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暖房か、それとも食べ物か

このブログを始めた理由の1つに大深度地下工事や橋梁建設を見るのが好きというのがあります。そして世界でどんな大規模建築が行われいるのか、そして建築を取り巻くいろいろな環境はどういったものなのかを知りたいというのもありました。

今日の記事は直接インフラに係らないのですが、今後の景気を占うものの1つとしてお伝えします。

これは8月22日付けのテレグラフ紙にあったFamilies face further rises in gas billsという記事です。

記事の出だしを要約すると「大手エネルギー供給企業2社が値上げを発表したことから、英国の1400万超の世帯で光熱費が最大年間260ポンド(約52,773円)の値上がり、大部分の世帯で光熱費の年間額は約1300ポンド(263,869円)に達するだろうというものです。

一方で7月31日付けの報道にシェルは80億ポンドの利益を上げたとか、ブリティッシュ・ガスの親会社は6ヶ月で9億9200万の利益を得たとあります。

それはともかく、この値上げ報道は7月にEDFが平均20%の値上げを、その翌週、1000万人の顧客を持つブリティッシュ・ガスが25%の値上げを計画していると発表し、さらにスコティッシュ&サザーン・エナジー社が電気料金を19.2%、ガスを29.2%値上げする一方、E.ON社が電気16%、ガス20%の値上げを行うとしたことに端を発します。

この記事を読んでいて日本と違うなぁと感じたのに、インフラ供給会社が英国企業に限られていないというのがあります。EDFはフランス電力公社ですし、E.ONはドイツの企業です。海外の機関投資家であるTCIがJ-Power株の追加取得をしようとした際の騒ぎと凄い違いです。

それはともかく、自分の身に引き換えて考えても光熱費が年間で5万円ちょっとあがるのは痛いです。この冬は人々は暖房をとるか、食べ物をとるかの選択を迫られるというのも、わかります。

この記事の中で目を引いたのは政府に対するコメントで、既存・新築にかかわらず、省エネ対策の充実した建築物の促進、化石燃料に依存するエネルギー市場の転換です。

地球温暖化の問題とは別に、今回の原油価格高騰は1つの資源に頼ることの危うさをはっきりと人々に報せたように感じます。よく資産は不動産、株、投資信託などに分散し、さらのその中でもいろいろな商品に分散することで、危険も分散できると言われています。エネルギーもこれと同じで、化石燃料だけに頼るのでなく、風力・水力・太陽光・バイオマス・潮力・波力・温度差・メタンハイドレート(これは相当時間がかかりそう)などをベストミックスする必要があると感じさせた。少なくともワタクシは、太陽光と小型風力発電を設置した不動産物件があれば見てみたいものだと。今後のマンション不況時代のウリの1つになるのではと思っています。

by fukimison | 2008-08-25 11:56 | つれづれ  

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