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ポルトガル、商用波力発電

昨日に続き環境系のニュースです。
でも昨日とちょっと違うのは、明るさのあるニュース。

9月24日付けのBBCにPortugal embraces wave power という記事がありまして、長いことフィージビリティー調査をしていたのがやっと日の目を見たんだとちょっと感慨無量です。

簡単に紹介すると、ポルトガル北部の港湾都市のポルトの北にあるAgucadouraの海岸沖合い5kmで、世界初の波力発電が始まりました。

ペラミス(海蛇の古語)と名付けられた発電機は直径3.5m、長さが142mほどあり、イメージとしては電車の車両を3つほど繋げたようなものです。この連結部分が波に揺られてピストンの役目を果たすことで発電します。私が言葉で説明するよりもこのYou tubeを見たほうが速いし、ガーディアンのサイトにもなかなか楽しい画像があります。

現在は1基ですがあと2基設置されるフェーズ1で、1500世帯の電力を賄うに充分な2.25メガワットが発電される計画です。将来的にはさに25基のペラミスが設置され、21メガワットの発電力を持つ波力発電ファームになる予定です。これにより化石燃料を利用する火力発電に比べ、年間6万トンのCO2が削減できるでしょう。

当然というかこのペラミスを開発したのは英国の企業(今までに英政府は相当の補助金を出しています)で、来年(2009年)にOrkeneyの沿岸に4基、再来年にコンウォールの北部で7基を設置する計画です。またノルウェー、スペイン、フランス、南アや北米もこの技術に注目しています。

ポルトガルの波力発電第1期プロジェクトの費用は900万ユーロ、その一部はポルトガル政府の1kwhあたり25セントのfeed-in tariff (固定価格買取制度)で補助されています。

ポルトガルは他の再生可能技術にも多額の投資を行っており、すでにポルトガル東部に2500枚の太陽光発電パネルを設置した世界最大の太陽光発電ファーム建設に2億5000万ポンドを費やしています。これにより3万世帯が必要とする電力に見合う45MWが供給される計画です。

Pinhoポルトガル経済産業大臣は再生可能エネルギー産業育成に関し、デンマークや日本のライバル国にポルトガルを育てるとしており、2020年までに全電力の31%をクリーンエネルギー源による発電によるものなると予想しています。(あの英国で15%が目標ですから、どんなに遠大な目標か良く分ります)

日本はどうなのかと思い検索したところ、東京都の施策「東京都再生可能エネルギー戦略」がありました。これによると再生可能エネルギー源による電力の目標値は2010年までに1.35%(13%じゃありません)東京都は2020年までに都内のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を20%に高めることを目標としているとあります。

現在、2.7%程度なのに本当にできるのでしょうか?
掛け声だけじゃなく、フィードインタリフのようにインセンティブが働かないと進まないのは明らかです。そのへんどうなんでしょうね。

by fukimison | 2008-09-25 11:07  

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