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スイス、インフラ維持管理費報告

インターネットは巨大なデータベース、
記事を引いてくることで、いろいろな見方が世の中にあることをつくづく感じます。

ちょっとブラウズするだけで、英国ではDesign Councilと合併するCABEで生き残れる職員は20名というAJの記事(125名から約20名への人員減、残りの90名は失業率アップへ繫がるのでしょうか?)、米国を見ると競売で家を失いかけている人々を支援するHope Nowのまとめによれば、競売に付された住宅軒数は2007年の514,000から2010年は1,070,000へと激増していることが分ります。

そして本日は珍しくスイスの話題です。スイスのインフラというと世界一のゴッダルトトンネルを思い浮かべますが、Swiss Infoが2月1日に報じたHigh costs of infrastructure revealedを、これから維持管理困難時代を迎える日本の参考とすべく選んでみました。

記事は「総合調査によれば今後の20年、スイスの建物およびインフラは年間650億スイスフラン(690億ドル)の投資を必要とするだろう」という刺激的な言葉で始まります。
そして「スイス科学財団(Swiss National Science Foundation)の調査は、現在維持管理のみに
年間およそ300億スイスフランが投じられていることを明らかにした。維持管理費の3分の2は交通および通信を含む技術インフラに、残りは居住用ビルに充当されている。研究者は計画通り建設が進んだ場合、道路および鉄道の資金不足の危機に直面するだろうと警告を発している。」と続きます。

スイス政府は交通インフラの資金確保を目的として高速道路料金やガソリン税の値上げを発表し、 さらに鉄道網の維持管理や改善の資金とするため、公共鉄道の段階的な値上げを提案しているとあります。

スイスが誇る正確なものは時計と鉄道、
そこでスイスの鉄道データを少し

2009年、Swiss Federal Railwayは3億2750万人を輸送し、5000万トンの貨物を輸送
旅客の88.2%は予定通りの時間、または3分以内の遅れで目的地に到着。
世界の経済危機による不況にも係らず 、2009年スイス国鉄の業績は3億6980万スイスフラン(3億8860万ドル)であり、これは前年(3億4500万スイスフラン)よりも拡大している。

といいながら、通勤列車の混雑具合は大変なもので、ピーク時の運賃値上げというドラスチックな方法を検討中という記事もあります。

オフピークへの誘導ということでしょうけど、オフピーク時を安くするのが普通だと思いますが、ピーク時を高くかぁ。結果増益を狙うというすごい思い付きですね。

思いつく力に脱帽です。

by fukimison | 2011-02-03 11:33 | 動向  

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