仏、ツール・ボルドー間の高速鉄道契約
2011年 06月 21日
でもUAEの調査では85%が原発支持を表明とあると、自分の身に置き換えることの難しさを感じます。
しかし原発の話題もちょっとねなので、本日はインフラといえば交通、なかでも高速鉄道の話題です。
6月17日づけConstruction indexはVinci inks deal for 7.8bn Euro French Railwayとしてこのニュースを伝えています。
「Vinci社が率いるコンソーシアムLISEAはフランス史上最大の鉄道コンセッション契約となる78億ユーロ(68億ポンド)のツール・ボルドー間高速鉄道建設契約をフランスの鉄道インフラマネージャーであるRéseau Ferré de France と交わした」とあります。
記事によると50年のコンセッション契約で、プロジェクトは従来の鉄道網との接続線38kmを含む302kmで、19の高架橋、7つの開削トンネルを含め約400の土木施設工事で構成される。これにより最大4500の雇用が現場で生まれるのだそうです。
このニュースは6月16日にロイターも流しており、High-Speed Rail between Tours and Bordeaux Réseau Ferré de France and VINCI Sign World`s Biggest Rail Concession Contractで目新しいことは「78億ユーロのうち建設工事部分が62億ユーロ」というあたりでしょうか。
ロイター伝はプレスリリースだけあって、LISEAの構成比がでています。それによるとVinciが33.4%、Caisse des Dépôtsの完全子会社であるCDCInfrastructureが25.4%、機関投資家のSOJAS22%、AXA Private Equityが管理および顧問を務める投資基金が19.2%だそうです。
78億ユーロというのはフランスの鉄道セクターで調印された最大額のPPP契約であり、この10年間で行われた巨大インフラプロジェクトとしても世界最大のものの1つだとあります。
この高速鉄道プロジェクトは設計・建設に6年をかけ、パリ・ボルドー間を2時間5分で結ぶものと期待されています。
主要な項目は下記の通り
1、340km、17の接続線
2、19の高架橋、7の開削トンネルからなる約400の土木インフラ
3、総計1300の新規雇用とピーク時に4500人の現場雇用
4、建設工事終了後、商業サービス部門(運営・維持管理)に150の永久職場
5、インフラ作業のうち作業時間の10%が社会的統合プログラムの一環として実施される
6、自然資産への影響を配慮し、2000ヘクタールを補償措置として実施
工事内容は兎も角、雇用人数を示すことで地域経済への貢献を打ち出していますし、社会統合プログラムの実施は数年前のマグレブからの移民暴動を思い起こさせます。
インフラ建設は必要とされる,経済的に成立することは当然ですが、その工事による地元経済や固有の文化を含めた地域社会影響の勘案も要求される時代になったんですね。
by fukimison | 2011-06-21 11:58