仏EDF、英国での原発建設に中国資本との提携を模索
2012年 09月 04日
9月3日付けFT紙に掲載されたEDF looks for Chinese nuclear partnersは「原発コスト増について懸念の高まる中、フランスの公益企業EDF社は英国での新規原発建設において中国企業との提携を模索している。しかし案件が中国による英国インフラへの大型投資であり、ことに政治的に微妙な原発産業に関するものであるだけに物議を醸し出すことになろう」というリードで始まっています。
「EDF関係者によれば、同社は英国における原子炉4基建設プロジェクトの経済的負担を分担することについて国政中国企業と交渉を重ねてきたという」
記事にもありますが、福一以来、原発の建設コストがさらに増加したと言いますし、以前にもおつたえしましたが、ドイツのRWE社とEon社は英国の新規原発建設事業から撤退を表明しています。つまりそれだけ原発建設のリスクと利益のバランスが悪くなったと言うことでしょう。
さらに記事は「EDF社はフラッグシップともいえるフランスで建設中のFlamnville原発の遅れと予算超過にも悩まされている。7月同社は純負債が12月末の330億ユーロから397億ユーロに上昇したと発表した」と伝えています。
英国紙GuardianもChina could take key role in UK nuclear infrastructure through Hinkley Pointとしてこのニュースを伝えています。
こちらのほうははっきりと「Hinkley Pointでの原発建設で建設費上昇分のうち100億ポンド相当の負担についてEDFと中国が交渉を重ねている。EDF Energyは英国の既存の原発10箇所のうち8ヶ所を所有・運営しており、HinkleyとSizewellの二箇所に4基の原子炉を建設し、拡大する計画を立てている」
大体において、主要インフラに他国の資金が入ることを嫌う傾向はありますし、現に工期の遅れ、予算超過が起きているわけで、そういう時の多国間協議の大変さは最近のユーロ事情をみると良く解るし、万一、福一ほどでなくても事故が起きた場合、誰がどのように責任を取るのか、想像するだけで嫌に成る、
金融的にはハイリスク・ハイリターンなんでしょうけど、原発の場合使用済み核燃料の処理もあるし、ハイリスク・ローリターンになりつつあるように感じます。
by fukimison | 2012-09-04 15:11 | 動向