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世界の不動産市場動向-2

12月ともなるといろいろと用事が重なり、あっという間に2日ほど空いてしまいました。
この間、COP15ではいろいろと事件が起きていますが、それがドバイショック的な出来事とならなかったのは喜ぶべきでしょう。

さて、今年(2009年)2月、IHTに記載された記事を元に世界の不動産市場動向をご紹介しましたが、本日はその第2弾としてKnight Frankが12月9日に発表したKnight Frank Global House Price Indexをお伝えします。同社は英国を本拠とする不動産仲介・管理・コンサルタント大手で、各期毎に世界の住宅価格指標を発表しており、これはその第3四半期のものです。

同社は注目すべき点として「1年前と比較して57%の都市で住宅価格は下落したままだ」「過去12ヵ月の単位でみると、イスラエルが13.7%の上昇をみた」「第四半期ベースでみるとシンガポールが15.2%の上昇を見せている」「年間を通して最大の下落を見たのは-47%のドバイであるが、第3四半期だけを取り上げた場合、1.2%の上昇をみた」をあげていますが、私としては若干の疑問が。。。。

インデックスをご覧になると直ぐわかるのですが、事実シンガポールはQ3に+15.20%ですが、年ベースでみると-14.50%であることから、Q3に「急速に回復」とした方が正しいのではといったことです。(細かいといえば、細かい)

住宅調査部主任のコメントが興味深いです。(年ベースで見ると-が多いものの)計測都市の70%でQ3に上昇を見せている(Q2では50%)とあり、全体としては回復基調にあるとしています。しかし欧州から聞こえてくるのは不況でスリ・カッパライ・空き巣が増えたという話しで、仕事で東京を動いていてもレゲエな方がを見かけますし、新聞紙上・高校生の就職率を見ても実感が薄いです。

さらに調査主任は「ドバイの-47%とイスラエルの+14.7%など、トップとボトムの二極化が進んでいるのがはっきりしてきた。」と述べています。
これは金融危機の影響をもろに受けた国と傷が比較的浅かった国との差でしょう。例えばスペイン(年:-8%、Q3:-0.9%)やアイルランド(年:-13.2%、Q3:-3.7%)です。ちょっと良くわからないのが英国で年ベースで見ると-3.1%、Q3ベースは+3.7%で、調査主任は金融危機に大きな影響を受けたものの、住宅需要に対し売却物件不足に押されてと説明していますが、今回のドバイショックを見ると結構英国のコンサル・請負業者が未払い金を抱えていますし、金融機関も繰り延べを受けたりして、この上げ基調がこれからも続くかどうか注目です。

by fukimison | 2009-12-11 11:54 | 不動産  

北海諸国による風力発電送電網構想

12月7日からデンマークの首都コペンハーゲンでCOP15が始まったことにちなみ、北海を取り囲む9カ国が沖合い風力発電による送電網構想に署名したという環境系の記事紹介です。

12月7日、The Gov Monitor(英国の公共部門のニュースに特化したサイト)はUK Joins The North Seas Countries’ Offshore Grid Initiative For Wind Technologyとしてこのニュースを伝えています。

記事は北海沿岸の9カ国(ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、デンマーク、スウェーデン、アイルランドおよび英国)は、ブリュッセルで行われたエネルギー閣僚会議の最終段階で北海およびアイルランド海において統合沖合い送電網の開発を行うイニシアチブに署名を行ったというリードで始まります。
この記事の主要ポイントは9カ国のエネルギー大臣が沖合い風力発電網発電協約に署名した、沖合い発電技術開発に500万ポンドの助成金が交付された、再生可能エネルギー専門委員会議長が政府により指名されたの3つ。
またBusiness Greenの記事UK signs up to North Sea supergrid visionによれば、この協約は9月に欧州風力エネルギー協会(The the European Wind Energy Association から出された報告書によるもので、同報告書は欧州の電力需要の10%が沖合い風力発電によって賄われると予測していますが、それは沖合い電力網の拡充により新規開発が支援されなければ難しいとしています。

12月7日英建築専門紙のNCE誌もUK signs up to Europe’s first offshore wind gridとして報告しており、500万ポンドの助成金について「エネルギー相大臣のハント卿はLow Carbon Energy demonstration capital grantsをヴェスタス、クリッパー、三菱に供与すると発表した」としています。これはヴェスタスが175万ポンド、クリッパーが250万ポンド、三菱が80万ポンドという割合になっています。

