グリーンビル台頭
2008年 04月 01日
助成金がつき始めたことで屋上緑化だとか壁面緑化だとか言われ始めてきた。
けれどもガソリン税でよく分るように、助成金はいつまでもつくわけじゃなし、助成金がなくてもマーケット的に成立する価格+利点構造にならないと本当の普及は無理でしょう。
そうじゃなければ欧州つまりEUですが、みたいに「建築物のエネルギー性能にかかわる欧州指令」(Directive on the Energy Performance of Buildings)的なものを導入しなければ無理でしょう。
この指令はエネルギー消費量の約40%が、建設部門によると観られていることに端を発したもので、段階的に、商業建築物および改築中の建築物は全てそのエネルギー効率を評価するため、エネルギー性能証明の取得を行うようにするもの。
そのためかイギリスやドイツではグリーンビルの建設が盛んです。
それも屋上・壁面緑化とかいった程度ではなく、天候センサーでブラインドや窓の開閉を捜査する、人工照明の利用を最小化できるようなビル形状にする、夏季の余剰熱を地中貯蔵して冬季に利用するといった具合。
米政府はこのあたり鈍いのだけど、個々としては始まっていて、WTC跡地に建設されるフリーダムタワーは、太陽光・風力発電でタワーの必要電力の20%を賄う計画
無事に完成すれば、最もすごいのが中国のエコシティー計画
これは上海近郊の揚子江デルタに建設されるもので、マンハッタンぐらいの規模の島ひとつをエコシティーにしようというもの。英国のArup社が設計を担当
当然、いわゆる自動車は走行禁止、建設に伴う埋め立ては最小限にし、再利用や廃棄物管理を行う
面白いことに今年3月カンヌで開催された第18回MIPIM(国際不動産見本市+カンファレンス)で、はじめてグリービル賞が設立され、オランダのプロジェクトが受賞
いままではオフィスセンター部門、住宅開発部門、ホテル&リゾート部門、商業施設改修部門とコテコテのイケイケ系部門しかなかったのに、グリーンビル部門です。
それだけグリーンビルがメインストリームに出てきたということだと実感
この受賞プロジェクトは川岸にある50-60年ぐらい前のコンクリート基礎を再利用し、オフィスビルにしたもの。川岸ということで、川の水を利用した冷暖房と将来どんな要求がでても対応できるように、可変的構成になっているのが、グリーンだということで受賞。
ただ、この基礎部分、野鳥の営巣地としても役立っているということなんですが、写真で見る限り鉄骨むき出しで、野鳥の糞による腐食は大丈夫なのだろうか、そのあたりの手当てを含めての受賞なんだろうなと想像。
by fukimison | 2008-04-01 11:02 | グリーンビル