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米、高速鉄道プロジェクト予算

日本はインフラ輸出を成長戦略の軸にすると宣言した日本、その一環としてベトナムの原子力発電所建設受注という記事が紙面を飾っています。ベトナムの原発のほか主なインフラ輸出として、米国やブラジルの高速鉄道建設受注が上げられています。ブラジルは同然のことながら、オリンピックやワールドカップサッカーの観戦のための移動手段で、これに関して南米のインフラプロジェクトと題して2010年の7月にお伝えしました。

本日は米国、それもカリフォルニアの高速鉄道の話題を主体にお伝えします。

まず、10月25日付けTransport Politics誌はWith More Federal Funding, Florida in Striking Distance of New High-Speed Lineと題して、2010年予算で高速鉄道に割り当てられる250億ドルの内訳を報じています。この記事によると、フロリダ州が計画しているタンパ-オーランド間(84マイル・総工費30億ドル)に8億ドルが割り当てられる他、マーセドとベーカーズフィールド間の新建設を計画しているカリフォルニア州に9億200万ドル、アイオワとイリノイはシカゴとアイオワシティ間の連絡鉄道に2億3000万ドル、ミシガンはデアボーン-カラマズー線に1億5000万ドル、コネチカットはニューへブン-ハートフォード-スプリングフィールド線に1億2100万ドルといった数字が並んでいます。しかし時速150マイル以上を出す、本当の意味での高速鉄道プロジェクトはカリフォルニアとフロリダのだけだとも。

そこで10月28日付けCalifornia High-Speed Rail Authorityのサイトを見るとCALIFORNIA HIGH-SPEED RAIL AWARDED $715 MILLION としてプレスリリースが出ています。(9億200万ドルが7億1500万ドルですか?)

リリース文は「カリフォルニア高速鉄道公社は連邦政府より7億1500万ドルを供与され、これにより建設に必要な43億ドルが確保されたことで、2012年から高速鉄道の基幹システム建設を開始する」で始まっています。「高速鉄道はカリフォルニア州にとり、雇用と発展の機会をもたらし、より移動しやすく、効率的州となることを意味する」と続くあたり、インフラ投資=善という、ニューディール期のようなリリース文になっています。

800マイルの高速鉄道システムの第1期はサンフランシスコのベイエリアとロサンゼルスの中心街を結ぶもので、出来るだけ早期の運行を目指し、複数区間で建設を行う計画だ。今回の7億1500万ドルはマーセド-フレズノまたはフレズノ-ベーカーズフィールド区間に利用されるだろう。

サンフランシスコ-サンノゼ、マーセド-フレズノ、フレズノーベーカーズフィールドおよび、ロサンゼルス-アナハイムの4区で高速鉄道建設の開始が検討されており、高速道路公社は現在全区間で環境分析を行っているとあります。

2012年に工事を開始し、全線の完工は2020年が予定されているそうです。

フランス、ドイツに加え、中国も入札に意欲を見せているという報道もあり、はたして来年早々の入札で、日本の新幹線技術は採用されるのでしょうか?

by fukimison | 2010-11-01 16:57  

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