チェルシー再開発を巡る裁判でチャールズ皇太子の手紙公開
2010年 06月 25日
その裁判の中で、再開発中断の発端となったチャールズ皇太子がカタールの王族に出した手紙が証拠として公述されたというニュースが英国メディアを賑わしています。
インディペンデント紙はSorry for interfering, but this building is too brutal, Prince wrote to Qatari sheikhとしてチャールズ皇太子はカタールの王族に宛てた手紙が公開されたことで、更なる窮地に追い込まれたと報じています。補償を求めている事業者側弁護士の主張は、チャールズ皇太子が近代的なロジャース案はこの地域にふさわしくないとしてカタールの王族に再考を求めたのが原因でQatar Diar(カタールの王族が所有する投資会社)が、土壇場で許可申請を取り下げた。カタールと英国という王室関係の配慮という自分の都合で取りやめたのだから手数料の8100万ポンドを支払うべきだという理屈です。
一方投資会社側は皇太子のロビー(手紙)ではなく、商業的な懸念から再考することにしたと主張しています。
インディペンデンス紙の記事は皇太子がアンダーラインを引いて強調した部分があること、アラビア文字で署名もしていることなどを伝えています。
大衆紙のデイリーメイル紙のRevealed: Prince Charles' 'passionate' letter to Qatari PM pleading for modern development to be scrappedになると、こんな風な手紙だったらしいという図がはいっているあたりが、とってもワイドショー的。
そうした中、個人的に最も面白かったのが6月24日付けBuilding Design誌のPrince Charles's Chelsea Barracks letter revealedです。
手紙は「心より、求める、そして美しさといった言葉に下線を曳き最大限のインパクトを与え、見るに耐えない(brutalist)建築がロンドンの多くの地域を破壊している」
こちらはクラレンス宮殿(チャールズ皇太子の居城)の紋章入りのレターペーパーに書かれたチャールズ皇太子の手紙そのものが出ています。(うーん、英国の情報公開ってすごい!)
景観問題というより、海外の情報公開や裁判制度が良くわかる報道でした。
by fukimison | 2010-06-25 11:31 | 景観