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2011年、再保険業界受難の年

法律や入札、技術情報のようにインフラとは直接関係はないのですが、建設時そして維持管理に避けて通れないのが保険、と言う意味で選んでみました。

7月13日付けTimesofmalta.comが報じたJapan quake makes 2011 costliest year – Munich Reによれば「7月12日、再保険会社のミュンヘン・リ社は3月の日本の地震は2011年を自然災害における最もコストのかかった年にしたと発表した」とあります。

日本の地震・津波・原発災害だけでなくても、この6ヶ月間、NZのクライストチャーチで大地震がありましたし、USの竜巻、ミシシッピ川の氾濫と災害ニュースのない月が思い出せないほどです。

記事は「自然災害による世界的な損失は上半期だけで2650億ドルで、いままで最も損失額の高かった2005年の2200億ドルを簡単に抜き去った。2001年上半期の経済的損失は過去10年間の平均の5倍以上であり、2010年の損失額1300億ドルの2倍だ。全被害が保険会社でカバーされるわけではないが、上半期の損失補償額はおよそ600億ドルで、2001年からの年平均の5倍近い」と続きます。

「2011年の上半期で日本の震災に続き損害額の大きかった物は181人の死者を出した2月に発生したNZ・クライストチャーチの地震で200億ドル、4月の米中西部の竜巻と嵐で死者520名、損害額は145億ドル(補償損害額100億ドル)、12月1月にかけてオーストラリア・クイーンズランドで発生した洪水、死者35名、損害額73億ドル(補償損害額25億ドル)」だそうです。

7月12日付けToday紙の2011 already costliest year for natural disastersは「甚大な損害は保険企業によるより高額の支払いを意味し、それはボトムラインの引き上げにつながる」と報じています。

素人が考えても、保険料の値上がりは避けられないでしょう。

Munich Reのリリース、70ページにも及ぶレポートです。
2011 HALF-YEAR NATURAL CATASTROPHE REVIEW

上記レポートの図表を見るとたった6ヶ月ですが、2011年は米にとっても自然災害被害の大きい年であり、比較的被害が薄いのは欧州のように見えます。

by fukimison | 2011-08-01 17:39  

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