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LEED or BREEAM

久しぶりにグリーンビルの話題です。環境に配慮し、持続可能な建築物の評価方法として日本もCASEBEEと呼ばれる建築環境総合性能評価システムがありますが、英国BREEEAM(BRE Environmental Assessment Method)と米国のGreen Building Council(USGBC)によるLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)の2つが有名(メジャー)です。

そのUSGBCのLEEDですが、Hospitality Designは8月13日にLEED Projects Grow Rapidly Outside the U.S.という記事を掲載しています。これをUSGBCで探すとNielsen Business Mediaが報じたもののようで、内容は米国が開発した建物の環境性能基準であるLEEDが急速に国外で採用されることが多くなっているというものです。
これに関した記事は以前このぶろぐでもスタンダードとはというタイトルで、アラブ諸国がLEED採用を決め、英国の技術者が旧宗主国であるのに湾岸地域で仕事がしにくくなるのではという記事を紹介しました。

今回のものはUSGBCは8月11日、現在LEEDと認められた全プロジェクト(総延べ床面積)の27%が海外で実施されているもので、2004年の8(当時米国内では380)であったのもが2008年1120に伸び、2009年7月5日現在で既にさらに835のプロジェクトがLEED証明の登録を行っていると発表したというものです。さらに記事は「現在世界195カ国で114のLEEDプロジェクトが行われており、うちスウェーデン、デンマーク、ノルウェーそしてフィンランドといった各国で43のLEEDプロジェクトが建設中だ」と続きます。ここでちょっと驚くのは、地理的には英国の方が近く、近い=知識の交流(流入)が容易いという方式が適応されていないことです。でもルクセンブルグに建設中の欧州投資銀行の新館はBREEAMという記事をおつたえしていたのですが、どうなんでしょう?

それで少し調べてみたところ、両者は覇権を握るべくバトルを展開しているようです。
その一例としてBREEAMの中にBREEAM VS LEEDという文書を発見しました。いろいろと書いてありますが、コストと問いう項目で「現地の基準によって変わり、はっきりとはいえないがLEEDは建設費が3-8%上昇すると言われている。BREEAMはLEEDと同等ないしは若干安いと見積もられるとあります。(大型建築において3-8%は大きいです)

BREEAMもLEEDも環境や持続可能に関する分野で多数の課題が示されており、そのうちのいくつがどういったレベルや性能であるかで決まります。それも単に合否ではなく、各種段階(BREEAMはPass, Good, Very Good, ExcellentまたはOutstanding さらにBREEAM certificateですし、LEEDはCertified,Silver, Gold, Platinumまで)における評価です。

1990年に始まり、英国内で主に住宅に適用されているBREEAMに対し、1998年にはじまったLEEDですが、こちらは商業用ビルが主体でありその数は約2000棟に達しているそうです。

by fukimison | 2009-08-17 11:52 | グリーンビル  

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