デンマークの沖合い風力発電入札
2008年 06月 02日
それで風力発電装置といえばデンマーク、
以前デンマークの首都、コペンハーゲンの沖合いに建設された風力発電ファームの翻訳仕事をした際、この事業は市民債(確か年利5%)を起債して賄ったというのがあったのを思い出しました。それでちょっと調べてみたところ、千葉大の方で「Wind force 12」の訳をしていらっしゃるのを発見。
ちょっと数字が古いですが、これによればデンマークにおいて風力関連産業は26億ドルに成長したとありました。三菱重工ががんばってはいますが、風力発電といえば、デンマークのベスタス社です。その他、世界中で導入されている風力発電設備の半分はデンマーク製だそうで、その成長率はインターネットや携帯電話産業に次ぐとあると、そうだろうなぁと感じます。
それでデンマークエネルギー庁のサイトをのぞいてみたら、4月28日のプレスリリースにRodsand(バルト海の沖合いにある風力発電ファーム)発電所第2期建設をスウェーデン最大の公益事業者であるE.ON Sverige ABが落札したとありました。これにより同社は200,000キロワットの風力発電所を建設するわけですが、5万最大負荷時にたいし1キロワット時あたり62.9オーレ(1クローネの100分の1、1クローネは約22円)という最低譲渡価格を提示したことが勝因のようです。
このRodsandの沖合い風力発電施設は約20万世帯に電力を供給するもので、デンマークの電力需要の約2%に相当するそうです。
この風力発電施設はRodsand第1期施設西方3kmの地点に、約35平方kmの海面を覆うように建設されます。2011年9月末日に送電網と接続される予定です。
これとは別に北海のHorns Revでも沖合い風力発電ファーム(200,000キロワット)が2009年の完成を目指して建設されています。これの建設はDONG Energy社(デンマークの電力会社)が行っています。
このプレスリリースの中で、デンマークの気候およびエネルギー省大臣(こういう省庁があるのが驚きでした)が、デンマークにとり電力供給において風力発電の割合を高めること、また長期的に見て化石燃料への依存度を削減すると同時に、京都議定書によるわが国の義務を果たし、EUの再生可能エネルギー要求を達成することが重要であると明言しています。
デンマークの再生可能エネルギー状況を調べてみたところ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は発表したレポートにぶつかりました。
先見的デンマークエネルギー計画2025は、エネルギー分野においてデンマークが2025年までに達成しようとするものですが、目を引いたのは水素自動車の完全非課税化、エネルギー関連の研究開発助成金を2010年以降、8300万ドルから倍増し、1億6600万ドルにするといったところです。
このレポートの中に1980年と比較してデンマークの総エネルギー消費量は変わらないが、GDPは70%増加したというのがあり、ちょっと感動しました。
by fukimison | 2008-06-02 17:04