人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2010年とは

07年のサブプライム、08年のリーマンショックに揺れた09年も何とか暮れ、例年に比べれば少し短めの年末年始休暇も終わり、新年おめでとうございます。
おめでとうと言いながら、本日の新聞は仕事始めは大商いだ、NY市場も値上がりと言いながらも「2番底」がヒタヒタト近づいてくると、わけのわからない紙面構成をしています。

インフラ的には朝のワイドショーですら取り上げた世界一の高層ビル・ドバイのブルジュドバイが落成式を迎えたニュースをお伝えすべきでしょう。しかもTVの取り上げ方は電波塔と高層ビルの高さを区別せずに比較するという非常に低次元なものだったことから、正しい比較を紹介すべきなのですが、いままでいろいろな角度からお伝えしてきたので(正直いえばあきちゃった)今回は別物を。

新年から縁起でもないような気もしますが、Watson Wyatt(組織・人材マネジメント、人事制度、退職金・年金制度、退職給付会計,年金資産運用、保険に関する世界的なコンサルタント企業)が昨年11月に発表した高リスク管理(Extreme risk management)についてご紹介します。

この2-3年の社会状況はいろいろなことが重なって発生しており、いままでの考え方では予測外であったように思います。そうしたことから言えば、この予測は以前は予測として出すのも憚られたような事柄が取り上げられており、こちらの方が重要な気がします。

Watson Wyatt社が取り上げている15の高リスク項目は、資本主義の終焉を含む経済・金融・政治の3カテゴリーに分けられており、重要度を元にランク付けされています。それでは、どうぞ!

1位  恐慌 負債デフレーションに陥る
2位  ハイパーインフレーション
3位  過剰債務 債務負担が大きくなり収益からの償還ができなくなる
4位  通貨危機 変動相場における過剰な変動
5位  銀行恐慌 更なるショックにBSが耐えられない
6位  国家債務不履行 発展途上国のデフォルト
7位  気候変動
8位  政治危機 過激派グループの台頭
9位  保険危機 保険部門の支払不能
10位 保護貿易主義 自由貿易に対する反動
11位 欧州の不一致 ユーロの分裂
12位 資本主義の終焉 社会主義への移行と市場の閉鎖
13位 不換紙幣の終焉 金本位制への回帰
14位 戦争 世界規模の大きな対立
15位 世界的な伝染病の流行

ちょっとないラインアップだと思います。
スペインやギリシアの状態、エストニアの参加表明(さらなる重荷になるかも)を考えると、ユーロの分裂は11位よりもう少しリスクが高いように思います。インフレ・デフレ、金融機関の危機のうち銀行は散々紙上を賑わしました。これに引き換え保険機関の倒産はAIGのことぐらいしか思い出せないのですが、この倒産に代表されるように、銀行が倒産し再保険を扱う保険会社が倒産しないわけが無いだろうし、加えて気候変動による自然災害、テロ、 世界的な高死亡率の伝染病蔓延の危険は保険産業の大きなリスクになるという考えは説得力があると思ふ。

なんとも暗い、けど、ありえそうな予測です。

by fukimison | 2010-01-05 11:45  

<< 香港の話題、Stonecutt... 日韓トンネル >>