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NYC、中断されたプロジェクトの美観と利用

ワールドカップサッカーや大相撲、参議院選挙で経済の話題は影が薄くなっている今日この頃、しかし6月25日付けのCNBCはLike Others, Rich Are Also Falling Behind on Mortgagesというタイトルのもと、全体としての米国の住宅ローン延滞率が8.6%であるのに比して、100万ドル超のそれが13.3%に上昇したと報じています。失業率や欧州の不安、いろいろ考えると二番底はあるのかとした記事も真実味を帯びてきます。

そうしたなか目に付いたのが6月24日付けNBCのDesign Firm Uses Icebergs to Hide Stalled Constructionという記事です。

ミッドタウンにある建築事務所、Woods Bagotが企画したもので、記事には「ニューヨーク市内の至るところにある経済不況のため工事途中で中断された何百ものプロジェクトに非常に軽いポリマーとスチールでできた構造で覆い、氷山のように見せかけるというアイディアが提案された」とあります。材料は再利用が可能、費用は無いも同然、見た目にも綺麗だし、マーケットが上向き、工事が再開されるまでの間、仮設の店舗、イベント会場として利用することで事業者も若干の収益が得られると3方1両得みたいなものだと伝えています。

ニューヨーク市内にはhundreds ofといわれるほど、中断された現場があるのかぁと思い、別の記事を探してみました。

6月23日付けKHLにIcebergs proposed for NYC's half-completed construction projectsという記事がありました。こちらの方が若干詳しく、事務所の言として「このコンセプトは近隣を活気ずかせ、潜在的投資家に対し魅力あるものとすると同時に、コミュニティースペースや、広告、レンタルによる収入をもたらす」を紹介しています。さらに「氷山」はいろいろな大きさの構造を作り出すためまとめられ柔軟でモジュール式に出来ており、スチールフレームの構造物はEFTE(Ethylene tetrafluoroethylene:エチレン・テトラフルオロエチレン)と呼ばれるプラスチック繊維で覆われている、とあります。

このEFTEは2008年北京オリンピクの水泳競技場、ザッハ・ハディドが設計したwater cubeに利用されていた素材だそうです。

建設費用は約200万ドルと見積もられ、レンタル収入は年間約100万から200万ドル得られるだろうとしていますし、壁に広告も可能。撤去に要する時間は約1週間だそうです。

ちょっと面白いかも?でもNYCではこんな提案がでるほど中断された工事現場があるのでしょうか?

by fukimison | 2010-06-30 12:31 | 景観  

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