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ブータンのトンネルプロジェクト

ブータン地質鉱山局とノルウェーの地質工学研究所は6年の共同調査の結果、都市部と空港などの主要インフラ施設を連絡するトンネルルートを10本確定したとの報道がありました。

この記事を読んでいて感じたのは山岳国の悲哀ですね。地理的に閉ざされやすいというのは、簡単に理解できるのですが、(同記事も2000年にブータンとインドの連絡道路で大規模土砂崩れが起き、食糧・燃料不足の大騒動が発生したことに言及)水力発電施設を大変な思いをして建設しても、送電網も整備しなければならない。

特にブータンの場合、自国自給率を上げるより、国外に売電して外貨を獲得する必要がある。これはポーランドでワレサ書記長が連帯を掲げたころ、ポーランドの食糧難が報道されているにもかかわらず、クラコフ産のジャムが安価に米国で売られていたことを思い出します。

それはともかくとして、面白いといっては失礼なのですが、ブータンとノルウェーの共同調査、そしてインドの請負業者とJVを組んでいる欧州のトンネルコンサルタント社がデザイン・ビルドのPFIで行うとみられていることです。

ODAつながりで日本、でなければ、なんとなく中国か、韓国と思ったのですが、インドが出てくるんですね。水力発電の売電先がインドだからというのもあるでしょうが。。。

Tunnel Boring Machines(TBM)の輸送が困難なことに加え、この地域の土質が不均一なため、TBMは利用できない(以前インド側のヒマラヤでTBMを利用しトンネル掘削中にTBMがつっかえ、にっちもさっちも行かなくなったことがある)ため、D&B工法で行われるそうですが、土壌や気象的な条件を考えると大変だなぁ。

建設資金は年間3万MWの売電費用で賄われるというから、実現性はありますね。
でも、計4本、総延長24kmのトンネルかぁ。

それよりも、地球温暖化の影響をうけ、Glacial Lake Outburst Flood(GLOF:氷河湖決壊による大洪水)の危険にさらされているブータンで、トンネル工事よりも氷河湖の改修の方が緊急性が高いように思えるのですが。

それよりも、利便なんでしょうねぇ。

by fukimison | 2008-04-08 14:36  

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