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ダボス会議、グリーンビルが話題に

一時はダボス会議に出席することが、そこでスピーチをすることが政財界のリーダーの証と言われ、お正月明けの新聞を賑わしたように記憶しています。今年はフランスのサルコジ大統領が開会演説をしたものの、米英独露中の首脳は欠席、日本も鳩山首相の代わりに仙石国家戦略担当相が出席と政治家の出席は地味め、一方で2009年は金融危機で自粛した財界は大手銀行の大半が代表を送り込むなど様変わりのようです。これを伝えるWSJの記事にもあるように、ハイチの地震復興が大きなトピックになったようですが、これとともに語られたのがグリーンビルディングです。1月28日のInternational Property JournalはGreen Building a Hot Topic in Davosとしてダボス会議に出席した大手不動産企業Jones Lang LaSalle社役員のブログを報じています。 不動産、ホテル、金融部門の幹部50人からなる不動産部会で議長を務めた人のブログというとなかなか重みがありますが、その中で会食後の会談は省エネに向けた古いビルの改造が主な話題だったとあります。不動産を源とする二酸化炭素排気やエネルギー管理の大きな課題は新築ビルではなく、商業施設を中心とする既存のビルであり、ビル業界にとり省エネはよいビジネスだと記されているとあります。

また2月1日付けのthe Hoffington PostはDispatch From Davos: The Green Economic Solution Is Here At Work And Homeと題して「資本が無い、技術や資材のアクセスが無い、訓練を受けた人材が不足しているなどと不足ばかり言わないで、米国には1億2000万軒の住宅、500万棟の商業ビルがあり、これらをあわせると710億平方フィートの面積となる。そしてその全てが水道水を下水に流す配管システムを備え、全米の商業ビルのエネルギー費用だけで年間1000億ドルを超える」

記事は米国のLEED評価システム、グリーンスター、英国のBREEAMや他のシステムは省エネ改築にむけた既存のビルのロードマップを提供しているし、省エネによる多数の職場の創設を行うべきだ、建物の省エネ改築を現在の金融危機や不況の梃子にすべきだというのが記事の趣旨です。

その例に挙げられているのがAdobe project
エネルギーと環境改修に210万ドルを投じるもので、それによる節約はエネルギーと水道代合わせて年間150万ドルで、91%のリターン、資本回収はわずか1,1年とあります。

by fukimison | 2010-02-02 12:34 | グリーンビル  

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