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米報告書、グリーンビル改修市場は150億ドル

先日、建築関係の方と話していてマンションを建てるよりも維持管理・改修の方が利益率は高い(本音は新築物件は儲からない)という話をしたり、まち歩きをすると空き家が目に付くようになったなぁ、この人口減の世の中にどうして高層マンションやオフィスビルを建てようとするのだろう?不思議だと思っていたら、米McGraw-Hill Constructionから新しい報告書が出版されたというニュースを環境系のサイトのEarth2Techで見付けました。タイトルはU.S. Green Building Retrofit Market to Hit $15B by 2014: Reportというもので直訳すれば「2014年までに米グリーンビル改修市場は150億ドルに達する」というもの。

記事は「ホワイトハウスが住宅省エネ市場強化政策の概略を発表した数日後、McGraw-Hill Construction社は設計家や開発業者にとり、非住宅系ビルをグリーンビルに改修する市場は新築建設よりも拡大と好機が見込めるとした報告書を発表した」としたフレーズで始まっています。

恐らく原本はこれでしょうSmartMarket Report: Green Building Retrofit & Renovation
なんでも事業主、商業オフィスや小売ビルのテナントの視点から、グリーンビル(省エネビル)への改修および改造を調査したもので、市場規模、利益、政府のインセンティブを含め省エネ改築実施への誘因、問題や課題といった項目をカバー、19件の省エネ改修事例を使って説明とあります。また報告書は事業主の38%、テナントの70%が政府のインセンティブが省エネ改修の伸びを促進すると考えているとあります。事業主にとり省エネで建物のライフサイクルコストが低くなることは喜ばしいでしょうし、10月8日にグリーンビルで生産性向上と題してお伝えしたように、従業員が満足すれば雇用者側も従業員確保の面からありがたいというもの。
しかし64ページの報告書が189ドルというのは良い値段だなぁ。

Earth2Techの記事に戻って報告書の内容を読むと「省エネの照明、機械および電気システムの設置を含め、ビル改修市場は2009年の21-37億ドルから2014年に101-151億ドル市場へ伸びるだろう。現在の改修市場でグリーンビル化は5-9%であるが、5年のうちに同市場の20-30%を占めるまでに成長するだろう」報告書によれば「ビルの省エネ化はエネルギー、水および資源の効率利用、室内環境の向上、さらに管理の5分野のうち少なくとも3分野をカバーするものであり、省エネ改修で最も期待される部門は教育とオフィス(約50)であり、最も伸びるのは小売であろう」としています。
面白いのは省エネ改修を行ったビルオーナーに対し、どのような省エネ改修を行ったかを尋ねた部分でしょう。回答者の100%が省エネ型の照明と自然光の取り入れと答えています。92%が省エネ型の機械と電気システム、79%が換気システムまたは個々で調節可能な室温管理システム、71%が節水型のトイレタンクなどの節水水周り機器、66%が環境に配慮した家具や塗料、61%が高機能の窓や断熱材設置といった改修を行ったそうです。ビル所有者の3分の2が省エネ改修を行った費用が10年のうちに取り戻せることを期待してるとありますが、11%はそれ以上かかるだろうと見ているとあります。

財政的に利点が無ければ省エネ改修はなかなか進まないだろうし、政府の補助金もありますが、電気代や水道代が劇的に下がったというエビデンスが出なければ、インセンティブに成らないでしょう。

Earth2Techの記事は省エネ化の初期費用が高いことや最近のエネルギー料金の下落が、ビルの省エネ化改修を阻んでいるとあります。

でも家庭用冷蔵庫やエアコンの電気代は10年前に比べ2分の1になっているそうで、これを元に考えればやはり改修市場は大きいということになります。

by fukimison | 2009-10-28 17:25 | グリーンビル  

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