低炭素社会における指導的位置獲得、実際面でのCO2排出量削減、さらに技術開発に伴う雇用の促進という面も見逃せません。
それにしても欧州は風力発電なんですね。北海あたりは緯度が高く、今頃だと朝は8時ぐらいにならないと明るくならないし、夕方は4時で暗くなる、それにくらべ北海は風が強い、太陽光発電よりも風力という選択、しかも過去の蓄積によりある程度技術は練れているといったところでしょう。
スマートグリッドの文字は出てきませんが、技術開発の一部はこれを組み込んだものなんでしょうね。

by fukimison | 2009-12-08 12:03  

南米で進むインフラプロジェクト

つい最近までこれからのインフラブームはドバイをはじめとする中東、中国、インドとする記事が新聞紙上を賑わしていました。中国やインドは相変わらずですが、存在感に陰りがでた中東に変わって台頭しているのが南米。その南米で米州開発銀行や日本の国際協力銀行が大型インフラ融資を行っているという記事です。

12月4日付けKHLはBanks in US$ 940 million Brazilian loanと題して米州開発銀行(IDB)、日本の国際協力銀行(JBIC)および民間金融機関4行はブラジル・サンパウロに建設される環状線建設プロジェクトに9億4000万ドルを融資すると決定したことを伝えています。
この融資はサンパウロを取り巻く全長182kmのベルトウェイ建設プロジェクト(総工費150億ドル)のうち、西側部分32kmの建設に対するものだそうです。
これについてJBICは12月4日にブラジル連邦共和国サンパウロ環状道路(RODOANEL)プロジェクト向け貸付契約の調印としたプレスリリースを発表しています。
IDBのプレスリリースはIDB attracts major banks for largest transportation financing deal in Latin Americaと成っています。

KHLによれば、IDBやJBICのほかボルトガルの商業銀行Caixa Geral de Depositos、Banco Espirito Santoそしてフランスの Calyonが2億ドルを13年の期間で融資し、さらにブラジルのBanco Bradescoが劣後無担保債務4億4000万ドルを 供与する予定だそうです。ローンパッケージの一部としてJBICが15年に渡り2億ドルを融資する一方、IDBは1億ドルを15年で供与するとあります。

IDBはこのサンパウロへの融資のほか、Uruguay gets IDB financing to modernize Port of Montevideoというプレスリリースを出しています。
こちらはウルグアイのモンテビデオにある港湾施設の改善計画支援のため2000万ドルの融資を決定したというものです。これにより港湾施設の拡充、効率化に寄与することで航行時間や輸送費の軽減が望めるというものです。
モンテビデオ港は急速に発展しており、海外貿易の増加により平均して年間14%の伸びを見せているそうですし、南大西洋における地域的なハブとして重要性を増しているとあります。

米州開発銀行ですから南米への融資が中心になるわけですが、世界各国の銀行と協調的に融資団を組んでいく姿はお上手です。

by fukimison | 2009-12-07 12:41 | プロジェクト  

英、The British Libray 新館落成

図書館はインフラだろうか?
道路やダムと性質は異なるものの、やはり重要なインフラでしょう。
随分前になりますが、日本の国会図書館の新館を始めて利用したとき、昔と比べて感動したのを覚えています。インターネットが普及して図書館へ行く頻度は減ったというより、殆ど行かなくなりました。巨大なDBのインターネットが無ければ、こんなブログは成立しなかった。

こんなことを考えながら選んだのが12月3日付けNCE誌の£26M British Museum depository opensという記事です。英国図書館は世界最新鋭の所蔵庫をヨークシャーに建設(工費2600万ポンド)していたが、これが完成し開館式が開かれました。英国図書館のプレスリリースも湿度と温度が管理された全長262km(ロンドンからマンチェスターの距離に匹敵)の書庫が完成し、これに700万点の所蔵品が収められるとあります。
今後2年をかけSt.Pancrasの図書館にある収蔵本のうち利用率の低いものが、新しくできた収蔵庫(Additional Storage Building:ASB)へ送られます。

ASBの機能で注目されるのは自動所蔵・回収システム、低温・低湿の環境システムに加え、火災の発生を防ぐための低炭素レベルに建物全体が管理されているそうです。(酸素が17%以上あると火災発生するため、14.8%に抑えられている)また英国で最も気密性の高い建物だそうです。所蔵品は14万超のバーコードの着いたコンテナに収められ、所蔵品の出し入れは人間が行うのではなく、新規に導入された自動所蔵システムにより7機のロボット制御クレーンがコンテナを所定の場所に収めると共に必要に応じて取り出しを行うのだそうです。所蔵庫から取り出された資料入りコンテナは回収エリアに送られて職員により取り出され、St.Pancrasの英国図書館へむけ送り出されるのだそうです。リクエストを出してから最大48時間で英国図書館の閲覧室に届く手はずだそうです。

