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英、生活防衛はCO2削減を呼ぶ?

昨日に引き続き環境系のお話です。といっても風力発電や太陽光発電施設建設のお話ではなく、英国でBritish Gas (BG)とシンクタンクのInstitute for Public Policy Research (IPPR)が共同で実施した調査結果の発表が7月23日付けのガーディアン紙にあったので、そのあたりを中心にお知らせします。

この調査は英国8都市の64世帯が参加して実施されたもので、いろいろな削減方法を利用することで、最大30%エネルギーの使用量を減らせたというもの。現在英国の平均光熱費は年間約1,000ポンドに増加し、消費者はさらなる増加に直面しています。ある報告書は、今後2年間に60%超の上昇が起き得るとしています。こうした中、最大30%の削減を見たやり方を皆がマネると、英国全体で46億ポンドもの石油節約が行え、世帯によってはガスの消費を50%削減できるだろうというのがBGとIPPRの報告書です。

肝心の削減方法ですが、省エネタイプのボイラーを設置する、太陽光発電を利用するといったものが挙げられています。随分前から、昨日ご紹介したサウスダコタの風力発電で見られるように、電力の地産地消が必用になるだろうといわれていました。たぶん、それぞれ一長一短の風力・太陽光・地熱、場所によっては潮力を上手く組み合わせる(所謂ベストミックスです)が、注目されることになるだろうなぁ。

そんなことを考えながらザッピングしていたら、やはりガーディアンでで太陽光発電の記事を見付けました。

バルセロナで開催されたEuroscience Open Forumで、ECのInstitute for Energyの所員の方が、全ヨーロッパが必用なエネルギーはサハラと中東の砂漠に降り注ぐ太陽光の0.3%のエネルギーを利用するだけで賄える。さらにこれらの地域の太陽光は激しいため、アフリカ北部に設置された太陽用パネルは、欧州北部に設置されたそれに比べ、3倍の発電が行えるとした発表を行ったそうです。

北アフリカの巨大太陽光発電施設とそれを欧州へ直流で送電する高電圧網の建設計画は、450億ユーロの巨費がかかり、個人的には直流送電網は電力の減衰が少なく、長距離送電において経済的だといわれても、アフリカ北部と欧州?という感じがついていけません。

7月初頭、フランスのサルコジ大統領がかれが新規に作り上げた地中海ユニオンの主要な部分として北アフリカの太陽光発電ファームを強調したことから、この地中海地域や北アフリカに太陽光発電ファームを開発しようとい構想は、脚光を浴びることになりました。つまりサルコジ大統領の政治的思惑が透けて見える構想といえましょう。

太陽光発電は良いとして、英、ウェールズよりちょっと狭いぐらいの面積を太陽光パネルで覆う、電磁波の問題がある高電圧流網を北アフリカから欧州へ張り巡らす、人体にも環境にも景観にも経済的にも良いものはない、それは分っていますが、エネルギーのベストミックスと同様に、これら因子のベストミックスも考えられて良いのではと、素人の老婆心です。

by fukimison | 2008-07-24 11:44  

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