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IBMとサウジ、水ビジネスで協働

いろいろなニュースがあるのですが、上手に時間が作れず後手後手に成ってしまっています。
このIBMとサウジのニュースもプレスリリースは4月8日に流れており「中古品」の感が強いのですが、建設とか工事といった言葉が一切出てこずに都市計画を論じるIBMのSmater Plant構想を考えると外せないトピックなので、遅ればせながら紹介です。

4月8日IBMはIBM, KACST Unveil Research Initiative to Desalinate Seawater Using Solar Powerとして「IBMとKACST(サウジアラビア王国キングアブドゥルアジズ科学技術都市)は太陽光発電を動力源とする脱塩淡水化プラント建設を目的とする共同研究を行なうとしたプレスリリースを発表しました。

脱塩プラントはエネルギー使用量が莫大であり、そのためなかなかコスト的に合わないというのが従来の捉え方でしたが、太陽光発電を利用することで水やエネルギー費用が大幅に削減できるというのがミソです。

新しい省エネ型脱塩プラントはAl Khafji市に建設され、1日あたり3万立方メートルの生産能力により10万人に給水することが期待されています。プラントはIBMとKACSTが協働で開発した超高効率集光型太陽光発電(UHCPV)技術により稼動する計画であり、このUHCPV技術は太陽1500超の集光力を持つものであり、プラント内ではIBMとKACSTが共同で開発した別の技術に負うところが多い。それは水中に溶け込んでいる有毒な物質とともに脱塩を行う一方、他の浄化方式よりもエネルギー消費量が少ないナノ薄膜(nanomembrane)だ。

KACSTの科学者によれば、従来の脱塩システムで浄化された水のコストは1立方メートルあたり2.5から5.5リアルだとあり、この2つの新技術併用により劇的にコストは下がるとしています。がいくらになりそうという予想値がでてないのが、残念。

サウジは世界における脱塩技術による浄水の一大生産国だそうですし、IBMのSmater Planet Blogを見ると、研究所副所長のTurki Al Saud博士は「サウジ王国に企業の一群を作り出し、世界中に技術や市場を輸出したい」と述べているとあります。

このあたりもポスト石油の中東戦略でしょうか?

by fukimison | 2010-04-13 15:56 | プロジェクト  

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