どこかにこの自動所蔵・回収システムと所蔵庫の写真が無いかと思い探したところ、みつけました。
The British Library's Additional Storage Building (ASB) in Boston Spa(工事中のものですが、こうなっているのかぁ、すごいの一言です)

by fukimison | 2009-12-04 16:11 | 公共財  

米、五大湖エリアで風力発電所建設に向け第1歩

11月12日にThe U.S. Offshore Wind Collaborativeによる「風力発電開発レポート」発表の記事をお伝えし、その中で「風力発電がメジャーになってきた、いろいろな事例から学び、事業として成り立つようになってきたと感じる」と書きました。本日はこれを裏付ける記事が12月1日のBuffalo NewsにPower Authority seeks bids for wind farmとして掲載されたことのお知らせです。(この記事はENR誌も12月1日にNY Seeking Dev for Great Lakes Wind Project(AP伝)として伝えています)

12月1日、ニューヨーク州電力公社(The New York Power Authority:NYPA)はエリー湖およびオンタリオ湖で沖合い風力発電運営に向けた開発業者招致を発表した。同公社のプレスリリースでは五大湖地域で始めてのものであるだけでなく、淡水域で行うものとしても始めてとあります。NY州は現州知事のパターソン氏が2015年までに電力の45%を省エネと再生可能エネルギー源による電力供給によるものとする目標値を掲げており、NYPAはゴール年までにこのプロジェクトにより120から500メガワットの発電を行うとしています。
記事によるとNYPAはエリー、オンタリオの両湖の岸辺から2-7マイルの水域に40から200のタービンを建設、運営、維持管理を行う複数の開発業者を招致する計画だとあります。NYPAはトータルプロジェクト費用を7億から10億ドルと見積もっており、電力は地域の送電網に接続され、NYPAが全ての電力を購入することで開発業者は収益を得るという形態とあります。

五大湖で行うプロジェクトということで船舶航行を妨げないだけでなく、野生動植物の保護に対し配慮が必要で、環境保護団体との厳しい交渉が待っていると予想されます。

およそ14から15の開発業者が興味を示しておりNYPAは2010年6月1日をプロポーザル提出締切日に設定、選定発表は2010年の末を予定しています。

現在同様のプロジェクトがカナダ側(エリー湖の北側とオンタリオ湖のトロント側)でも検討されているそうです。

by fukimison | 2009-12-03 11:07  

沈むドバイ、登る?

10日ほどお休みしている間になんとかなるかと思ったドバイが、改めて難しい状態になりドバイショックといわれる風が吹き荒れております。このブログでもたびたびおしらせしていたので、そうかぁ、やっぱりーなのですが、簡単に英国の建築専門紙に現れたタイトルをご紹介すると11月26日にDubai government asks for six-month debt freeze (ドバイ政府、6ヶ月の債務据え置きを要請)、という記事がある一方でAbu Dhabi invites bids for sports stadium(アブダビ、スポーツスタジアム(65000席)建設入札募る)と、アブダビではまだ少しの余裕があったようなのが、27日にWorld markets rattled by Dubai debt delayのタイトルとなり、債務凍結というか繰り延べ要請が引き金となり不動産関係の株価下落を伝えていますし、30日はDubai and Abu Dhabi stock markets nosedive as trading reopensとなり、ドバイのみならずアブダビの株式市場も暴落が続いていると伝えています。そして12月1日Dubai shares continue to slideとして、この下落の元凶であるドバイワールドが安定した状態を維持していると声明を発表したのもかかわらず、ドバイとアブダビの株価は6%下落と伝えています。

こうした状況で12月1日のWealth BulletinはThe sun sets on Dubai ... and rises on Angola?(沈むドバイ、登るアンゴラ?)として世代交代の記事を掲げています。以前からオイルリッチの次はミネラルリッチといわれ、鉱物資源の豊富な南米、アフリカ、モンゴルといった国が取りざたされていました。
今回のWBの記事はまさしくその世界で「近頃、アンゴラの高官がノルウェーを訪問した。これは政府出資ファンド(sovereign wealth fund)の運営方法について助言を得るためであった」と言うリードで始まります。
記事を要約すると1660億ドルの石油歳入があり、近年世界でも最も伸び率の高さを示す国ではあるものの、やっと25年にわたる内戦が終わったばかりであり、政府や大型プロジェクトに関係する贈賄・汚職を監視する世界規模の民間団体Transparency International によれば、同国政府の腐敗度合いは180カ国中162番という凄さで、ノルウェーの年金運用基金と運営について教授を受ける協定を結んでも、投資家集団が飛び回るドバイやアブダビのような金融ハブになるには、道はかなり遠いというもの。

それよりもこの時期、アンゴラがお勉強に行くノルウェーの政府出資ファンド、良いかもしれない。

by fukimison | 2009-12-02 22:13 | つれづれ