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米、再生・際投資法のその後

今の民主党政権成立に影響を与えた一昨年の米大統領選挙、そしてちょうど1年前のオバマ大統領就任、どちらも就任当初は熱狂的ともいえる支持を得ていましたが、期待が大きかった文だけ失望も大きいといったところでしょうか。そのオバマ大統領が就任直後の2009年2月に成立したのが米国再生・投資法(American Recovery and Reinvestment Act)で、これには高速鉄道網開発に特化したTransportation Investment Generating Economic Recovery(通称TIGERという)という助成金がついています。このことは2009年7月のAFPが米高速鉄道計画、補助金申請278件 米運輸長官として報じています。

そのTIGERが発表になったというのが本日の記事紹介です。

まず2月18日付けJournal of CommerceはDOT Awards Tiger Grantsとして「15億ドルのTIGER助成金で高額獲得者は鉄道プロジェクト」と伝えています。AFPが報じたときは278件だった申請が最後は1400件になり、その中から51プロジェクトが選ばれたそうです。

最高額を獲得したのはテネシーとアラバマに跨るCrescent Corridor Intermodal Freight Rail Project で1億500万ドル、次がイリノイ州シカゴのCREATE projectsで1億ドル、オハイオ、ペンシルバニア、ウェストバージニア、メリーランドのNational Gateway Freight Rail Corridorの9800万ドルとなっています。

2月17日付けのENR誌もDOT Picks Winners Of $1.5 Bil in 'TIGER' Grantsとして報じており、こちらはTIGER獲得のトップ10リストがあります。

これをみるとマルチモーダルやバスレーンプロジェクトがあがっており、ラストのオクラホマのプロジェクトで4950万ドルです。

他の分野で刺激策の恩恵を受けたのはカリフォルニア州のOtay Mesa港が2000万ドル、ミシシッピー州のGulfport港の鉄道改良プロジェクトが同じく2000万ドルやハワイ州ホノルル港コンテナターミナル再建に2450万ドルなどがあります。
最も小額なのはバーモント州バーリントンのウォーターフロントプロジェクトの320万だそうです。

個人的に面白いと思うのはコンテナ・オン・バージ輸送(container-on-barge:COB)にお金がついたことです。貨物船で到着したコンテナはバージ(艀)が受け取り鉄道貨物ヤードやトラックヤードで積み替えられるのですが、これは艀が水路を利用しそのまま運ぶというもの。(詳しくはSea PointのCOB項をどうぞ)
そしてカリフォルニア州のオークランド港と内陸のサクラメントやストックトン間のCOB運営に向けたプロジェクトに3000万ドルがついています。

少人数で大量の貨物が運べCO2の排出量が少ないということで水路、運河が見直されています。
東京も江戸時代の掘割を残しておけば随分違ったのにと思いますが、モータリゼーション時代にそんなことを言っても誰も歯牙にもかけなかったことでしょう。

by fukimison | 2010-02-19 10:57 | 法律  

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