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アイルランド、鉄道高架橋崩落

あちらこちらで異常気象が発生するように、以前は余り見ないタイプの事故も発生しています。
これは先週の金曜日に発生した事故ですが、気になるので少し追いかけて見ました。
まず、英建築専門誌NCEの8月24日付けでProbe launched on viaduct collapseという記事が掲載されました。内容は8月21日(金)Broadmeadow河口にかかるダブリンとベルファストを結ぶ鉄道本線が、20mに渡り崩落した。列車の運転士が崩落に気がつき、大惨事は免れることが出来たが、アイルランドの動脈とも入れる同線は調査および修復のため、数週間の閉鎖を余儀なくされるだろうというもの。

同日の記事でもIrish Examinerの記事Seabed erosion blamed for viaduct collapseになると、若干雰囲気が変わってきます。

まず「川底の侵食が、アイルランドでも1,2を争う過密な路線の崩落原因ではと疑われている」というリードで始まり、次に「ダブリン・ベルファスト本線の線路がかかるMalhide河口橋の初期検査は、最近の干潮と豪雨がともにこの事故の遠因であることを示している」に続きます。

なんでもこの渡河橋は1日に90本の列車が通過するもので、通勤ラッシュアワーの始まる時に崩落は発生し、運転士の気転で惨事を免れたようです。予備調査でおそら数週間のうちに発生した小規模な損傷が川底に発生しているのが見つかり、これが流れや渡河橋の橋脚周辺の水圧を変えたものと考えられるとあります。
このほか、鉄道運行にかかわる検査や維持管理報告書は言うに及ばず、潮流、降雨、転向などの問題を含め各方面にわたる調査が行われており、事故のあった区間は少なくとも3ヶ月の閉鎖が予測されるとあります。どうも崩落事故区間の前後の駅までの運行であり、閉鎖区間はバスや他の代替機関に乗り換えて移動するという、なかなか大変な状態が3ヶ月は続くということです。

鉄道利用者組織は全アイルランドの鉄道橋検査を早急に行うよう求めているとありますし、鉄道事業者も早急に他の橋梁や高架橋の精密検査を実施するとしています。

この事故があった渡河橋も、事故発生のつい数日前に目視検査が行われていたそうですが、全面検査は行われたのは2007年10月だったそうです。



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by fukimison | 2009-08-25 10:16 | 事故  

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