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2009年版、超高層ビル完工報告

心地よい景観とはどういうものか?
景観と都市、それを支えるインフラ、
これの上手な組み合わせは永遠の課題だろうなと感じています。

そこで本日は世界高層ビル協会(The Council on Tall Buildings and Urban Habitat :CTBUHが報じた2009年に完成した200mを超える超高層ビルリストをお知らせすることにしました。

CTBUHはTallest Buildings Completed in 2009 というタイトルで2009年に完成した超高層ビルをリスト化してサイトに上げています。

これによるとシカゴに建設されたTrump International Hotel & Towerが98階建て、高さ423mで2009年に完成したビルで最も高いと認定されたとあります。あの不動産王のトランプさん(最近ではアプレンティスの方が有名かも)が所有するTrump Organizationが事業者であり、設計はSkidmore, Owings and Merrill LLPです。このビルは2009年の1位をとっただけでなく、超高層ビル全体を見回しても第7位だそうです。

「2009年はアメリカの超高層ビル界にとり上出来な年で、2009年に完成した超高層で上位5棟のうち3棟は米国に建設された」とイリノイ工科大学に本拠を置くCTBUHだけあって、けっこうアメリカよりなコメントが続きます。その3棟とは1位のTrump International Hotel & Towerのほか2位にBank of America Tower(ニューヨーク、365m)そして5位のAqua(シカゴ、262m)です。

しかし、昨年度に建設された200m超の高層ビルの過半数はアジアであり、トップ10もChina World Trade Center(北京、74階、330m)が3位にはいり、7、8、9、10位までが中国です。しかも8位、9位は無錫(江蘇省)に建設されています。
地域別のチャートをみると全体の58%、22棟がアジア、24%、9棟が北米、そして18%、7棟中東で構成されています。

これだけを見ると超高層ビルには世界的な金融危機の影響は無い様に感じますが、実際には多くの建設プロジェクトがキャンセル、一時停止、遅延に追い込まれています。2008年と比べるとビル数で28%減ですし、2008年には11棟がUAEで建設されたのに比べ2009年は3棟に激減です。さらに2009年に完成した高層ビル50棟のうち、アフリカ、オーストラレーシア(オーストラリア、ニュージーランド、南太平洋の島)中央アメリカ、ヨーロッパ、南米に建設されてものは1棟もなかったとあります。(個人的にはこれらの地域は土地が広大であり、なにも上方に伸びる必要がないのではないか?と思いますが)

かのブルジュ・ドバイは2010年になってからのオープニングだったのでこのリストには入らないのと同様に、2009年に資金面できつくなり一時停止に追い込まれた超高層が2010年になって完成すると予想されることから、2010年は超高層イヤーになるかもです。

2009年完成の高層ビルランキング
1位 Trump International Hotel and Tower (423m:シカゴ)
2位 Bank of America Tower (365m:ニューヨーク)
3位 China World Trade Center (330m:北京)
4位 Arraya Center Offi ce Tower (300m:クウェート)
5位 Aqua (262m:シカゴ)
6位 Alfardan Residences (253m:ドーハ・カタール)
7位 Shanghai IFC South Tower (250m:上海)
8位 RunHua International Building (248m:無錫)
9位 Hongdou International Plaza (248m:無錫)
10位Xinjiekou Department Store Phase 2 (240m:南京)

by fukimison | 2010-02-03 15:42  

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