇太子介入まで2年近く協議を行っていた。2年という時間とお金をかけ、これで行けると思っても覆される可能性がある、事業主の採算性という点から言えばとんでもないリスクビジネスですね。

by fukimison | 2009-06-05 10:42 | 景観  

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