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フィリッピン最大のバイオ燃料プラント

高齢化・人口減社会を目前にして、以前から建設を取り巻く環境はいままでのように単に建てるから、環境配慮・維持管理、PFI、リバースオークションなどなどへと変わっていました。

メッシーナ海峡大橋みたいな巨大プロジェクトが消える中、原発建設はまだまだいけそうなプロジェクトでした。

ところが、今回の福島のケースで、いままで全く関心が無かった大勢の人が、これに係る補償費用どころか、使用済み核燃料の処理費用・電源3法による地元補助金を含めたらペイしないのが明らかになってしまった原発コスト、しかし安定的に大量の発電が行えるとしていまだに経済界は原発側に立っている不思議さ。建設業界もいままでは電力会社はお客様でしたが、今後は、少なくとも東電は外れる、
ということで、原発以来、つい自然エネルギー系記事に目が行く今日この頃。

Philippine NewsのJapan’s Itochu invests $120M in Isabela ethanol plant記事を中心にお伝えします。

以下要点を拾ってみました。
「日本の伊藤忠はイサベラ州サン・マリアーノのエタノールプラントに1億2000万ドルを投じている。同プラントは2012年の稼動時にはフィリピン最大のプラントとなる。プロジェクトは日本の伊藤忠、日揮、フィリピンのBioethanol and Energy Investments 社、および台湾のホールディング企業GCOで構成される合弁企業のGreen Future Innovations社が実施している」

「計画の下、同JVはサン・マリーノで11,000ヘクタール超のサトウキビ栽培も行う計画で、農場で15,0000人、プラントで500人の雇用が生まれると見積もっている」

「サン・マリーノ・エタノールプラントの生産プラントは年間5400万リットルでフィリピン最大」
「エタノール生産に加え、サトウキビの絞りかす、bagasseから19mWの発電を行い、うち13mWを送電網に売却する計画」

なんでもフィリピンのバイオ燃料法は他のアジア諸国のそれの実施に比べ最も進んでおり、そのあたりが伊藤忠と日揮の投資誘因になったとあります。

しかしInquirer netはIsabela farmers protest bioethanol projectとして農民の動きを伝えています。

これによると「約400人の農民と活動家は州政府が支援するバイオエタノールプラント建設に反対し、抗議活動を行った」とあり、さらに反対派は「同プロジェクトはサトウキビ栽培における15年の契約により、土地を所有する農民を小作人にしてしまう。多くの農民は土地が永久に返されないのではと不安を抱いている。さらに年間の賃貸料は1ヘクタールあたり5,000ペソと小額であり、またリース契約の条項により農民は不動産税を支払う必要がある出資者にしてしまうし、少なくとも846ヘクタールの農民が自分の土地から移住を余儀なくされるだろう」と語ったとあります。

脱法的植民地の登場でしょうか?
大きなプロジェクトになればなるほど利害関係者が増え、全員がハッピーになるのは無理でも、1方3両得ではなく、3方1両得ぐらいで収まる道を探さないと先が生まれないでしょうね。しかしこういう意見は現場を知らない、机上の空論、理想論と言われるんでしょうねぇ。

参考までに。外務省:責任ある農業投資に関するラウンドテーブル(概要)

by fukimison | 2011-07-29 11:24  

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